医師のニック(アネット・ベニング)とその患者だったジュールス(ジュリアン・ムーア)は結婚し、2人の”ママ”となった。そして、2人は精子バンクからの提供によって2人の子供をもうけた。
娘ジョニ(ミア・ワシコウスカ)が18歳になり、大学へ行くことになる。4人で過ごす最後の夏になると思った弟のレイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)は、ジョニに父親を知りたくないかと話を持ちかける。
かくして子供達は遺伝子上の父親のポール(マーク・ラファロ)に会うことになるのだが…
観賞日
2011年5月2日
【80点】
アカデミー作品賞にノミネートされた本作は、
「”普通”でない家族による、”普通”の物語」。
そうキャッチフレーズをつけるのが正しい映画だと思う。
まず、レズビアンの夫婦という題材がスゴイ。
さすが自由の国アメリカ。でも個人的にはこういう映画を待っていた。
”こういう事実があるのは知っているけれども実際どんなんだろう?”という世界。
それを表現してくれるのも映画の魅力であったりする。
「オカマは、人間的にどこか欠けている」とか仰られるどっかの都知事さんは嫌悪感を示して絶対観ないんだろうなーともおもったり。
だからといって内容が重々し過ぎたり、ぶっとび過ぎたりしないのがこの映画のミソ。締めるところは締める。
あくまで、「家族」を描いた物語だ。
だからこそ心を動かされた。
数多くの食卓のシーンに代表されるように、
(しかも毎回食事のシーンが観ていて飽きない!)
世間的に見てどんなに変であろうとコレは”家族”なのだ、と。
鑑賞後の暖かい気持ちは、爽快だ。
さらにこの映画が面白いのは”ポップさ”にある。
R-15指定であることからも分かるように、シモネタ満載である。
あんまりこういうネタを扱う映画を見たことが無かったので、吹くシーンも中々多かった。
(ガチムチなアニキやら、露骨でないシモネタから露骨なシモネタまで多彩に取り揃えてあるw)
とにかく細かく細かく笑えるシーンがあり、退屈することはない。
(もちろん家族愛のシーンもあるけど)
音楽が、Vampire WeekendではじまりMGMTで終わるのもポップさの象徴かもしれない。今の音楽シーンで絶大な人気を誇るこの2組が起用されているのもなんだか面白い。
レズビアン夫婦という背景から音楽文化まで、極めて現代的な映画なんだなあ。っと思わせられる。
この映画にリアリティをもたらしたのは言うまでも無くリサ・チョロデンコ監督だろう。
映画以外にもドラマ「Lの世界」の脚本も手がけたことがある彼女は、自信も精子を提供を受けて出産を経験しているレズビアンだ。
そりゃあリアルになるわ。映画にありがちな良いところばかりをフューチャーするのではなく、悪いところもきっちりフューチャーできているのがさすがだんぁといった様相です。
さらに出演陣もまあ豪華。
『アメリカン・ビューティー』や『愛する人』などで知られるアネット・ベニングは、医師のニックを好演。
ニックは家族を支えている、ある意味バリバリの仕事マン。名前も確信犯的なのか、男性的。彼女は、なんだか全体的に男性的な要素が非常に強い。
近年の、描かれる”カッコいい”女性だ。
さらに
その相手ジュールスを演じたジュリアン・ムーア(『ブギーナイツ』、『ロストワールド』、『ブラインドネス』など多数)も、ニックとは違った母親的な役を演じた。
レズビアンのカップルといってもやはり、ある意味そこでは家庭のバランスが取れるような性格の二人が結びついているのか…
さらに娘は『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスで、精子提供者が名優マーク・ラファロなど見所は非常に多い。
「愛するひと」やら「毎日かあさん」を今年は観てきましたが、
最近の家族モノの映画では男性がダメなのがもはや標準になりつつある気もします。
男が弱くなったのか、女が強くなったのか…
いずれにせよ「かあちゃん強し!」ですね。
予告編はこちら↓
http://www.youtube.com/watch?v=HQHpxXuCVLw
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