冬季アジア大会

caltec2007-02-03


冬季アジア大会:渡辺・木戸組が金…アイスダンス


長春(中国吉林省)来住哲司】


当地などで行われている冬季アジア大会は第7日の3日、フィギュアスケートアイスダンスフリーがあり、オリジナルダンス(OD)まで首位の渡辺心木戸章之組(新横浜プリンスク)が計151.93点で金メダルを獲得した。男子はフリーがあり、ショートプログラム(SP)4位の中庭健介(パピオク)が計179.13点で3位に入った。SP5位の小塚崇彦(愛知・中京大中京高)は4位。SP首位の徐銘(中国)が194.19点で優勝した。


◇渡辺・木戸組が軽快なステップ、会心の出来


コンビ結成から13年目で最後のシーズン。前回銀メダルの渡辺、木戸組が、国際大会で初めて表彰台の頂点に立った。


ショパン作曲の「幻想即興曲」に乗り、持ち味の軽快で息の合ったステップを披露。力強いリフトでもアピールした。木戸が「会心の出来」と胸を張る演技。今大会の他の出場組はすべて中国勢で、いわば「敵地」での演技だったが、大きな拍手が起こった。

 
なかなか国内でトップに立てず、長い下積みを経験したが、99年から米国デラウェアで80年レークプラッシッド五輪アイスダンス優勝のロシア人、ナタリア・リニチュク・コーチの指導を受け、少しずつ力をつけてきた。昨年はトリノ五輪に出場し、日本勢史上最高位の15位に入った。


「時差ぼけなどで体調は良くないが、練習が充実していたからよく動けた」と木戸。「他の組とはレベルが違う。優勝して当たり前」と話していた渡辺は、優勝が決まった瞬間に「やったー!」と跳び上がった。今季限りの引退を決めている2人に、神様からのご褒美のような金メダルだ。


○…SP4位の中庭にとって喜べない逆転銅メダルだ。「6分間練習の時から右わき腹に刺すような痛みがあり、踏ん張れなかった」といい、冒頭に果敢に挑んだ4回転トーループで転倒。さらに3回転サルコウでも転倒するなど、持ち味のジャンプが乱れまくった。予想以上の高得点が出たうえ、SP3位の呉家亮(中国)も失敗したための3位。「4回転は体がしっかり伸びていて、攻めた結果の転倒。次につながる試合とプラスに考えたい」。次週の4大陸選手権に向けて気持ちを切り替えていたが、本番に弱い課題は依然克服出来ていない。


○…ペアはSP首位の申雪、趙宏博組が4連覇の快挙を果たし、地元開催に花を添えた。92年にペアを組み、02、03年世界選手権優勝、トリノ五輪で2大会連続銅メダルの実力者。表現力などを問うプログラム構成点は5項目とも8点台の高得点を並べた一方、冒頭の3−2回転連続ジャンプの二つめが1回転になるなどミスも目立った。自己ベストの計206.59点を更新するのが今大会の目標だったが、計195.55止まり。趙は「ミスが多くて自己ベストに届かなかった。高い得点なので(更新は)難しい」と、優勝の喜びよりも残念な気持ちの方が強かったようだ。


毎日新聞 2007年2月3日 23時50分 (最終更新時間 2月4日 1時46分)