わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

山の手の美声

 八時三十分起床。起きざまにテレビをつける。ニュース番組で九州地方の水害のレポートをしていた。もう何日、このような映像を観ているのだろう。痛む心で梅雨明けを願うばかりだが、空はあいかわらず灰色の雲に覆われたままだ。
 午後より外出。渋谷西武、新宿伊勢丹でお買い物。「ヨウジヤマモト」で秋物の新作を購入する。カミサンは欲しいと思うものはあれど、今のところ必要なさそうということで何も買わなかった。
 山手線に乗っていると、どこからともなく鼻歌が聞こえてきた。女性の声だ。演歌のような、バラードのような、よくわからんのだが、やたらとビブラートをきかせたりしゃくりあげたりと、かなりテクニックを駆使した、おそらく歌っている本人はかなり悦に入っていると思われる歌い方だ。最初は誰かがラジカセでも鳴らしているのかと思った。だがそうではない。見回してみるが、そんなマナー違反をしているようなひとはひとりもいない。だが聞こえる。どこからだ。わからん。じゃあ誰かが歌っているのか。いや、そうでもない。音は明らかにスピーカーを通して広がっている、そんな印象を受ける。耳を澄ましてみる。どうやら車内のスピーカーからその歌声は聞こえてくるようだ。ということは、これはJRの乗務員、運転手か車掌かはわからんが、女性の乗務員が歌っているのではないか。カミサンと不思議がっていたら、となりに座っていた別の女性も気づいていたらしく、必死になって笑いをこらえていた。肩を小刻みに上下させている。
 夕食は伊勢丹の地下にあった中華料理のお総菜屋の餃子と豆腐サラダ。どちらも塩味が強すぎてちょっと困った。

Yohji Yamamoto pour homme 2006-07 Autumn/Winter http://www.yohjiyamamoto.co.jp 

 テーマは「バロック」。たんなるバロック文化のなぞりなおしではなく、奇異なる様式美を山本耀司なりに解釈して生まれたダンディズム、といった印象のラインナップ。コレクションで目を引くのは黒地に白い☆を並べた、安倍晴明が見たらよろこびそうなデザインのロングコートだが、残念ながらこれはまだ発売されないらしい。立ち上がりは、カットワークというかスリットがあちこちに空いており、そこにスカーフやストールをつっこんで楽しむという、不思議なデザインのジャケットと、大きなポケットをいくつも配したワイドシルエットのパンツがメイン。素材は得意のウールギャバジンだ。惚れ込んでしまい、今シーズンはこれを購入。おなじデザインコンセプトのシャツ(ブラウス)も豊富だったが、これまで合わせてしまうとかなりクドイ。というか、そこまでやってはじめて「バロック」が成り立つのだろう。


 ヨウジのファムは、ワイドでボリューム感のあるコートやファスナーでツナギにもワンピースにもなる不思議な服など。ワイズ(レディス)はパッチワークジャケットに、細いプリーツスカートの下に細身のパンツをはじめから組み合わせた、ちょっとストリートな感じのするラインナップ。ワイズフォーメンは、なんだか今までとかわりばえのしない定番ラインという感じだったなあ。ふつうに着るならコレなんだろうなあ。
 チラリとのぞいた「コム・デ・ギャルソン・オム・プリュス」が、十年以上前のデザインテイストにちょっと回帰している感じで驚いた。