1878年、アーカンソー州フォートスミス。ここは文明社会の最西端にあり、以西には脱走者や逃亡者が身を隠すインディアン領が広がっている。
そんな町に、父親を殺された少女マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェイルド)が復讐の為にやってきた。
父親の敵を討つために単身やってきた彼女は、トゥルー・グリット”真の勇気”のあると噂される連邦保安官ルースター(ジェフ・ブリッジズ)を雇うことにする。
さらに、父を殺したチェイニーを追ってきたテキサスレンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わり、犯人追跡の旅が始まるのだった…
観賞日
2011年3月30日
【75点】
『ノーカントリー』でアカデミー賞を受賞したコーエン兄弟による最新作。
今作は、
かつて30年ぐらい前にアカデミーをとった映画のリメイクであり、
いまや小説がアメリカの古典として教科書にも載っている伝説的作品。
なので、超・西部劇です。
「西部劇ってこういうもんだよね〜」をかき集めたような作品。
(名作古典だから当然だけど)
つまり、展開がなんとなーくわかってしまうわけですよ。
実際、ここはこうなるだろうなとかと思うと、予想通りの展開でした。
そのシンプルさが逆にこれから西部劇を観る若者には、観やすいかもしれない。
雰囲気を楽しむだけでも、十分なくらい小道具の一つ一つから背景までがしっかりしてるし。
すごく丁寧な映画という印象です。
そこに、癖のあるキャラクターの絡みが加わり、若干乾いたジョークのトッピングがあることでさらに整った映画になった印象。
今作の見所はなんといっても役者陣。
昨年『クレイジー・ハート』でアカデミー主演男優賞を得て、今作でもアカデミー主演にノミネートされたジェフ・ブリッジズ。(『トロン:レガシー』『キングコング』『アイアンマン』のなど)
さらにボーン・〜シリーズで大ヒットを飛ばしたマット・デイモン。(『ヒアアフター』、『インビクタス』)
他にもジョシュ・ブローリンやバリー・ペッパーなど玄人好みの面子が揃う。
勿論彼らの演技は素晴らしく、どのキャラもオーラがあって良かった。
マット・デイモンなんて全く違う人に見えたし、正直事前に知らなかったらわからなかったかもレベル。
しかし、今作は復讐に燃える少女マティ役のヘイリー・スタイフェルドが秀逸。
彼女は今作がデビュー作だというが、スゴイ。
アカデミー助演女優賞にノミネートされただけのことはある。
全く前述のスター達とも引けをとらない凄みがあった。
マティというキャラは、とにかく強気・そして自分の意志を曲げないキャラで大人相手との喋りでも全く引けをとらない。むしろ自分の意志を相手に突き通してしまうチカラを持っている。
その凄みはヘイリーの眼力やオーラによって私達にも見える形となる。
すごすぎてこちらはしばしば苦笑いしてしまうが…
だが、そこがこの映画の面白さの一つだ。
最近の「強い女性」像の表れの様にも見える。まあツンデレ要素も若干ながら備えている。でもこれはあくまで古典のストーリー。
やはり流行などではなく、昔からこういった「芯の強い」女性像もあったことがわかったこともある意味収穫だった。
ヘイリーの次回作に期待。マジ期待。
予告編はコチラ↓
http://www.youtube.com/watch?v=y3zQ5X-a6aw
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