いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



女子W杯

日本 1−0 スイス


酷い塩試合を観た。
不用意な横パスバックパスでスイスにボールを供給する日本と、誰も走っていないDFの裏にボールを出して山根にボールを返してくれるスイス。澤が交代した後ずっと劣勢の日本と、シュートを外しまくるスイス。うーんこの。
それでも勝ち切るのが男子との違いか。
結局、澤しかバランスがとれる選手いないんだね。澤が変わったらせめて宮間を真ん中に置こうよ。
その前にちょっとだけ観た、アメリカ−オーストラリア戦とのレベルの差がもの凄い。オーストラリアにも勝てる気が全くしない(^^;

「黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2 amorosamente」久遠侑(ファミ通文庫)

黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2 amorosamente (ファミ通文庫)
黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2 amorosamente (ファミ通文庫)

文化祭、そしてノギハラとの件を経て、少しずつ変わってきた黒崎。本格的にピアノを習いたいと言う彼女を、僕は入谷市で行われるコンサートに誘うことにした。その奏者である青島未華子さんは、黒崎のお母さん、奏さんの教え子であることがわかり、黒崎との出会いを喜んでくれるのだけど、彼女は黒崎の両親の過去、そして二十年前の事件にも深く関係していたようで――。
第16回えんため大賞優秀賞受賞作、ドラマティック青春ストーリー第2巻、登場。

1巻で綺麗に完結していると感じていて、蛇足になりそうな2巻はスルーするつもりだったのだけど、そこそこ評判が良いようなので。



1巻でホラー要素になっていた事件の顛末を語りつつ、所謂“社会復帰”した麻由が少しずつ他人と関わっていく様子を見守る正統派なその後の話。やっとタイトル通りに麻由の瞳に美しい世界が映るようになった物語。
……良かった。黒井君も普通の少年だった。
実は麻由よりも彼の方が気になっていた。1巻では語り部である黒井君にあまりにも感情の抑揚がなく、それが読み難さ入り難さにも繋がっていて、幽霊と揶揄される麻由よりも闇が深いんじゃないかと密かに思っていた。それが2巻では動揺はするし劣等感も抱く、緊張もすれば高揚もする。親との関係は相変わらずのようだけど、動き出した麻由に引きずられるように彼の感情も動き出したのだろうか。おかげで1巻よりもかなり読みやすくなっている。やっぱり感情移入出来るって大事だ。まあ、語り口が10代の少年とは思えないほど落ち着いているのは変わりないのだけど。
そんな彼の語り口に、やっと動き出したばかりの彼女の世界。オカルトはさらに薄くなり、起こる出来事はどこまでも日常。と、なんともライトノベルらしくない静けさ。でもこの空気感が堪らなく好き。
始まったばかりの恋という青春ストーリーに相応しい要素を含みながら、甘酸っぱさよりも透き通っていて壊れやすそうな危うさを持つ綺麗なものを眺めている感覚のほうが強い
実に落ち着いた読書時間が味わえて満足。おじさんの好みにはぴったりはまったが、若者が楽しめるかどうかは……。少女漫画好き男子とは親和性が高そう。