あぁ、雨のリオ旅行…ポン・ジ・アスーカルと美味しいシーフード料理(リオその①)

ブラジルといえばリオ、というくらいその名を知られている世界的観光都市、リオデジャネイロ
サンパウロから車でも6時間、飛行機ならわずか1時間で行けるという近さにありながら、今までなかなか行く機会がなかった。
今回、ソグラをリオ観光に連れていくという名目で、私たちも初めてリオの街を体験することになった。
ブラジル人の知人に言わせれば、「晴れていないリオは見るところがなにもない」ということだけれど、いえいえそんなことはありません。
私たちの滞在中、ずっと霧雨か曇りだったけれど、それでもかなり楽しめた街、リオ!
さすが世界の観光地…と唸らされた。


さて今回は、土曜日の朝の飛行機を利用した。コンゴーニャス空港は大混雑!びっくり、週末の空港ってこんなに人がすごいのね…。
そして、経営不振で運行が怪しいと言われているヴァリグも、ずいぶん飛んでいるのね…しかも週末割引のようなものがあって、ものすごくお得な価格だとか。
ヴァリグのカウンターはずいぶん賑わっていた。
私たちはそんなこと全然知らなかったので、今回もGOLを利用。アンラッキーにも、1時間近く出発が遅れたよ。とほほ。


出発する前から、天気予報でリオは雨…とわかっていたから覚悟はしていたけど、本当に天気が悪くってねぇ。
着いたとたん、傘が必要なくらいの雨だよ。どうしましょう。
とりあえず迎えの車に乗り込んでホテルへ向かい、チェックインをした。
ホテルは、ルクソールコパカバーナ。5つ星とまではいかないけれど、かなりいいホテルだと思った。
今回は、日本からのお客さま(義母)を連れて来ていることもあって、海が見える部屋・つまりランクはLuxo(ルッショ)を予約しておいたんだけど、なんと最上階のオーシャンフロント!
ベランダはないけれど、大きな窓からはコパカバーナ海岸とホテル群が一望できる。
あぁ、雨でもこんなにいい眺めなんだもの、もし青空と青い海が広がっていたならどんなに素晴らしいだろう…

雨だからといってじっとしてもいられない。2泊3日の短い滞在だ。
とりあえず初日は、リオ名所のひとつである「ポン・ジ・アスーカル」へ上ることにした。
これは、巨大な二つの岩山。海沿いにぐぐっとそびえ立ち、近くによるとその巨大さに驚くほど。


いつ、どうやってこんな岩山が誕生したんだろう。今回は日本語ガイドはつかない旅だったので、残念ながらそのあたりの言われを知ることはできなかった。
ともあれ、岩山のふもとからロープウェーに乗り、一度中腹で降りて少し眺望を楽しみ、もう一つのロープウェーに乗った。


中腹からは、とりあえず海岸とか街並みなどを見下ろすことが出来た。けどねぇ、なんせ天気が…。
しかし内陸部の山のあたりを見ると、おぉ、あれはかすかにキリスト像が見えるではないかっ!
厚い雲が出たり入ったり、キリストは見え隠れしながらも、その存在を私たちに示してくれた。


2基目のロープウェーが上りきったところが頂上。中腹より高度が高いぶん、眺めもいいはず…なんだけれど、なんせ天気が…。
仕方ないことだけど、残念だなぁ。
日本語ペラペラな日系人おばさんのいる宝石店のショーウインドーをちょっと見たりして(だって景色がよく見えないんだもの、お土産屋なんかを冷やかすしかないよね)。
ほんの短時間でくだりのロープウェーに乗ってふもとに戻った。
あぁ、天気さえ良ければなぁ。


続いてはちょっと遅めのランチへ。
事前に先輩方に聞き取り調査をしておいたのよ、リオでおいしいレストランはどこかって。
いくつかリストアップしてくれたうち、シーフードが美味しいというイパネマ地区のお店「Satyricon」に行くことにした。
ホテルの1階にあり、入り口はこぢんまりしているけど、中は堂々たる規模。
店内の水槽には大きなイセエビが泳ぎ、新鮮な魚や貝などがショーケースに美しくディスプレイされている。食べる前から魚づくしの店内である。


メニューには、シーフード関係ならなんでも、といった感じで、ムケッカカルパッチョ、パスタ類、寿司などが並んでいる。
何がおいしいのか全然ピンと来ません…という気分だったので、ギャルソンにおすすめを聞いて何品かオーダーした。
これがねぇ、美味しいこと美味しいこと!


