イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

LAに住み、洋服屋を営むティエリーは片時もカメラを手放さない撮影マニアだった。
フランスに渡ったある日、いとこのストリート・アーティストに出会い、ストリートアーティストの活動を撮影することに目覚める。
数多くのアーティストと出会ったティエリーだが、まだ会えていないアーティストがいた。それは正体不明の超有名アーティスト、バンクシー
しかし奇跡的偶然により、2人は出会うことになる。




観賞日

2011年8月1日









【75点】














美術館に勝手に作品を展示したり、悪名高きガザの壁に皮肉交じりの画を描き世界中の話題をさらった正体不明のアーティスト、バンクシー

今作は彼によるドキュメンタリー映画だ。アカデミー賞にもノミネートされている。


私自身、ストリートアートには何の造詣もなかったわけだが、単純にこの映画の予告編で何だか面白そうだという直感に従い(笑)この映画を観ました。


そんな直感は正解でした。



























ストリートアートに知識が無くても、観れる。
そのへんの説明はしっかりとあり、天才と呼ばれるバンクシーだけあって、単なるドキュメンタリーにとどまらないところが秀逸。



というかドキュメンタリーが何だか笑えてしまう作品に仕上がるなんて…
前半は壮大な前フリとして、存在し、後半は私達が思いもしない展開へと移行する。
















「ドキュメンタリー」の「ドキュメンタリー」。とにかくいろいろなものが逆転し、逆様になっている映画。これは是非観て確かめてほしいところですが、全てがフェイクにも思えてしまうようなびっくりの展開。



自分自身の「価値観」という不確定なものへ追求。バンクシーは私達に「事実とはこんなものさ」と突きつけてくる。かなり鋭利でストレートなメッセージ。

そのうえで、「芸術」とは?と問いかける。
表層しか見ないメディアへの皮肉もあり、識者が良いというのだから評価される芸術への皮肉もあり、とにかく逆転的に見る。










DQNにみせてやりたい映像。
ま、ある意味自分も今後このティエリーさんと同じような状況というか、心理状態に陥ることがあるかも!?とハッと思ったので、「他人のフリみて我がフリ直せ」を実行せざるを得ない。






















そもそもこの映像を撮ることが趣味のおっさん(ティエリー)とバンクシーが出会ったことが、奇跡的過ぎて面白い。しかもそのおっさんが撮影を始めたきっかけから全て画映像で残ってしまっていることがホントに何かの現象のようで…

ある意味、社会学とかの役に立ちそうなケース。








恐らくバンクシーサブカルや映画好きにも観れるようなディレクションでこの映画を作ったはず。この事実がアーティスト仲間うちだけでなく皆に共有されて、どう考えるか一石投じたかったのかと。

自分自身が被写体とされながらも、その考えに思い至ったこと自体がもう映画の一部。







ここまで観るとよくわかんない感じのレビューになっていますが(笑)こうなるんです。観ていると全部”転倒”するので。





こうなるとホントにこの事例があったのかすらも怪しくなってしまうよ…















前例の無い映画にちょっとでも興味ある人は是非観るべき!このへん(首都圏)では渋谷ぐらいしかやってないかもですが…





↓予告編はコチラ↓
http://www.youtube.com/watch?v=-6LbYJe4VYk