NEWS LETTER 2016年冬休み保養プロジェクト報告 /避難プロジェクト@ちば

2016年1月3〜6日、福島より6家族21名をむかえ、千葉県南房総市にて9回目となる保養を行いました。今回は、資金不足のなかではありましたが、たくさんの方から物心両面のご支援をいただきました。
事故から5年目をむかえる福島。保養が切に求められていると感じます。感謝を込めて報告にかえます。

●あらためて感じる保養の大切さ
 「体育館があり、安心して子ども達が遊べる」「海が近くて夕陽が美しい」「朝から、思いっきり遊ぶことができ、楽しかった」「子どもたちものびのび自由にできたし、大人もまったりできました」「放射線を気にせずにのびのびと遊べるということで、精神的にストレスがなく、リラックスして過ごすことができました」「ゆっくりした時間がすごせました。ありがとうございました」 これは家族の方から寄せられたアンケートの一部です。「普通」のことができない。あたり前のことができない。反省会の中で、スタッフ一同、福島の人たちは、こんなストレスフルな環境の中で過
ごしていることを感じました。だからこそ、保養の場を求めるのだとあらためて実感しました。
●「地方紙を見た」という方から、あたたかい支援 今回の保養では、資金難のなか、様々な方々から支えられました。
とりわけ、昨年3回にわたり『朝日新聞』や『房日新聞』などの地方紙に私たちの保養の記事が掲載され、この記事を見たという方々からのカンパで保養が支えられました。大変ありがたいことです。
物資をくださった皆さま。民宿のスタッフの方々。私たちが顔も見たことがない、名前も知らない匿名の方…。多くの方々へ、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
 もうすぐ福島原発事故から5年が経過します。みずから保養をはじめた家族の方。ボランティアとして保養に加わってくれた高校生。
保養をとおしてあきらめずに前を向きだしています。事故直後はまだ小さかった子どもたちも、大きくたくましく成長しています。
 私たち自身も福島の子どもたちから“ 未来を創る” というエネルギーをもらい、「次へ」向かう力となっています。これからもぜひご支援をお願いいたします。(スタッフK)


福島 参加者からの声

福島の常識と世界の常識のずれが大きくなってきている今、安心して話ができる仲間ができてとてもうれしいです。
 今後どうなっていくのか、娘が無事母になることができるのかとも不安です。親としてできるかぎりのことをしていきたいと思います。
 ご支援して下さったたくさんの皆様に本当に感謝しています。(Dさん)

 東日本大震災からまもなく5年が経過しようとしており、記憶が風化し、保養が激減する中、まずはじめにこのように保養を継続していただいていることと、福島の子ども達のために心を寄せていただいている多くの方々に心より感謝したいと思います。
 ニュースを見ると事故は収束したかのように見えますが、子ども達は今だに除染のされていない通学路を通り、学校に行っています。甲状腺がんと診断される子どもの数も年々増えてきており、見えない不安と戦う日々です。
 国は今後も原発事故と健康被害の関係性については認めないでょう。
 そんな中、子ども達を安心してのびのびと遊ばせることができる機会をいただき、本当にありがとうございました。福島の子ども達にとって保養は必要不可欠なのです。是非今後とも、ご継続をいただけることを願っております。
(Sさん)