西暦二〇九六年四月。司波達也と深雪は二年生に進級した。今までの目覚ましい活躍と実績が考慮され、今年度から新設された魔法工学科コースの生徒となった達也は、深雪の意向で彼女と同じく生徒会副会長にも抜擢される。
今年こそ、深雪と共に平穏な学校生活を……と考えていた達也だったが、『新入生』たちはそれを許さなかった。
七宝琢磨。入試成績トップとして、今年度の新入生総代を務めた『エリート』で、十師族の脇を固める師補十八家の一つ『七宝家』の長男。
七草香澄、七草泉美。十師族のひとつ『七草家』の長女・七草真由美の双子の妹たち。
同じの数字を持つ『ナンバーズ』の三人が、魔法科高校で波乱を巻き起こし――。新展開突入！
兄妹が二年生に進級した１２巻は新キャラ紹介と今後の火種をいくつか。
新キャラ＝新入生はインパクトに欠けるかな。卒業していったメンバーが濃すぎたとも言うが。ストーリー的にも戦力的にも上級生に割って入ってきそうなキャラがいない。
特に七宝くんの敵対心は言葉は悪いが少々鬱陶しい。あの達也が下級生の“おいた”程度でどうこうなるはずがないことは分かっているので、今更こんなスケールダウンした事をされても、というのが率直な感想。まあ、達也は学生なんだということを思い出させてくれる意味はあったかもしれないが。彼個人もキャラが去年の森崎そっくりで次の巻を最後に消えそう。
そんな情けない一年生を差し置いて、既存メンバーで急浮上してきたのが十三束。達也とクラスメイトになり、その実力も示した。達也に便利使いされてしまう同級生が増えてしまったか。これはレオ、幹比古とともに達也被害者の会が出来るもの時間の問題だなｗ
今後の火種＝伏線張りに関しては、派手にドンパチやっていたここ数巻と違って、政治的な駆け引きや陰湿な搦め手が多く読んでいて気疲れする。……いや、気疲れは無駄に長いせいかも。はっきりいって繋ぎの巻なのに４５０ページって。
今回は繋ぎ以上の意味が見出せなかった。このシリーズは時々読み返すけど、この巻はしないだろうな。次は……あれ？ もう九校戦？ 空回る七宝の姿が目に浮かぶようだ。
