We shall overcome

今週は甘あまソングに浸りたいと思っていましたが、軌道修正をします。
考えてみると、クマは毎年この時期に神経をすり減らし疲れ果てて超後ろ向きになってしまいます。そこで、前向きにこれを乗り切るために、今月の歌(何時からはじめたんだ、そんなもの!)を2曲選んでみて、今日はその1曲目である We shall overcomeについて、ぐだぐだ書いてみます。
古い歌で諸説ありますが、現在よく知られているのはピート・シーガーが1950年代に広めたものです。

讃美歌「勝利を望み」として日本の教会でも歌われていますが(追記;2009年6月 どうも讃美歌を調べてこのページを検索でご覧になる方が多いようなので書いておきますが、英語と日本語の歌詞を並べると歌の雰囲気というか意味しているところが違うと私は思っています。ここに私が書いているのはあくまで英語版の歌詞の内容についてです。この事については同年4月11日にも少しふれました。)、アメリ公民権運動のシンボルとなった歌と言えるでしょう。ジョンソン大統領が議会で1965年にアラバマ公民権運動の行進で起きた「血の日曜日」を受けて、We shall overcomeを演説に用いた事でも知られていますし、この演説の後に成立した投票権法が公民権を守る法律として大きな礎となったといわれているようです。なかなかなグッとくる演説です。

この演説の出だしが下の動画ですが、どっかの現大統領の言い回しと同じ箇所に気付くと思います。

そして、このフレーズを使う部分は

以降も続きますが、全文のテキストはこちらを見てください。歯がふがふがしてるけど、内容は説得力と危機感に満ちていて、感動します。

キング牧師もこの言葉と歌を何度となく口にしています。(オバマさんの大統領選挙勝利宣言でもこの言葉をキング牧師の言葉として使ってましたね。)

この辺りの事について、PBSでBill Moyersがヒラリー・クリントンの昨年のジョンソン大統領とキング牧師への公民権運動への貢献についての発言問題と絡めて面白く評していたので、その動画を貼っておきます。

先日、大統領就任式前に行われたリンカーンメモリアル前の記念コンサートWe are Oneでは何と御歳89才のピート・シーガーさんがバンジョー片手に孫のやはり音楽活動をしているテオ(とっても素敵な声の持ち主だと思いました)とブルース・スプリングスティーンとThis Land Is Your Landを元気に歌っていました。(このコンサートとこの曲を巡る問題は近く書きたいと思います。)

とても印象的だったので、二人の関係を見たいと、調べてみると2006年にスプリングスティーンがシーガーの歌のアルバムを出してライブを行っていた頃、NPRのAll things consideredでインタビューをしていて、そこにちょうどこの歌が貼られていて、思い出したのが今月の一曲に選ばれるきっかけでした。(インタビューと歌は公式ページで聞く事ができます、気になる方はこちらをクリック)
We Shall Overcome: The Seeger Sessions

この歌については、歌詞全体もいいと思いますが、特に繰り返しのコーラス、
Oh, deep in my heart
I do believe
We shall overcome some day
というのが、前向きでよいですし、
そういう姿勢で常にあれば、何事も踏み越えていけるような気がして、
私は気に入っています。
まず頭で考えてから書けと言われそうな文章の典型で、しかも長くて失礼しました。