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「魔法科高校の劣等生14 古都内乱編 〈上〉」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上) (電撃文庫)
魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上) (電撃文庫)

『九校戦』の“裏側”で起こった『パラサイドール』事件の黒幕の一人・周公瑾は、横浜から逃亡し、京都を中心とする古式魔法師集団「伝統派」の元に潜伏、姿をくらました。
そして二ヶ月が経ち――。
『全国高校生魔法学論文コンペティション』の季節がやってきた。新京都国際会議場で開催される日本魔法協会主催『論文コンペ』の準備に忙しい一高生徒たち。そんな中、達也の許へ、四葉真夜の書状を携えた黒羽姉弟が訪れる。手紙の内容は「周公瑾の捕縛に協力して欲しい」という要請だった。
何故、いつもの『命令』ではなく『依頼』だったのか疑問を覚えながらも、達也と深雪は「伝統派」の対抗勢力の中心である九島家を目指す。そこで、二人は『作られた天才魔法師』と運命の出会いを果たし…。
古都を舞台とした謀略と暗闘。魔法師開発の歴史の裏で燻り続けてきた因縁に、達也と深雪とその仲間たちが挑む。


そうそう、この感じを待ってた。
隙あらば説明に脱線する地の文と、達也の普通……とはちょっと違うけど級友たちとの若者らしい交流と、何でも知ってますよと言わんばかりの裏の顔の使い分け。そして、兄妹イチャイチャ。
前回の九校戦編が、学生そっちのけで裏の話ばかり。舞台が高校である意味がない内容だったのでがっかりしたのだが、今回はいつもの調子に戻っていて良かった。ここでちょくちょく九校戦の話題を出すなら、前巻の本番最中にちゃんと九校戦を取り上げてくれれば良かったのに。
今回は上編とあって、表面上は穏やかなおかげかラブコメ度高し。
安定の超絶ブラコンさんに、意外と普通に乙女だった水波、終わりにチョロイン真由美さんとヒロイン勢の活躍が光る中、一番可愛かったのは幹比古。美月に対して必要以上に頑張っちゃう姿がなんとも微笑ましい。やっぱりこの組み合わせはこのシリーズの良心であり、一服の清涼剤だ。他の組み合わせは学生らしさ皆無ですからw
こんな言い方はあれだが久々に面白かった。下巻は思いっきりアクション重視かな。お兄様無双に期待。