小野俊介 サル的日記

いや、その、サル的なヒトだから・・・

遠近感が怪しいのである

視力の衰えが激しい。 40代後半から50代のご同輩には深く共感してもらえると思うのだが、近くも遠くも見えにくい状況になってしまいました。 パソコンや携帯の小さな字が読めず、思わず眼鏡を外してしまう。 昔は 「なんでおじいさんたちってわざわざ眼鏡を外すのか」 と訳が分からず不思議だったが、今では自分がそうである。 一方で、駅構内の表示が読めない。 特に暗い地下鉄。 近眼も進んでいるわけである。 うーむ。

・・・ などと呟きながら、大学の生協で買い物をしていたのである。 大学生協は、むろん若い学生さんで商売をしているから、若い学生さんのニーズに最大限にこたえる品揃えとなる。 菓子パンの棚には、「メンチカツタルタルソース揚げパン」 だの 「ハムカツ焼きそばパン」 だの 「二種の濃厚クリーム入りメロンパン」 だの 「大福ホィップクリーム今川焼パン」だのといった美しいパンが並ぶ。 どうっすか、そこの、中年腹をこっそりかかえたおにいさん、おねえさん。 そう、あなたですよ。 活字を見ただけで恍惚となって身震いしそうなカロリー感と背徳感でしょ? こいつらがね、実にうまそうなんすよ、ダンナ。(注 1)

(注 1) でね、困ったことに、実際無茶苦茶うまいんすよ、奥さん。

そしてその隣の売り場。 うず高く積まれた若者的高カロリーの魅惑の聖地。 そう、そこはカップ麺売り場なり。 こっちも多種多様の商品が並んでいる。 「ソース焼きそば系、ギトギトやなぁ(でもうまそう・・・)」、 「豚骨系が多いなぁ」、 などと山積みされた商品を見ていたら、私もカップラーメンを食べたくなった。 「どれ、いつものカップヌー○ルを買おうか」 と手に取った ・・・ のだが、手に持った感じに何か違和感がある。 そういえば、さっきからなんか軽くめまいがする。 うまく表現できないのだが、その売り場のあたり、遠近感がどこか変なのだ。 そうか、近眼と老眼が進んで、まともに買い物もできなくなったのか、自分 ・・・

・・・ と思いながらよーく棚を見てたら、違和感の原因が判明した。 なんと、その棚一面に並んでいるカップ麺の大群、置かれている商品サイズのデフォがみんな 「大盛り」 なのである。 手に取ったカッ○ヌードルもキングサイズ(笑)。 よく見ると、周囲のカップ麺すべてに 「特盛」 だの 「メガ盛り」 だの 「マジ盛り(笑)」だのと書いてある。 焼きそばの棚なんぞ、4人前くらいありそうなサイズの焼きそばがすごい勢いで積んであるのだ。 

で、中段あたりに控えめに 「ふつう」 のサイズのカップ麺が並んでいるのだが、これが妙に小さくかわいく見える。 普通サイズがミニサイズにしか見えん。 これって、和田アキ子の隣に並ぶ峰竜太のサイズがわからないのと同じ原理ですね。 錯視あるいは遠近感の妙というやつ。

ただでさえ腹まわりが危険なのに、危うくキングサイズのカッ○ヌードルをルンルンと買わされるところだった。 恐るべし、大学生協。 いや、正確には恐るべし、大学生の食欲。 皆さんもたまには気分転換に大学生協にお越しください。 若い世代が買うものを眺めているとなぜかちょっと楽しいよ。

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さて、一部読者に熱烈に支持されている秘書さんのだんなさんのお弁当シリーズ。 むろん、ネタ不足で苦悩しているサル的日記の貴重な中継ぎ陣として続いていくわけである。 私にとっては、昔の 「ピッチャー、鹿取」 並の信頼感だ。(注 2) Оさん、引き続きよろしくお願いします。 今回のお弁当は、まっくろくろすけが秀逸。 食べてしまいたくなるほどの可愛さである。 そりゃまぁそうでないと困るのだけど。

(注 2) 「ピッチャー、鹿取」 が通じる年代の読者もだんだん減っていくのであろうなぁ。 寂しいなぁ。

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こんな素晴らしい漫画が出てたのを不覚にも見落としていた。 さよならソルシエ (全2巻)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

「二人のゴッホ」 のお話である。 そう、あの画家のゴッホ。 短編ながら、才能、狂気、愛情、嫉妬が散りばめられた見事な人間模様。 要所要所ではちゃんと盛大に泣かせてくれますよ。 穂積というこの漫画家さん、なかなかの才能と見た。 個人的にはテオが 「やってみやがれ馬鹿野郎。 本物の夜明けを見せてやる」 と守旧派の意地悪じいさんに啖呵を切るシーンがたまらなく好きだったりする。 なんとわかりやすい自分。

おすすめです。 ぜひ週末に2冊まとめ買いして帰って、感動に浸ってください。