怒涛のセミナーレポ第2弾(ビジネスブログ)
では、引き続き、10月20日(木)ふくい元気企業フェア2日目に聴講しました、齋藤伸也講師のビジネスブログセミナーの簡単なレポートを以下にまとめたいと思います。
元気企業フェア、セミナープロフィール、イーナチュラル、ビジネスブログ
[講師略歴]
齋藤 伸也(さいとう・しんや)氏 有限会社イーナチュラル代表取締役。
大学卒業後、不動産会社にて新築分譲マンションの営業やマーケティングに活躍。退職後、社会人大学院にてMBAを取得。大学院在学中の1998年にホームページ制作を手がける個人事業を創業し、2000年に有限会社イーナチュラルとして法人化。創業当初から「ホームページをできる営業マンに!」をコンセプトに、企業ホームページの構築運営やコンサルティングを手掛ける。2003年よりWebマーケティングブログ「ENatural.org」を運営し、企業のブログ構築も数多く手掛けている。2004年にはビジネスブログ情報サイト「ビジネスブログ」を開設、企業がブログを営業やマーケティングに活用するための情報提供をしている。主な著書として、「その営業はもう、ホームページにまかせなさい!」(翔泳社)、「ビジネスブログのつくりかた」(秀和システム)がある。
ネットも営業の現場である。
(有)イーナチュラルは、「ビジネスブログ」という名前のサイトを運営しており、既にビジネスにブログを活用している事例を300ほど持っているとのこと。単純にここのサイトを参考にさせてもらうだけでも、かなり有効であると思います。まずは「敵を知れ」ですね。
さて、齋藤講師はネットを「営業の現場」。ブログを「営業活動のためのツール」と考えおり、基本的には通常の営業と同じような考え方で、顧客を頂点とするピラミッドを形成しているとのことでした。その流れは大体こんな感じ。
[1]インターネット利用者に対して、SEO対策や各種プロモーションを行い、自サイト(ブログ)に誘導する。
[2]サイト訪問者に対して、優良なコンテンツやユーザー誘導を行い、見込み顧客にしていく。
[3]見込顧客に対して、クロージングアプローチやフォローを行うことで顧客獲得につなげる。
とはいえ、ネットの場合サイト訪問者が交流にいたる確率は「0.1%と考えても高いくらい」とのこと。また、来訪経路は大半が検索エンジンであり、その傾向は多分今後も続くというかますます加速する可能性があるため、やはりSEO対策というのは今後も有効な手段の一つでしょう。
ブログの3大メリットとは?
[1]運営が簡単(極端な話、誰でもできる。)
[2]SEO効果(検索エンジン対策として有効)
[3]コミュニケーション機能が豊富(コメント、トラックバック機能等)
機能面での効果としてこうしたものを挙げてらっしゃいました。が、ブログもただの「道具」情報コミュニケーションに優れた道具であると、結局は、これをどう使うかが重要になるわけですね。
個人的にブログを使う場合には日記的な使用方法が代表的になりますが、ビジネスにブログを使用する場合には、最低でも以下のようなことを定義しておきたいということでした。
・運営者が明確である。
・企業、またはそれに準ずる事業体が運営。
・会社概要またはそれに準ずる事業体のウェブサイトへのリンクが存在する。
・メール、またはメールフォームでの問合せ先が存在する。
・RSSを配信している。
RSSとは。
Webサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLベースのフォーマット。主にサイトの更新情報を公開するのに使われている。指定したサイトのRSS情報を取り込んで更新状況をまとめたWebページを生成するアンテナ(巡回)ソフトや、デスクトップに指定したサイトの更新情報を表示するティッカーソフトなどが開発されているため、ニュースサイトや著名なウェブログなどでは、更新情報をRSSで公開するところが増えている。
トラックバックとは。
ウェブログ(ブログ)の機能の一つで、別のウェブログへリンクを張った際に、リンク先の相手に対してリンクを張ったことを通知する仕組みのこと。
ビジネスブログの使い方と落とし穴
ウェブは顧客の求めている情報を提供する場所であると。その中で特にビジネスブログが有効に機能するケースについて例を挙げて紹介してくださいました。
・同一フォーマットでの大量コンテンツ公開
・ブログ的ブログ
社長自身のブログや専門分野ブログ、裏話、ニュース等であり、テキスト形式による更新が中心。
・CMS的ブログ
本サイト、キャンペーンサイトの管理
商品情報、Q&A、用語集、ニュースリリース、媒体掲載、お客様の声、バックナンバーなど
CMSとは。
Webコンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築したり編集したりするソフトウェアのこと。広義には、デジタルコンテンツの管理を行なうシステムの総称。
逆に落とし穴というか、陥りやすいケースについてもあわせてご紹介。
[1]運営が簡単
であるがゆえに、更新しないとみすぼらしい。また、 更新が簡単なため、責任が重大で、うっかり非公開情報を公開してしまう等といったケースが考えられる。
[2]SEO効果について
更新しないと効果が出ないのはもちろんだが、ある程度テンプレートを作らないとシンプルなサイトになってしまう。
[3]コミュニケーション機能が豊富
不要なコメントやトラックバックにより、サイトが荒らされ放題にされる可能性がある。また、マナー知らずのトラックバックはスパム行為になる。
SEOをつきつめて考えよう。
効果を検証するためには、アクセス解析ツールが不可欠で、これなしでは何から手を打っていいか判断する材料が無いのと同じであるとのこと。本ツールにより、「アクセス数、誘導数」「検索キーワード」「問い合わせにいたる確率」「コストパフォーマンス」「ブログ内での行動パターン」等を分析することからはじまります。
「分析結果を基に、仮説を立ててブログを運営し、再度結果を検証する」このサイクルを続けていくことで、少しずつ効果を出せるものとなるそうです。
ブログのSEO効果は、[1]1記事が1ページになることで、商品毎に制作すれば商品ごとにページが存在することになること。[2]サイト内リンクが張り巡らされていることによる効果等があるとのこと。
また、日本で使用される検索エンジンはYahoo!が5割、microsoftが2割、googleが2割と、3検索エンジンで全体の9割を占めており、そこに向けた対策を打つことが大事。
また、SEOを意識したブログ記事の執筆には、ユーザーの立場で検索キーワードを検討してくれる、Overtureキーワードアドバイスツールやgoogleアドワーズ広告キーワードツールなどの活用は欠かせないとのこと。どちらも無料のツールなのでどんどん使って行きましょう。
また、ブログのコミュニケーション機能も協力であり、RSS・コメント・トラックバックと色々広がりがでるため、ヒット率が高くなるそうです。
この後、時間が少なくなったこともあり、メディアとしてのブログの力が大きくなっていること。企業におけるアフィリエイト活用のメリットも大きく、ブログ運営者とwin-winの関係が築けることなどについて、駆け足でご説明されていました。
今回のセミナーでは、正直それほど新鮮な内容というのは多くなかったのですが、ブログを今から始める方にとってはツボを押さえた良いセミナーだったと思います。
講師が一番伝えたかったのは、「あくまでブログは道具であり、一番大事なのは中身であること。ブログをするためにブログをやっているようではまったく意味がない。」ということだと感じました。経営にITを導入する際の注意点とまったく同じ視点ですね。道具を入れる前に、仕事の進め方自体を精査しなさいというこですね。
あとは、運営を始めたら、効果測定・検証をキチンと行って、仮説を立てつつどんどん変更を入れながら、少しでも良いものになるように運営を続けていくということだと思います。
あー、そろそろキチンと自社内にブログが欲しくなってきました(笑)