CGAP『ペルーの代理店ネットワークの規模と密度を拡大する』
CGAPによる最新のBriefをご紹介いたします。
Driving Scale and Density of Agent Networks in Perú(PDFファイル)
特に、提供するプロダクトの種類と代理店のネットワークの密度の関係を論じたところが興味深かったです。
現金取引などの単純なサービスを提供する場合は、代理店を運営するためのコストは低く済み、参入の障壁が低いことで全体としてのネットワークの密度は高まるが、顧客へのインパクトという点では弱い傾向があるといいます。
これに対し、顧客の本人確認・高額の取引・取引レシートの印刷・代理店の納税者番号の提出が、複雑なサービスの例として挙げられています。
こうしたサービスの提供にはコストがかかるため、損益分岐点(BEP: breakeven point)に到達するためにある程度ビジネスに規模が必要となり、プロダクト面では充実するものの、ネットワークの密度の増加は限定的にとどまるようです。
これらの中間としては、個人識別番号による顧客の本人確認や、SMSで確認メッセージを送信する簡素な現金入金があるそうです。中間的な形態では、現金出金は扱わないことが明記されているのがポイントでしょうか。
このようにサービスの多様化と拠点の拡充にトレードオフを持つ代理店のオペレーションの核となる要素として、以下の5つが挙げられています(p. 2)。
- 運転資本
- フロントエンドのハードウェアとネットワークへの接続
- 流動性管理
- 労働と空間
- 詐欺に対する責任
以前の記事でも書かせていただいたように、代理店を運営していくには、様々なビジネスのノウハウが求められるようですね。
さらに、こうした代理店ネットワークのモデルとして4つの類型が区別されており、銀行中心(bank-centric)のモデルがファイナンシャルインクルージョンと親和性が高いとされております。
ペルー国内の状況としては、低コストの代理店が多く、都会と農村のどちらでも、顧客に対するネットワークの密度が高いそうです。
EIUのランキングで1位に輝いているペルーのマイクロファイナンスには興味があるので、CGAPが実施したという調査についてもっと詳しく知りたいと思いました。