とりわけ、見た目にも素晴らしい「前菜盛り合わせ」のような料理が気に入った。店の雰囲気と相まって、すごく気持ちよく食事が出来た。
リオにはきっと、こういうレベルの高いレストランが多いんだろうなぁ。

サッカーの殿堂?!マラカナンスタジアムで観戦(リオその②)


夕方から私たちはサッカー観戦に出かけた。そう、かつては20万人もの観客を収容できたという(今は改装され、少し人数は減っているはず)、ブラジル一巨大なサッカー場マラカナンスタジアムにて。
ちょうどブラジレィラォンの、サンパウロフルミネンセが6時半から行われる日だったので、事前にチケットを押さえていたのだ。
まともにサッカー観戦をするのは初めて、しかもマラカナン!ということで、結構ワクワクしていた。どんなにすごいんだろう!!

スタジアムの中はサッカーミュージアムのようになっていて、世界各地のサッカーの様子がパネル写真で展示されていたり、過去のヒーロー選手たちの写真が展示されていたり、これは試合を見るのではなくここを見学するだけでも楽しめるなぁ、と思わせられる内容だった。
そういう展示を熱心に見ている観光客も多い。
(上の写真は、ワールドカップ王者となったイタリアチームの記念撮影用ボード。顔を穴から出して写すやつね)


そうそう、日本のサッカー風景としては、浦和レッズのサポーターの様子がパネルで紹介されていた。すごいぞ、レッズファン!

さて、エレベーターの行列に並び、ようやく自分の番が来た。ここで驚いたのは、幼児連れの家族がものすごく多いこと!
サンパウロのスタジアムはたいてい、5歳以下の入場はダメ。安全面の理由からだと思われるけど、ここでは幼児OKなのね〜。
今回利用したのは、VIP席エリアのような場所で、入場料もそれなりに高く、バリバリの応援団席とは入り口も違うところなんだけど、だからかな、子どももOKなのは。

入り口、つまり1階からエレベータに乗って5階で降りると、まぁなんと広いこと!高いこと!
さすがの規模である。5階の高さだもんなぁ。
座席の向こうに見える山沿いのファベーラの灯りがとてもきれいに見えた…。
観客席はVIPエリアといえども、普通のイス席である。お客さんの数はまばらで、というか、スタジアムが広すぎてまばらに感じられるだけで、人数にしてみれば結構入っているんだろう。

フルミネンセは地元リオのチームのひとつ。もちろん応援団の数も、相手のサンパウロより多い。
しかしサンパウロは現在リーグでトップを快走中のチーム、激しい地元の応援もなんのその、今日も着実に少ないチャンスを点につなぎ、あれよあれよと3対1で勝利。
私たちはフルミネンセ側にいたもんだから、点を取られるたびに大げさなジェスチャーでがっかりしたり選手に罵声を浴びせたりするおじさんたちの様子が間近に見られた。
それを見てるほうが、試合を見るよりおもしろかったりして。


フェンスの周りには物々しい雰囲気で警察官が立っていたりして、やっぱりサッカー観戦は手放しに安全というわけにはいかないんだなぁ…と実感させられた。
今日は特にファン同士のいざこざもなく(まぁ、同じ市内のライバルチーム同士じゃない限り、あまりひどい騒ぎは起こらないはず)、粛々と皆、帰途についていた。
私たちは、ペレの足跡のところで記念撮影し、お土産屋さん(マラカナンTシャツとか、リオのチームのユニフォームとか)を見て…思いっきり観光客!な行動をして、帰途についた。

リオといえばサンバ!ショーハウスでの夜(リオその③)

まだまだリオ観光一日目である。
サッカー観戦が8時過ぎに終わり、いったんホテルに戻り留守番中のソグラと子どもたちを連れて、さぁ今度は10時から始まるサンバショーですよ。
Platforma 1(プラットフォルマ ウン)という名のショーハウスは、リオを訪れるほとんどの観光客は一度は足を踏み入れるのではないだろうか。
この日は土曜の夜、もちろん満席で、開始前からなんだか熱気ムンムンの館内であった。
飲み物をオーダーしようにも、ギャルソンたちは大忙しで、なかなか私の席までたどりついてくれないよ。
客席にはサンバ衣裳のお姉さんと女性スタッフが回ってきて、テーブルごとの記念撮影をしていった。


