いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おおお? デートか? まさかシャワー室で、え、大胆すぎないか!?」

具体性の無いことしか言わない人。他人の批判しか出来ず自分が何をするか言えない人。この時だけいい顔する人。
ニュースが不愉快な人たちに占拠される時期が始まってしまいましたね。選挙だけに。


……失礼いたしましたm(_ _)m

「小和田くんに隙はない? 飯田さんの学園事件簿」萩原麻里(一迅社文庫)

小和田くんに隙はない? 飯田さんの学園事件簿 (一迅社文庫)
小和田くんに隙はない? 飯田さんの学園事件簿 (一迅社文庫)

気になることにはとにかく首を突っ込みたがる飯田さんは、今日も小和田くんに無理難題をふっかけていた。「学校の七不思議が現実に起こったんだよ? 気にならない?」「うん、気にならない」「犠牲者が出たらどうするの?」「出るわけないじゃん」クールだけど飯田さんを放っておけないことには定評のある小和田くん。夜の校舎に響く子供も声、調理室から消えたケーキ、差出人も宛先も不明なラブレター。ふたりは今日も学園に起きた謎の事件に巻き込まれていくのだが……。

萩原麻里先生、久々の新作は学園ミステリーもどき(「もどき」は作者談)
短編連作形式のミステリ風作品という今流行りの形式で、事件も七不思議や差出人不明のラブレターなど学園ものらしい平和なもの。キャラクターもお節介でトラブルメーカーな幼馴染みの女の子に振り回される静かで理知的な少年というよくある組み合わせ。
そんな中で、各話のオチだけがちょっと変わっている。事件の真相ではなく、思わず「驚かすところそこじゃないだろ」とツッコミたくなる変なところで読者を騙してくる。
と、一部奇抜だが基本的にはストーリーもキャラクターもオーソドックスなので、元気いっぱいで問題を起こしても憎めないタイプ飯田さんと、表面には出さなくてもそんな彼女が大切で大好きだと滲み出ている小和田くんのほんわかムードを楽しむのがメイン。
ただ、四話目だけがちょっと空気が違う。
この話だけシリアスで被害者の態度がころころ変わるのがミステリアスな雰囲気を醸し出す。この四話目の雰囲気こそ作者の真骨頂だと思う。
ほんわかまったり楽しめて最後にらしさも垣間見えて面白かった。



あとがきによると短期決戦作業だったらしいのだが、それにしても誤字・脱字・ミスが目立つのが結構気になる。
東京なのに県立だったり、1年3組って書いてあるのに何年生か分からないって言ったり、突然ナッツが出てきたり。校正さんガンバレ(^^;