BCBS「ファイナンシャルインクルージョンに関する金融機関に対する規制と監督の実際」
バーゼル銀行監督委員会(Basel Committee on Banking Supervision)が公開している文書をご紹介いたします。
Range of practice in the regulation and supervision of institutions relevant to financial inclusion(PDFファイル)
マイクロファイナンスやデジタルの金融イノベーションが、ファイナンシャルインクルージョンを進展させるために重要な役割を担っている現在の状況を踏まえ執筆された文書です。
2013年の後半に中央銀行をはじめとする世界中の監督機関に対して実施されたオンラインの調査の結果が、図表を駆使してまとめられています。
携帯電話・ペイメントカード・POS端末といった機器や経路に加え、顧客との現金の入出金の窓口となるリテール代理店を利用することが、新たなデジタル手段として描かれています(p. 4)。
このようなデジタルのプラットフォームの活性化にともなう消費者保護やリスク管理やAML/CFTといった話題が、プルデンシャルな規制と監督という趣旨に即して多面的に考察されるさまを興味深く読むことができました。
付せんを立てたのは以下の箇所になります。長くはありますが、多様なことがらが扱われていますね。
- 金融機関のカテゴリー(p. 6)
- ファイナンシャルインクルージョンの定義(p. 11)
- 口座の開設と利用を促進する政策(p. 12)
- 規制と監督と認可の違い(p. 13)
- 規制により明確に許可されている業務(p. 15)
- 監督にもちいられる手法と手段(p. 29)
- 法や規制で要求されるリスク管理の手段とプロセス(p. 32)
- 金融機関が外注することを許されている業務(p. 34)
- 代理店を介した業務のためのリスク管理の手段とプロセス(p. 35)
- 銀行の標準的なリテールローンのポートフォリオとマイクロローンのポートフォリオがはらむ信用リスクの違い(p. 36)
- 貧しく低所得の顧客を遇する金融機関の資産と負債は、一般的な銀行と比べ、異なる流動性リスクを生じさせる(p. 39)