東のエデン 劇場版I The King of Eden DVDスタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2010/03/24
- メディア: DVD
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2010年、大学卒業旅行でアメリカに来た森美 咲は記憶喪失の不思議な男、滝沢 朗に出会う。そして彼は、行動していくうちに自分が、特殊なノブレス携帯に100億を所持する「セレソン」の1人だと知る。
セレソンとは日本を正しく導くために選ばれた12人の人間。彼らにはそのために100億が与えられ、携帯による申請を通してほぼ何でも出来る(ミサイル発射、土地の買収、殺人など)が、これは降りることは許されない強制参加ゲームだった…
アニメのラストで、セレソンの1人が起こしたテロ事件を解決した滝沢だったが、解決した直後に「この国の王様になる」という申請して咲の前から姿を消す。手掛かりをもとに彼女は彼を見つけるためにニューヨークへと向かう…
観賞日
2009年12月5日
【75点】
2010年3月19日
【70点】
ついに今年の映画がネタ切れに…
今回の映画は昨年12月に観た『東のエデン』の続編・・・
というより今回と前回、さらにはテレビシリーズを合わせてひとつの作品と言えます。
そんなわけでⅠとⅡをあわせて評論します。
正直面白かったです
展開の面白さや、携帯やニートなど現在の日本を映す題材、さらには映画ファンならニヤリとしてしまうような演出。
スピーディーな展開はまさに劇場版といった様相。
まずはアニメシリーズを観てもらいたいです。映画の様な展開には思わず引き込まれる筈
様々な伏線、緻密な物語は一度観ただけでは分からない位のレベルです。
演出した奴は相当の映画好きだな(笑)
小ネタとして登場した映画を軽くあげるとニューシネマパラダイス、ミュンヘン、ドーンオブザデット、ボーンアイデンティティー、マトリックスやライ麦畑でつかまえて(小説)など大変な数になり、まだ沢山あるらしいです。
けいおん!、化物語は確かに新境地を切り開いた面白い作品ですが、個人的には今作もそのレベルだと思います
この作品のキーワード
「ノブレス・オブリージュ。 今後も救世主たらんことを」
ということが記憶に残ります。
ここまでⅠの感想
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この物語は、Mr.outsideなる人物から、100億円を自由に使える携帯をもらうところから始まります。
つまり、作品のメインテーマは
「100億円でどうやって日本を救うのか」ということ。
日本を救うということで、考えられるのが政治的・大々的な行動。
今作では主人公と、もう1人元官僚が、上記の行動に近いことにをします。前者は抽象的・理想論的、後者は機械的・効率主義的な考え方。
2人の考え方には同じ方向性もあるのですが、全く反対にも見えます。
それはまるで、1人の人間の中で起こる葛藤のようにも見えます。
それは物語を作った監督の、またこの作品を観る中で観客の中に生じるもののようでもあります。
今作は、エンターテイメント性に欠ける点が残念でした。その原因は、今作がシリーズのまとめ、つまり謎だった部分のタネ明かしや作者の主張にあたる部分に多くの時間を割いてしまったためでしょう。
新旧洋画のオマージュが今まで非常に多かった分そこは残念でした。しかし、今回明かされたタネはテレビシリーズでも多くヒントが隠されていたらしく、もう一度楽しく見直すことが出来そうです。
面白い物語にはもう一度観たくなるような魅力、”可逆性”があります。そうなるには、魅力的な名シーン、数々の細かい描写、膨大な数の設定と伏線といった要素が考えられます。例えばスターウォーズやバックトゥザフューチャーがその例に挙げられます。
観るたびに新たな発見のある物語は、間違いなく名作の要素のひとつでしょう。自分の成長とともに作品の意味合いも変わるでしょう。自分もスターウォーズは幼稚園、小学生、中学生、高校生、大学生と何度も見直しましたが、毎回違う角度で見れた気がします。
金を払う人はサービスを受けるは当然だと考える。それは「お客様は神様」精神があるからでしょう。しかし、本来この精神はお金をもらう側のものではなかったのだろうか。今作はこういった国民意識にも焦点をあてます。
正直個人的には、こういった精神が浸透しすぎたゆえに、サービスはもらって当然という傲慢な考えが広まったのかと・・・
接客する側も、ネットの画面の向こうにいる人間も、作品を作った人間も、全て同じ人間です。ミスはあります。批判があって、もの・サービスが向上するのは必要なことですが、理不尽な批判・行動は明らかに不必要ですね。
そうそう、この映画の主題歌を歌うSchool food punishmentはオススメなバンドです。物語にシンクロしている歌詞やエレクトロ・ポップ・ロックをミックスしたサウンドが特徴です。