ある旅人の物語


「ミケくん」




 石の階段がある。どこまで続いているのだろう。
 旅人がその神社にやってきたのは、それがきっかけだった。山の中腹にまで続く石段を登り、彼は少し寂れた神社にたどり着いた。




 ふと見ると、猫がいる。ずんぐりと太った猫だ。狛犬の台座が丁度日陰を作っており、その下にちょこんと座っている。目を細め、どうやら転寝をしているようだ。
「ミケちゃん、ミケちゃん」旅人は手を差し出し、無邪気に声をかけた。この三毛猫も人に馴れているのだろう、旅人を一瞥し、また目を細めた。
「ミケちゃん、ミケちゃん」旅人はなおも近づいた。三毛猫は、うっとうしそうに一瞥し、そして口を開いた。
「おい。俺をミケちゃんと呼ぶな。俺は男だ」




 三毛猫は言った。「ニンゲン共は三毛ときたらすぐ女だと思いやがる。俺は立派な男だ」そう言って、フンと鼻息を立てた。
「じゃあきみは、ミケくんなんだね」旅人は目を細めて言った。
「ああそうさ。ここのじいさんも気づいてねえがな。お前は貴重な男の三毛に会ってるんだぜ」旅人の素直さに関心しながら、三毛猫も目を細めた。
「そっか、それはラッキーだ」旅人は声を立てて笑った。三毛猫も、フフンと笑った。




「じゃあまた、ミケくん」旅人は三毛猫と握手をすると、先ほどの石段を降り始めた。
「じゃあな、素直なニンゲンよ」三毛猫は石段の上に立ち、旅人が去る様子を見つめて言った。




 旅人は歌う。人間達の誰にも知られていない、貴重な猫がいることを。

ジン生茶に参加させていただきました(*^ω^*)


普段考えないことをいっぱい考えられて面白かったです!なるほど・・・みんなこうやって妄想を広げていくのね。勉強になります!
フールは一体隊商でどういう生活をして、どういう人たちに出会って、どういう気持ちになるのかなあ。
想像力が乏しいともったいないですね。想像力は個人的に仕事でも必要なので、練習としていろいろ妄想していこうと思いましたw


ソアラさんとニジーナちゃんお借りしました!
ジーナちゃんは今は髪の毛のびてきたのかな?フールは赤子を見る経験も少ないだろうなーと思います。
ほっぺたとかひっぱったりするかも知れないので、ソアラさんはよく見ておいてください…(えw


あ、今更ですが、2周年企画でザ・フール借りてくださった方々ありがとうございました(´;ω;`)
描くとしたら一人月夜の下で演奏してる姿かなーなんて思ってたので、みんなのワイワイした中にいれてもらえて感激です!ありがとうございました!


メモ:リンクはる

<い、1週間以上放置…


2周年記念企画が展示されてましたね!
漫画や小説いいなあ、と思うc000です(*^ω^*)
ザ・フールも何か小話考えてみようかな…。



…というわけで、本作ってみました。



追記

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翠の天幕にお邪魔しました!
シャハラザードさんシャウラさん、お付き合いありがとうございました(*^ω^*)
シャウラさんが来て「おお信号カラー!」と阿呆なことを思ったのは秘密です。


以下どうでも良い話

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