ヤマブドウのかご



コンフォートマートの隣に小さな雑貨屋「雑貨屋イリケ」が
この春オープンし、初めての展示会「ヤマブドウのかご」が
19日までやっています。


大きなかばんやポシェットみたいなのもあるし、

こんな乱編みのうつくしいカゴもあります。

ほかにはランチョンマットや、鍋敷き、小さなポーチなども
ありますよ。


ちょっと長くなりますが、ヤマブドウのことを書きます。
私も最近まで知らなかったのですが、このカゴの裏には
すばらしい自然の恵みと人間の高い技術の恩恵があることを知りました。


ヤマブドウという植物の皮をヒゴにして編んだカゴです。
原料はヤマブドウで、それも30年くらいかけて育った太くて幹のような、
そしてまっすぐに育ったものです。(まっすぐ生えず、他の植物にからみながら
ぐるぐる巻きに生えているのも多いそうです)


ヤマブドウがまっすぐ生えるのは沢沿いのブナの原生林で陽の当たらない場所。
そこに垂れ下がるツル取るには、ある程度の高さまで木に昇り、
なるべく上の方から切り取ります。皮はその場ですぐに剥ぎます。
剥ぐのに適した時期は6月半ばから7月半ばの一ヶ月。
それはツルの中に水分がよく入り皮が剥きやすくなるのだそう。
だから一年に一度、体力的にきつい時期ですが、梅雨時期に採取するのだそうです。


こうしてツルを採り、途中で切れないように丁寧に皮を剥ぎ、
それを束ねて背負い、また次のツルを探しにより山の奥へ入るという繰り返しです。
下山し自宅で乾燥させた皮は編む分だけを編む前日に一度水に戻して柔らかくしたら
一本一本をヒゴ状に整えます。編む時も編み目が緩まないようにペンチ等つかって、
丁寧にそして力をたくさん使って1つ1つ編んでいくんだそうです。


自然の恵みを原材料に丁寧に工程を踏んで作られただけあって
お値段もいいお値段です、が、非常に丈夫なのです。
何代にも渡って使える、、、そんな鞄です。


イリケではヤマブドウのツルやヒゴに整えられる前の皮たちも見れました。
そして皮は販売もしていますので、カゴ編みに挑戦もできます。
そしてなんと言っても使用後10年経ったかばんが見れます。
それがとても美しいので、多くの方に直接触れてみて欲しいです。