いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「あーいそがし、いそがしですわ」

旦那が何を言っているかわからない件 2スレ目 #01(7.5)「思い出うごうご」


時はカオルの妊娠前まで遡る。妊娠後は話のストックがああ、まだ慌てるような時間じゃないな。
先輩の穴がパワーアップしてる!www
エンディングがムーディーで普通にいい曲だ。

「戦うパン屋と機械じかけの看板娘」SOW(HJ文庫)

戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 (HJ文庫)
戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 (HJ文庫)

人型強襲兵器を駆り「白銀の狼」と呼ばれた英雄ルート・ランガートの夢はパン屋を開くこと。戦争が終わり、無事パン屋を営むルートだったが、その怖い顔のせいか、さっぱり売れない。そこで窮余の策で募集したウェイトレスとしてやってきたのは、ルートの軍人時代の愛機「アーヴェイ」のAIから生まれたという白銀の髪と赤い瞳を持つ美少女だった。


あらすじからもう少しメカメカしい話を予想していたら、ほぼファンタジーだった。そして人の心に戦争の爪痕が色濃く残る予想よりはるかに重い話だった。
戦後間もなく戦勝国が併合した土地で元軍人の青年がやっている売れないパン屋の物語。
店主が強面だからパンが売れないという単純な話ではなく、軍人と民間人の溝や戦争に勝った同盟の中でも主要国と属国の間の溝など、戦後の心の問題をいかに解決するかが一つのテーマになっている。
こんな重いテーマで有りながら、ちゃんとライトノベルらしいキャラクター小説になっているのが見事。
その象徴的な存在が“機械じかけの看板娘”スヴァン。
(現在の)容姿にあった可愛らしい振る舞いに、主人公が好き過ぎて暴走する容姿に合わない攻撃性のギャップが魅力。機械仕掛けと言いながらAIを含めてメカらしさが全然ないのがSF要素が感じられない最大の要因だが、そのメカらしさがないところにも秘密が多くありそうで、そのミステリアスなところが彼女自身と作品全体の魅力になっている。
面白かった。キャラクターの魅力と苦しくもハートフルな作風で、不器用な男の優しさとAIに芽生えた愛の行く末をこの先も見守りたいと素直に思わせてくれる良作。唯一の不満点はパンの描写。食欲は刺激されなかった