窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

これまた傑作!「トリック 新作スペシャル3」

映画公開に合わせてセットでの制作。映画公開の方が(わずかに)早いが、内容は劇場版より少し前のエピソードという位置づけだろう。

出演(レギュラー)

出演(ゲスト)

雑感

映画を観る前だったら面白かっただろうが、映画を観てしまったからな……。でもせっかくだからリアルタイムで見ておきたいし……ぐらいの気持ちで見たのだが、なんのなんの、これまた非常に面白かった。劇場版の方が、いかにもラストという作りになっていて、その分、感動も上乗せされた感があるが、これはいつものTRICKでありながら、少なくともテレビ編(スペシャル版を含む)の中では最高の出来なのではないか。本当に、二日続けて堪能させてもらった。

どこがよかったのかというと、まず、ミステリーとしてよくできていた点があげられる。これは映画も含めて、シリーズ最高、それもずば抜けて上質ではないかと思う。TRICKはいわゆるミステリードラマではないので、これまで謎解きの部分にはあまり力を入れてこなかった。しかし、霊能力がどうとかいう部分にばかり焦点を当てるより、まずちゃんとしたミステリードラマを作り、その上で霊能力云々のトッピングを振りかけた方がうまくいく、ということがこれでわかった。

つまりこれからTRICKはこの路線で進めばもっと面白くなる。だから、今回で終わりにしなくてもいいんじゃないかな……

さて、次に良かったのは、国生さゆり藤田朋子飯島直子の悪女三人の競演である。役者が悪女なのではなくて、悪女を演じていたわけだが、自分勝手で、強欲で、猜疑心が強い、こういう女を三者三様に演じてくれた。藤田朋子はまあわかるけど、驚いたのは飯島直子だ。「いい女」「カッコいい女」役はこれまで見たことがあるが、こんな役が、ここまで徹底的にできるとは。声も太くて迫力があったし、クレジットを見るまで飯島直子だとはわからなかったよ……

さらによかったのは朝倉あきですね。朝倉あきといえば「神様のカルテ」の看護婦だけど、いい役者になったもんだ。前からかな(かぐや姫の声もやっているしな)。要するに、力のある役者が力を発揮してくれればドラマは面白くなるということだ。

トランプなどを使ったチャチな奇術が登場しなかったのもよかった。

山田里見の書道教室がクローズアップされ、彼女が強欲さを遺憾なく発揮する。映画では、それがなくてよかったと思ったが、まあテレビ編だからそれもありだろう。

映画では観られなかった「エヘヘヘヘ!」が登場。この笑い声は好きだったから、本当はもっともっとやってほしかった。これも見納めなのだろうか。

ラストシーンでは映画を予見させるやりとりがある。だからもう一回劇場版を観に行こう。

おたつが可愛いぞ/「軍師官兵衛」第二話「忘れえぬ初恋」

出演

粗筋

官兵衛は小寺政職の近習に取り立てられる。姫路を離れて御着に住むということであり、要は人質ということだ。「殿のおそばで働けることはやりがいのあること」と前向きに捉えるが、決断力のなさを目の当たりにすることになる。また、同じ近習の櫛橋左京進が絡んでくる。

赤松政秀と一戦交えることになる。官兵衛・母里武兵衛にとってはこれが初陣。赤松軍は石川源吾が指揮を執っている。なるほど、敵側に寝返っていたのね。官兵衛は敵の罠にかかったことを見破り、抜け道に案内して貢献する。が、実際の戦闘の場面では足がすくんで何もできず。

おたつが官兵衛を心から慕っているところ、官兵衛もおたつを憎からず思っているシーンがたびたび映る。子供ゆえ話はそれ以上進まないが、微笑ましいシーンである。しかし、いろいろ政治的事情から、他国へ嫁に行くことになってしまった……

雑感

おたつ、武兵衛ともに本役。子役のおたつも印象的だったが、本役の人はもっとかわいい。

合戦の前に震えたり、緊張したりする様子を克明に描いていた。こんなことまで描く大河は初めてではないか。

前回もそうだったが、戦の場面をちゃんと描き、死んだ人も映している点は高く評価したい。戦国時代なんだから戦争を描かなければダメである。なぜか前回の戦国時代の時は戦の場面がほとんど全く描かれなかったので。

善助と称する百姓が、部下にしてくれーと言ってきたのはいいけれども、濱田岳は「永遠の0」で宮部の部下だった井崎である。先祖かよ。

【追記】

信長が美濃を攻略しようとして返り討ちに遭い、さんざんな思いをして引き返すシーンがある。信長というより秀吉を描いているのだろうが。秀吉が「向こうには優秀な軍師がついているに違いない」とつぶやく。その軍師は竹中半兵衛。のちにつながるエピソードと思うので、追記しておく。(2014/1/17)

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