リトルランボーズ


少年ウィルはプリマス同胞教会の厳しい戒律のもと、テレビも見せてもらえないほど娯楽と乖離した生活を送って来た。
ある日、学校一番の悪ガキ、リー・カーターと出会い、その後リーの家でウィルは初めて映画『ランボー』を偶然観ることに。すっかりランボーにかぶれてしまったウィルは、リーと一緒に、捕らわれたランボーを救出しに行く冒険映画を撮影することにする。
正反対の2人だったが、監督と主演俳優として過ごす間に、だんだんと友情が芽生えていく…


観賞日

2010年12月17日

【75点】





まず、言おう心温まる作品だ。




2人の少年が様々な出来事の中で時には衝突もしながら、友情を深めていく。
90分ちょいなので、テンポ良く物語が進んでいく。

ここだけみると、かなりありがちなストーリーだと想像するかも知れない。

実際大枠だけ考えるとありがちではあるし、予定調和的な作品でもある。
で、クライマックスも想像はついた。

そのへんは『奇跡のシンフォニー』と同じかな?

でも、素晴らしい作品に昇華できた。

それは以下の理由だ。

















今作が圧倒的に素晴らしいのは、

少年達の日々の過ごし方を丁寧に描いている点だ。





悪ガキのカーターは嘘や盗み、イタズラといろいろ悪さを働くのだが、
それがまた面白いこと。

そして、その嘘に普通に騙されるウィル。

よくある構図だが、作中ではあっけらかんとその構図が成り立っているために、
すんなり受け入れることが出来る。




さらにフランスからの交換留学生で、超オサレ(中2っぽい)やつが来るのだが、
こいつが中々の曲者。

いちいち動きが面白すぎて、こいつが出てくるシーンのたびにアクセントがつけられてしまう。

ただただウィルとカーターの友情物語を垂れ流しされても正直飽きてしまうところだろう。

アクセントがあることで更にテンポがよくなるのだ。






敬虔な教徒の家庭に悩まされるウィルと、
悪ガキゆえか色々と問題のあるカーターの心情描写がいい。

2人とも少年のキラキラしたものを持っていて、カーターはいわゆる憎めないタイプだ。

というか二人の演技が凄い。

自然体過ぎて舌を巻いた。


















さらにこの映画は自身の少年時代をも思い出させてくれる。




私事だが、私が3歳や5歳のときにはじめてスターウォーズバック・トゥ・ザ・フューチャー、エイリアン2を観た後の感じと、今作でウィルがはじめてランボーという映画に触れたときの感覚は非常に似ている。




アクション映画の真似をして、けっこうな無茶をしたり、
落書き帳(映画では聖書や教科書)に映画に関することを書き殴ってみたり。


ウィルが想像の世界の中に入り込む場面があるのだが、
(爆発や銃撃だったり、カカシが化け物のように動き出したり)
そういう頭の中での想像も子供ならではだろう。




(自分はバックトゥザフューチャー2のマネをして、プールでビート版を浮かべてその上に乗ってみて、思いっきり着水したり(笑)、落書き帳にひたすらにXーWINGやTIE−FIGHTERを書きまくってみたり、テーマ曲を口ずさみながらジャンプしたりとかヒドい子供でした笑)




男の子ならば、誰しもアクションもの(戦隊モノやウルトラマン、映画)に影響されて
こうした遊びをした事があるだろう。


この映画を観ていると、その時代の自分にも戻ることが出来る。
自分を見ているような気持ちになる。

だからこそ、よりこの映画の中の少年達が微笑ましく思えるのだろう。












今作は、誰にもオススメできる心温まるストーリーだと断言できる。

どうしても皮肉めいた見方しか出来ない方や、悲劇を求める方には退屈かもしれないが…


予告編はコチラから;
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