かつて凄腕のCIAエージェントだったフランク・モーゼズ(ブルース・ウィルス)、しかし今は引退し、田舎クリーブランドで暮らしていた。用事を装いカンザスシティの年金課の女性サラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)に電話をかける事に唯一の楽しみを感じていた。
だがある夜、フランクは正体不明の部隊に襲われる。持ち前の腕で撃退した彼は、サラの身を案じてカンザスシティへ向かう。そして彼はかつての仲間達(ジョー(モーガン・フリーマン)、マーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)、ヴィクトリア(ヘレン・ミレン)を集め、この危機に立ち向かうことを決意する。
観賞日
2011年2月1日
【70点】
R=Retired (引退した)
E=Extermely (超)
D=Dangerous (危険人物)
で『RED』という題名になった今作だが、
とんでもない娯楽作品だ。
ぶっ飛んでる!
まさに自分の中で燻っているモヤモヤを晴らしてくれるような、アクション=ポップコーンムービーだ。
何にも考えずに観れるのが本作最大のお得感。
数多くのパロディや少々すべるジョークも満載。
やはり、それは役者陣によるところが大きい。
ご存知ブルース・ウィルスは勿論のこと、
やはり大きいのはモーガン・フリーマンやジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンの三人の存在だ。
モーガン・フリーマンは老人介護施設に入っているような人物だが、やはり『インビクタス』など、数多くの作品でみせてきたような落ち着きがあり、観ているこっちも彼がいることで何だか画面が落ち着く。
とりあえずオーラが尋常ではない。
マルコヴィッチはマルコヴィッチで怪演をみせる。
彼が演じるマーヴィンは、猜疑心の塊で常に言動や動きがアブない。
だが、そのアブなさが観ていて非常に面白い。
ロケットランチャー相手にマグナム一発で挑むという恐ろしさもそうだし、
いつのまにかよく分からない格好になっていたりと話題に事欠かないのが彼だ。
『クイーン』で女王を演じオスカーを勝ち取ったヘレン・ミレンがまさかの元スパイ役。
役名がヴィクトリアというのも『クイーン』からのパロディなのか…
彼女も他の元工作員同様、アブない。平穏な暮らしをしていながらもやっぱりやめられないとか言ってるあたりがなんとも…
そして彼女は冷静な真顔のままマシンガンをぶっ放す。ここも本作のみどころのひとつだ。あくまでも自然体で人殺しをしているのが恐ろしい。というか、カッコいい。
「ミレンさんかっけぇぇー!!」みたいなノリ(笑)
しかし、最近はおっさん達が活躍している映画が増えてますねぇ…
『特攻野郎Aチーム』やら『エクスペンダブルズ』(スタローンによる昔ながらのアクション映画)とか。
高齢者社会というのもありますが、「年を取ってもまだまだ元気だぞ!」みたいな風潮はやはり全世界共通なわけで。
それは裏返せば、若者達が元気なかったりだとかすることなわけで。
今作でも、若手CIAが出てきますがやはりなんだか感情的に冷めていて、”弱い”印象。(勿論、彼は暗殺のエキスパートで、本来は強いわけですが)
今作で嬉しかったのは『ジョーズ』や『スタンド・バイ・ミー』などのリチャード・ドレイファスや『ポセイドン・アドベンチャー』や『マーティ』などのアーネスト・ボーグナインが出てきたこと。
両者とも超ベテランですが、やはり安定感が抜群です。
大スターが続々生まれていた70〜90年代のスター達による夢の競演。
まあそれも彼らが若干年を食ったから実現しているんでしょうけれども(笑)
その時代を知っている観客はやはり観にいきたくなるわけで。
それをわかっているハリウッドもその心理を利用しない手は無いわけで。
てなわけでこの風潮は、今後も続くんじゃないでしょうかね。
こちらから予告編をどうぞ!