Androidは携帯電話におさまらない(ま さんへの返信)

ま さんへの返信が思いのほか長くなってしまったのでエントリにしました。


Androidは今の時点では全てオープンでないことは知っていますが、全てオープンソースになるとアンディ氏は宣言しています。

本当にそうなるかどうかはわかりませんが、Androidでは隠しAPIなどは一切設けないということを先日のGoogle Tech Talk in 京都で聞きました。


プロプライエタリになるのはデバイスに近い部分だけで、アプリ開発者にはあまり影響はないと考えています。
実際そこはキャリアがどういうアプローチをするかはまだわかりませんが、実はあまりそこに興味はありません。
長くなるので詳しくは書きませんが、キャリアがアプリ開発者にとってオープンな戦略をとらなければ、数多く出てくるAndroidをベースにしたオープンな端末に駆逐されてしまう運命が待っているでしょう。


iPhoneが戦国の世に流れ着いた火縄銃だとすれば、Androidはその設計図と製作するための道具を提供しています。
長期的に見ればAndroidの方が進化していくのは明らかです。Androidの設計図があれば銃が簡単に作れます。その設計図を元に改良を重ね、大砲や光線銃を作ってしまう人も出てくるかも知れません。


わたしの頭の中ではすでにキャリアの呪縛からは解き放たれています。
最初の端末がリリースされてソースコードがオープンになれば、例えば我々のような小さな会社でもデバイスを一から作ることが可能になるからです。
また、Androidはむしろキャリアに縛られるような携帯電話用のプラットフォームにはおさまらず、組み込み端末のベースになっていくと思っています。


AndroidAndroid自身を作ることが可能な道具を提供してくれるので、(別にiPhoneでなくてもいいのですが)iPhoneそっくりのものを作ることすら可能で、将来的にはそういったデバイスも安価でたくさん出てくると思います。
提供された箱庭から飛び出すことの方が開発者冥利に尽きます。
iPhoneのように完成されて組み立てられたおもちゃではなく、Androidはレゴブロックなのです。
可能性は無限大です。
iPhoneで出来ることは限られています。


決してバラせない完成品の高性能なロボットが20万円で売っていて、高性能なロボットの設計図とロボットを製作するための道具がタダで落ちていたら、私は迷わず設計図の方を拾うでしょう。
完成品のロボットも買ってしまうかもしれませんが、それを参考にしながら自分だけのロボットを作ることに情熱を燃やすと思います。


その昔私が小学生だった時にお年玉でラジコンカーを買いました。
友達もラジコンカーを持っていました。
友達のラジコンカーはバックが出来ました。
私の持っていたラジコンカーはバックが出来ず、前進と回転しかできませんでした。
バックできないのが無茶苦茶悔しくて、どうしてもバックできるように改造したかったのですが、どうにもその方法がわかりませんでした。電流を逆に流せばバックできるんじゃないか?くらいしかわかりませんでした。
私はバックが出来るラジコンカーを別に買うよりも、回転と前進しかできないラジコンカーの仕組みを理解してバックできるようにしたかったのです。
結局バックできるラジコンカーを翌年買ってしまい、その夢は叶いませんでしたが、今でも自分の中ではバックさせる事が出来なかった悔しさが忘れられません。
人から与えられたものをそのまま使うことではあまり面白さを感じられない性分のようです。