いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「王国の継承者」花房牧生(一迅社文庫)

王国の継承者 (一迅社文庫)
王国の継承者 (一迅社文庫)

突如現れた『大人の魔王』が圧倒的な力で大陸を侵略し、戦いを挑んだ英雄もまた、その力の前に敗れ去った世界。魔王の一人、イーゼンハイムに単身戦いを挑んだ少年・バルトは、劣勢のなか突然現れた妹・シリンによって外界へと弾き出される。辿り着いた深い森でバルトは、ゴブリンの群れに襲われる少女に出会う。彼女こそは、魔王を討ち滅ぼすとされる秘術の継承者リカだった!!
打倒魔王! 英雄継承ファンタジー開幕


面白かった……あとがきが。
濃いめのロマサガ話をされていたので。他人のプレイスタイルってちょっと興味あるよね。


肝心の本編は薄味だった。
既に魔王に支配されている世界観や、魔物・魔人を倒すと劇的に強くなる人間、始祖王の秘密など諸々の設定は面白くなる要素十分だったと思うのだが、それが生かされた内容ではなかった。主人公は魔王の息子で強くなる設定関係ないし、合流した人間の女性二人はあまり戦わないし。
後はキャラクターも悪くはないのだが……。
女の子たちのうるさくも楽しい様子“かしましい”を表現するのが上手い作家さんだと思っているので(本作もそれを期待して買った)、一人ではキャンキャン可愛かったアゼリナが剣の化身で主人公以外とほとんど会話せず、メインの人間キャラ二人は真面目すぎと、その長所が生かされるシーンがなかったのが残念。
「うん、まあ、普通」と思っていたところに、インパクトのあるあとがきが来たので、印象が大半そちらに持っていかれてしまった感じ。