雨の中、オニゲシ咲く

さっちゃんの昨夏の旅は、北海道。テーマは花のガーデン。その土産で頂いた、数種類の混合草花の種を撒いたら、この冬の寒さに耐えて、まず紅花亜麻が咲き、今日雨が降っているのに、鬼芥子の大きな花が咲いた。
 どちらも、鮮やかな真紅。
 彼女は、地味な色を好む。野暮ったいファッションしかしない。
 だから、こんな派手な花が咲く種をくれるとは、思わなかった。彼女も、この強烈な色にきっと驚くだろう。
 北の大地には、こんな花も咲くのだ。

 さっちゃんには、18才になる息子がいた。生後7ヶ月で、突然彼は死んだ。だが、彼女の胸の中に、今も彼は生きていてよくふたりで話しているそうだ。彼女は、一人旅によく行く。もちろん、18才になった息子も連れて。

ちょス飯の読書日記

 『カラマーゾフの兄弟』第4巻
 

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

 本筋だけなら、もっとコンパクトになるのに。こまこまと、脇役のエピソードが散りばめられ、それがまた面白いときているから、なかなか読み進めなかった。分厚すぎる。
 とくに、父を馬鹿にされ、悔しがる病弱な息子。だが彼は、自分の一番の味方のリーダー格の少年をナイフで刺してしまう件。
 自分が犬をいたずらで殺してしまったと、嘆き苦しみ瀕死状態の彼に、犬を探しだして、芸までしこんでリーダー少年がその犬と一緒にやってくるところは、本当にあっと驚かされ、心があたたまった。
  父殺しの犯人として、長男ミーチャが、裁かれる。彼の二人の弟以外誰もが、彼が犯人だと確信している法廷で、敏腕弁護士は、彼の無罪を完璧に導く。ここは、現在でも通用する法廷ドラマ。陪審員までいることに驚いた。しかし、結果は・・・

 先が読めない。スリルとサスペンスと人間の様々な性質、思惑、純真さ、醜さ、神と悪魔まで入り乱れていて本当に面白い。