さて、いよいよショーが始まった。ノルデスチ風や南部風、インジオ風などブラジル各地をイメージした衣装を見につけた男女が、サンバをベースにしたステップでいろんなダンスを踊る。
そのうち、カポエイラのお兄さんたちが登場し、アクロバチックな動きを軽々と披露。これはすごかった。
筋肉隆々の鍛え抜かれたボディにくらくらしたよ…。かっこいいなぁ。
  

続いて、ものすごい勢いで華麗なサンバステップを踏みまくるソロダンスのおじさんが、バテリア(打楽器隊)とともに登場。
これがもう、ものすごく上手。私、サンバをちょっとかじってるから、このダンスがいかに複雑で難しいかがよぉぉぉーくわかります。
とにかくすごいんです。この後からサンバのお姉さん達が何人も登場したけどね、彼のこのサンバには全然叶いませんよ。足の動き、腰の動き…。天下一品です。
さすが、ソロを任されるだけのことがあります。一見の価値あり!


後半はいよいよ、サンバらしいサンバ隊が現れた。露出度満点の、ぷりぷりお尻のセクシーお姉さんたちが、最前列の観客のまさに文字通り目の前で腰をふりまくり〜!
お父さんたち、カメラで激写しまくりですよ。いや、お父さんじゃなくても思わず見とれちゃいます。さすがのダンス!


カーニバルで目にするポルタ・バンデイラ(旗を持ってのダンス)や、小林幸子ばりの羽飾り炸裂ドレスのお姉様たちも登場し、なるほどこのステージを見れば、カーニバルを見られなくてもカーニバルの疑似体験が出来ますなぁ。
よく出来たステージだこと。


さてもうショーは終わりかな?という頃、おもむろに司会者が登場し、会場に向かって「アメリカからのお客様は手を挙げて〜」「オーストラリアの方〜」などと、お国ごとに手を挙げさせはじめた。
もちろんジャポンも呼ばれたので、張り切って手を挙げたよ。
で、実はそれだけで終わりではなく… 本日一番多いお国の方々がステージに上がるよう呼ばれたのだ。指名されたのは韓国の皆様…


おそらく団体旅行でいらしたのだろう、30人くらいのおじさんおばさんたちが、首からカメラをぶらさげたまま次々にステージに上がる。
そしてBGMが「アリラン」に代わり、韓国人の皆さんは、ノリノリで音楽に合わせて踊りだした。あるおじさんは、司会者にマイクを渡されて、ア〜リラン アリランと声高らかに歌いだした。
す、すごいぞ、韓国人…
日本人も、このくらい盛り上がれるだろうか…。


なーんて言いながら見ていると、次々に、アメリカだのコロンビアだのドイツだのと指名がかかり、ステージではそれぞれの国を象徴する曲が流れていく。
全部の国が指名されるわけがないから、アジアは韓国が出たから日本はないよね。
もし日本だったら何の曲が流れるのかな、まさか君が代じゃないよね、せいぜい、さくらさくらとか荒城の月?でも暗いよね〜
…などと話していたら、うわ、呼ばれちゃったよジャポン!!!


しかし、やっぱりシャイな国民性を反映してか、一度の呼びかけでは誰もステージに上がらない。
司会者がジャポン、ジャポンを連呼しだしたので、ならば仕方ない、ここで日本魂を見せねば!と立ち上がったのはもちろんワタクシ(笑)。
だってねぇ、呼ばれたら応えなきゃ失礼ってもんでしょ、ねぇ。
でも一人で上がるのもなんなので、コイを道連れに、一番にステージに上がった。
すると次々に他の日本人客も上がってきてくれたので、あぁ良かった良かった。
ちなみに曲は「上を向いて歩こう」であった。いい選曲をしてくれてありがとうよ、これなら明るく踊れるもんね!
さすが、世界の観光客を相手にしているショーである。さすがリオだなぁ、とこんなところでも実感してしまった。


観客参加タイムのあと、またサンバに戻り、最後にはお客さんもステージ近くに集まってのダンス大会。やっぱりブラジルだなぁ。
すっかり満足して出口に出ると、ステージの様子を撮影したビデオや、開演前にテーブルごとに撮影されたサンバ姉さんとの記念撮影写真、それにジャポンと呼ばれてステージに上がったときの写真が販売されていた。
写真は1枚20ヘアイス、約1000円… さすが観光地価格である。(買わなかったけどね)
店を出た頃はすでに日付が変わっていた。
長い長い、リオ観光の一日目が終わった。