ヤマグチ ノボル ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険

王女を懲らしめるのがわかってしまっているためか、タバサがいじめられていてもいずれは仕返しするのだなとか思いながら読んでしまいます。話のねたを考える苦労は短編も長編もあまり変わらないとあとがきにあって、確かにそうだろうなあと思うのですが読者からするとものすごく鋭い短編だと思える作品は(読解力不足は否めませんが)少なくて、話の長さとしてこれ以上伸びると冗長になるなと思う作品が多い。長編を短編のつながったものだと考える(というかそういう形式にする人)の短編という印象でした。ところでミノタウルスの話はどこかで読んだことがある話のような気がするのですが、思い出せません。ラグナロクだったような気もするのですが…。

田口 一 魔女ルミカの赤い糸

魔女ルミカの赤い糸 (MF文庫J)

魔女ルミカの赤い糸 (MF文庫J)

もしこの作品がどこの会社から出版されたかを聞かされていなかったら(知らなかったら)おそらく角川スニーカー文庫だと答えるであろう作品。それだけレーベルの特色が薄れてしまっているのかもしれませんが、イラストもどことなくスニーカー文庫っぽい。
物語は体を失った魔女のために平凡な少年がいろいろとささげる話。キャラクタも話もどこかで読んだことがある話ですが、ルミカの少年に対する態度は面白い。そこは少し新しくて、予定調和を楽しむ二人、のような感じ。投稿作品なので完結する必要があって、多少伏線らしきものがちりばめられていたけれどルミカも彼もハッピィエンド。これから続編を書くとしたら変な格闘ものになってしまいそうなのでそれはやめて欲しい。これからどのような作品を書く作者なのかは良くわからなくて、あとがきを見るとあまりライトノベルにはなじみがないのか、わざとそう書いているのかは不明ですが、この作風では今後残っていくのはちょっと難しいかな、とも思います。