いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「強くないままニューゲーム Stage1 ―怪獣物語―」入間人間(電撃文庫)

強くないままニューゲーム Stage1 -怪獣物語- (電撃文庫)
強くないままニューゲーム Stage1 -怪獣物語- (電撃文庫)

昼休み前の平和な教室を、突然巨大怪獣が襲った。俺は、踏みぶされて死んだ。
――直後。
視界に謎のコンティニュー選択の画面が現れた。
「Yes」の表示を選ぶ。すると、昼休み前の、『死ぬ直前』の教室に戻った。つまり、生き返った。
そして、俺と敷島さんの二人だけが気づく。
この世界が『ゲーム』だということ。
再びあの巨大怪獣が襲ってくるということに。謎のカウントダウンの数字がゼロになるまで。
俺たちは、強くないままニューゲームを繰り返す。


ループもの。
ゲームでありながら特殊能力も特別な装備も何もなしの完全に生身。プレイヤー2名、準備時間10分、コンティニューありだが時間制限あり。という条件で40メートル級の怪物と対峙する。
イメージとしては『ワンダと巨像』の舞台を現代の高校にして超難易度過ぎてクソゲーになってしまったようなゲーム。
というイメージをしていたので、後半に出てくるトカゲがパワーアップアイテムだと思ってしまったのは仕方のないこと……たぶん。
初めは勝利条件すらわかっていないので、そこから主人公・藤くんと敷島さんの二人で解決方法を試行錯誤していく過程を楽しむ小説。序盤は考える間もなくサクサク死んでいくので退屈だが、解決策に具体性が出てくるとだんだん面白くなっていく。そしてそこは入間作品。まともな答えが用意されているはずもなく、格好悪かったりえげつなかったり。
個人的には金髪イケメンの泥臭さも悪くなかったが、黒髪美少女の暴力的思考の素敵さの方が勝ったかな。
しかし、最近入間さん新シリーズか単発ばっかだなあ。クロクロクロックの続きおなしゃす!