リオのカーニバルを客席から見る


さてリオのカーニバル2日目は客席からの観覧。チケットは事前にインターネットで買っておいた。これがちょっと面倒で。
ここのサイトだったんだけど、英語のページでね。買ったのはいいんだけど、チケットの受け渡しが結構大変。
カーニバル3日前くらいに、リオの何らかの住所宛に届けると言う。リオ在住ではない人は、予約してあるホテルのフロントに届けてもらうしかないんだけどね。
その条件が結構厳しくて。フロントで受け取る人の身分証明書の提示が必要とか、署名が必要とか、デリバリーボーイの到着後5分以内にその手続きが出来ないと持ち帰って再配達になり、その場合40ドル加算されるとか…。


そのことをホテルのフロントに事前に電話でお願いしておかなければならない。
そういうのが面倒だった。
値段はどうなのかなぁ、Setor 11という、ゴールから2つ前の位置。そこのアルキバンカーダ(スタンド自由席)で一人165ドル。ドルですよ。レアルに換算すると今だったら倍にすればいいのかな、330レアルですよ。(約2万円)
ちなみにサンパウロでの同条件の席ですと、80レアル。この差はいったい…。
さすが世界に名だたる観光都リオのカーニバルです。高くても買える世界中からのお客さんがたっくさんいるんですねぇ。
代理店を通したり、ホテルのフロントを通したりして買うと、手数料が含まれてより一層高くなると見られますが…。それにしても高すぎだよねぇ?


なおチケットはなかなか立派。
入場時に機械に通してしまうカードサイズのものと、終始身に付けておくための首から下げる大きめのプラカードの2枚セットである。
首から下げる方にも磁器テープがついていて、再入場も可能となっている。このシステム、ぜひサンパウロにも欲しい〜。(サンパウロは再入場不可能なのだ…)




前置きが長くなりましたが。
高いのはチケット代だけではなく、タクシー代もカルナヴァル価格に跳ね上がってました。
フラメンゴ地区のホテルからサンバ会場まで、一律42レアルと言われた…。時間にして15分ちょっとの道のりなのに。これまた高すぎる。でも仕方なし。


リオのサンバ会場はサンパウロより古い、というか歴史があると言う方がいいか。
建物の印象がだいぶ古びている感じ。
そして、タクシーが着いてから会場に入るまでの道が、なんかあまりこぎれいじゃないと言うか。雰囲気が悪いと言うか。薄暗いと言うか。
はっきり言ってあまり気持ち良くない。ブラジル暮らしにだいぶ慣れた私だからまぁ耐えられるけど、突然日本からカーニバルを見に来たようなケースだと、この雰囲気、かなり怖く感じられるんじゃないかな。道にたむろしてる薄汚い服装の人々。物売り。うーーー、これもまたリオ?!


で、会場に入ってみればまぁ普通のスタンド席という感じで。
開始時間9時の15分ほど前に到着したのに、すでに満席状態。しかもお客さんみんな、思い思いに頭飾りを着けたりして、なんだかテンション高いぞ!
なんとか二人分のスペースを確保し(だけどかなり上の方で、パレードコースが遠いぞ)、スタートを待った。



ブラジル時間でおそらく30分は最低スタートが遅れるだろうと思ったら、あらま、定刻にアナウンスの第一声が入ったよ。そしてパレード開始も9時10分過ぎだった。10分程度の遅れだった。すごい、やるじゃんリオ!!!
そういえばサンパウロも今年は大きな遅れがなかった。いいことだ。いい方向に変わりつつあるのか、ブラジル時間。


最初のチームはMocidadeという。サンパウロにも同名のチームがあるけど関係はなさそうだ。ポルトガル皇帝のリオ到着をテーマにしているようで、ヨーロッパの貴族風の衣装が多くエレガントな感じだった。
だけどここは隊列の時間割が下手だった。前半ゆっくり進みすぎて、後半、時間が足りなくなり、グループがだんご状態になって見苦しい。
上から見ると、こういう全体の流れがよくわかるのねぇ。
それにしても1チーム目からいきなり刺激的な女性陣であります。この露出度の高さ、サンパウロにはなかったなぁ。リオは大胆じゃのう。




次のUnidos da Tijucaは、テーマが「コレクション(収集)」だった。これは結構斬新と言うか、見ていて楽しいパレード。切手集めとか、チョウの採集とか、ドールハウスとか、サッカー選手のシールブックとかね。いろんな集めモノを表現していた。



