ゴールデンスランバー

元サークルの友人に久し振りに連絡を受けて会いに来た青柳(堺雅人)は、首相暗殺の犯人に仕立てられてしまう。しかし、これは偶然ではなく、いないはずの場所に自分が存在しているビデオがあるという、明らかに作為的なものであった。
青柳は、宅配ドライバーとしての「習慣」と人々との素直な「信頼」のみを武器として逃げる。
彼の先には何が待ち受けているのか…


観賞日2月3日




【75点】




原作は『フィッシュストーリー』、『陽気なギャングが地球を回す』の伊坂幸太郎堺雅人主演の邦画『ゴールデンスランバー』。




自分は「映像化がっかり」をふせぐために基本的に映画原作の小説は読みません。

なので今回の評論は原作を知っている方から見れば若干間違っているかもしれませんが、悪しからず。








ゴールデンスランバーというのはビートルズのアルバム「AbbeyRoad」内の曲ですね。作中では主人公たちの思い出の曲になっています。



ゴールデンスランバー=黄金のまどろみ」が青春時代の曲であるということは、青春時代が輝ける眠りのような恍惚に包まれているという象徴なのでしょうか。

花火などもそのモチーフとして回想に用いられて、象徴としてのイメージが強まった気がします。






今作は、一言で言うなれば『逃亡者』でしょうか…ていうかコンセプト自体はそのまんまですね







ストーリーは普通でした。こんなもんかなといった感じですか。



でもこういったハリウッド的なものでも、まとまったものとして作れたのは素晴らしいと思いますが。

つくりが丁寧なので問題なく観れます。スピード感がおちたりしたのは丁寧につくったがゆえの弊害かもしれません。







やはり堺雅人の演技は良かったです。『新選組!』の頃からそうですが、相変わらず彼は地味にかなりの好演技をみせます。

雰囲気が良いというか…なんというか(笑)


濱田岳演ずるキルオのキャラも良かったですね。

作中でも随一の不思議系。


「びっくりした?」っていう口癖も耳に残りますし、なにより憎めない感じに仕上がっています。




劇団ひとりも、青柳の友人の1人として出ました。テレ東のバラエティ番組、ゴッドタンで悪ノリのアツい演技をみせる彼ですが、中々面白かったです。(笑)








最終的なオチとしてはいわゆるハリウッド大作映画とは全く違います。しかし、主人公青柳、そして彼が信じた人々をメインとした物語の結末はこれでもアリだとは思います。


綺麗に終わることには終わっているのに、イマイチ納得がいかないのはそういう仕様でしょう。
必ずしも真実とは提示されるものではなく、今回の物語の主題はそこにあるわけではないと。