X-MEN :ファースト・ジェネレーション



国際情勢が緊迫する1960年代。

名門大学に通うチャールズ・エグゼビア(ジェームズ・マカヴォイ)と、母親と引き裂かれた悲しい過去を持つエリック・レーンシャー(マイケル・ファスベンダー)。
チャールズは強力なテレパシーを使うことのできるミュータント(新人類)で、自分と同じような能力を持つ者の存在に気付きはじめていた。そんな中、強力な磁力を発生させ、あらゆる金属を操れるエリックと出会う。

ミュータントとして人類と闘うべきか共存すべきか、異なる信念を抱きながらも友情を深めた2人は、世界各地のミュータントを仲間に迎え入れていく。
しかし、元ナチスの科学者セバスチャン・ショウ(ケヴィン・ベーコン)が悪魔のごとき計画を実行に移そうとしたとき運命は動き出す…

これは、X−MENの起源の物語。




観賞日

2011年6月23日










【80点】











シリーズ5作目にして、
ついに明かされることになったXーMENシリーズの最大の謎。

X−MENを結成し、人類との平和共存を願うチャールズ・エグゼビアと人類を駆逐しようとするマグニートー =エリック・レーンシャーの対立のはじまりだ。

今までの映画では、彼らが元々は協力関係にあり、ある時にすれ違いが起きた。としか説明されてこなかった。しかし、今回はそれがはっきりと明らかになる。




















今作がアメコミ映画として秀逸なのは、
アメコミ映画でありながらも人物が重視された映画であるということだ。
さらに複雑な時代背景も相まってより物語を魅力的に見せていいる。




アメコミ映画は、ともすれば大味な展開であっさりとしたヒーロー映画になってしまうことも多い。ストーリーラインが明快で、どかーーん ばこーーんとやってればそれなりに面白いし、主人公が魅力的であればそれだけである程度楽しめてしまうからだ。
『アイアンマン』や前作の『ウルヴァリン』などがそれにあたる。

















しかし、今作は正直地味だ。

華やかさは他のアメコミ映画と比べても少し劣る。

特にメインのX−MENメンバーが地味。
ウルヴァリンもいなければ、ストームもいない。


ビーストがいるくらいなもんだろう。



それでもエリック(マグニートー)が派手な能力なので、
映画が完全に地味になっているわけではない。

むしろ映画の中で重要な役目を果たし、さらには派手さが良いアクセントとなっている。「おいおいおい…」な感じも健在。




でもやっぱりメンバーが比較的マイナーな人選だけに面子は地味だ。













だが、
だからこそエグゼビアやエリックの関係性・人間模様が光ってくる。
(他のキャラクターの苦悩も面白い)


しかも今まであったモヤモヤがすっきりするに違いない位具体的に描かれている。


聖人でないエグゼビアはなんだか自信家で、熱血漢だ。暑苦しい。
完全に人間を悪としては「まだ」見なしていないマグニートーも憎めない存在。




これを見たあとに旧シリーズ作品を観ると、また違って見えること間違いなしのクオリティだ。


















実はこの2人の関係、
原作とはだいぶ違う部分もあるのだが、映画は映画で面白い。

それは今作をアツくさせた要素、時代とのリンクが関係している。





保有で、米ソが対立していた時代、その緊張感。
さらには人類が新人類を認識するという点で生まれる、差別であったり、受け入れられるかの問題。



今後のX−MENシリーズを占う上でも非常に意義のある作品になっただろう。社会的・政治的な内容がすんなり溶け込めることを今作で証明できたのだから。
















監督は、『キック・アス』でぶっとんだ作品で新鮮さを提供してくれたマシュー・ヴォーン。さらに『X−MEN』、『X−MEN2』で監督をつとめたブライアン・シンガーも関わっている。


キック・アス』での驚きとは別の驚きを提供してくれた点で、ヴォーン監督は素晴らしいといわざるを得ない。
だが、『キック・アス』のノリが炸裂しているというわけではないので悪しからず。





















そうそう、ファンには嬉しい「あの人」も一瞬出ます。
このときはマジでテンションが上がりすぎて久しぶりに「おおおおう」って感じになりました。(笑)

そのほかにも、今までのシリーズを注意深く観ていた人や、原作ファンには嬉しい小ネタも盛りだくさん!

だからアメコミ映画はやめられない。


















↓予告編はコチラから↓

http://www.youtube.com/watch?v=RtN-_mHntrQ