続くImperatrizは、ジョアンとマリアたち、というテーマ。これは、皇帝ドン・ジョアンと3人のマリアたちの物語。知る会でブラジルの歴史を学んでいたから、その辺の歴史を歌う歌詞だったけど意味がよくわかったよ。知る会で勉強していると、カルナヴァルでもずいぶん知識が役立つのだ。
ナポレオンのポルトガル侵攻によって、王室がリオにやってきたという部分があるんだけど、山車もフランス国旗入りの、どことなくレ・ミゼラブルのミュージカルっぽいものが登場した。




その次がVila Isabel。ここは、働く人々というテーマ。歌が結構気に入っていたし、内容も良かった。やはりこれもブラジルの歴史がからんでいて、インジオから奴隷、その奴隷たちが雇い主に対して最初の反乱を起こしたことなんかを表現していた。労働運動の始まりとかね。
ポルトガル語の歌詞もだいぶ理解できるようになったつもりなので、ただパレードをキレイだなぁって眺めるより、意味がわかって2倍楽しめる感じだ。
カルナヴァルのパレードはオペラのような一つの物語があると言われるけど、まさにそうだと思う。



で、正直、ここを見るまでは、リオのカルナヴァルって言ってもサンパウロとそんなに変わらないじゃないの?山車の迫力も、踊り子の様子も、リオの方が何倍もすごいとは思えないよなぁ、なんて生意気なことを思ってた。
でもVila Isabelはやっぱり大きくて迫力あって、良かった。



このチームにも日本移民にまつわる山車があった。働く人の中には各国からの移民もいる、というわけで、移民船に日本人やイタリア人やドイツ人が乗っているというもの。
移民の写真もあったのよ。


そういえばこのチームに、ミス・ブラジルのナターリア・ギマラエンスが登場していた。すごいカメラマンの数だった。
こういう美女を集めたサンバ写真集があるけど、あんなふうに綺麗に撮影するのは至難の技だね。特にアルキバンカーダからだと、私の一眼のズームを最大にしてもこの程度…。でも美しさは伝わるよね?



トリの一つ前、Grande Rio。ここもすごかった。テーマは天然ガス。環境問題もからめた内容だった。出てくる衣装もグリーン系とか生き物系が多い感じ。
トリに近づくにつれ、だんだん豪華さが増してくる感じだ。
それにしても客席のノリがサンパウロより断然すごい。その場でずっと踊りまくってる人が結構周りにいた。アルキバンカーダの満席状態で踊るんだよ?もう大変。
でもすっごく楽しみながらワイワイと賑わってる雰囲気はとてもいい。サンパウロはもっと全体におとなしめだもんね。



そしてこのチームでも日本風の山車を発見。なぜかと言うと、歌詞の中に「ガスをよく利用する日本」などというフレーズが出てくるのだよ。
だからって歌舞伎風のお兄さんを出すってどうなの…???山車には大仏さんもいましたよ。不思議。



さて最後が去年の優勝チーム、Beija Florであります。かなり人気があるらしく、周りにはチーム名入りのTシャツを着て応援体制を整えてる人がたくさんいた。
テーマは、ブラジル北部のマカパ州のアマパという地域を歌ったもの。とにかくここはド派手だ。衣装が、山車が、とにかくキンキラ。お金かけてます!!って感じ…


でも、パレードは華やかなもん勝ち、でしょう。文句なしに素晴らしいと思ったよ、ベイジャフロール。
これはやっぱりサンパウロのどのチームも叶わないなぁ。山車は巨大だし、山車に乗ってる踊り子の人数がすごく多いのよ。それだけで迫力満点。
人間が山車の一部になってるというのかねぇ。体いっぱいで表現している。
さすがの貫録。見て良かったと思えるパレード。




ベイジャ・フロールの後ろには、1階席で見ていたお客さんたちがくっついてパレードし始め、まるでサルバドールのブロッコ状態。
このノリもすごい。でも、私もその中に混じりたいと思った。
しかしこれはアルキバンカーダじゃ無理。もっともっと高価な1階席を購入しなきゃ無理じゃ〜。




結局、最後の最後まで見て、終わったら午前5時半過ぎであった。
会場の外に出ると、ものすごい人があふれていた。団体用のバスを待つ軍団。貸し切りタクシーと待ち合わせる人。
そして私たちはタクシーを探すも、タクシー乗り場なんて見当たらないよ…。
仕方なく流しのタクシーを求めて道を逆流。なんとか数分後につかまえることが出来たけど、いきなり50レアルとか言うし。行きの42レアルだって相場(30レアル弱)よりかなり高いのに、50って!!!
でも疲れ果ててたし、次のタクシーがすぐ見つかるとも思えなかったので、乗っちゃいました。足元、見られてるよなぁ。


こうして、また、明け方から昼まで眠ると言う一日がスタート…。
ほんと、体力勝負な毎日。