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8-23

忍者の武器「まきびし」の「ひし」の正体

| 13:25 |  忍者の武器「まきびし」の「ひし」の正体を含むブックマーク

 忍者の武器「まきびし」は語構成としては「撒き+ひし」で、「ひし」というのは似たような別の武器の隠語だろうくらいに漠然と考えていました(というか、正直にいえば、深く考えたことはなかった)。

 しかし、これは植物の「菱」なのだそうだ。

 このたび生まれて初めて菱の実を目にして納得しました。「菱形」というのは上から見た実の形だったのか(いまさら)。葉はそんな形ではないので不思議に思っていたのですが。

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 この棘はたしかに「おそろしげなるもの」(『枕草子』)だ。ようやく実感できた。みなさまも扱いには十分に気をつけてください。

 今回は自らの無知を晒して恥ずかしいのですが、それにしても、この実の形状からひらめいてあの鉄製のまきびしを発明した忍者(?)の創意工夫は大したものではないか。と思ったら、こんなことがwikipediaに書いてありました。

オニビシやヒメビシの実を乾燥させたものは撒菱として忍者が追手の足を止める小道具になる。竹筒に入れて携行し、逃走する際にばら撒くことで、実際に踏みつけなくても「この先にもあるかもしれない」ということで足を鈍らせる心理的効果がある。また、入れた竹筒を敵の顔面に振って打ち付けて直接武器として使うこともできる。さらには長時間潜伏する際の非常食ともなった。もっともこれらは万川集海などに記されたり、口伝で伝えられてきたもので、実際にそのように使用されたという記録はない。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B7#.E5.85.B5.E6.B3.95

 なんかちょっとおかしいな・・・w 今度『万川集海』を見てみよう。

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8-14

「或はそうかも知れない。まあそう云うことにしておこう」

| 13:22 |  「或はそうかも知れない。まあそう云うことにしておこう」を含むブックマーク

 目下、注釈のお手伝いをしています。これがなかなか大変です。従来の注釈がいい加減なことを言っているということがわかっても、いざそれを批判して新たな解釈を示そうとすると実際には難しいことが多い。

 未詳、未詳・・・というのは学問的態度として妥当だとしても、それで注釈の役目を果たしていることになるのかどうか。

 こういうときに心の支え(?)になっているというか、いつか使ってやろうとひそかに思っているのが、この記事の表題にもひいた青木正児『新訳 楚辞』(現代仮名遣いに改める等の修訂が加えられて『世界文学大系 中国古典詩集』に再録されました)の一節です。

 『楚辞』はどの篇も難解なのですが、「天問」の最後のほうは該当する故事が未詳であるために朱子も匙を投げた箇所です。

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・・・恐らくさうでなく、是もやはり一つの故事であらう。ただ其れは未だ詳らかでないので、此の章の意味はさつぱり解らない。

是も何の事か解らない。蒋驥は云ふ、是は楚の開国の賢君を歴叙したのであらうと。或はさうかも知れない。まあさう云ふことにしておかう。

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8-9

「以字」

| 00:12 |  「以字」を含むブックマーク

 ヤフーオークションに『法華経考異』という本が出ていたので何気なく見てみたらその第一丁に懐かしいものを見かけました。一部分だけでも書影を出してくれるというのはありがたいことですね。

 法華経考異 妙法蓮華経考異 上下 2冊 天保十一年 江戸時代 - ヤフオク!

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妙法蓮華経 明蔵本・建本 近来諸本並無■字。西来本作■。

 これは懐かしい。以下のまとめを参照してください。

以字点について - Togetterまとめ

 本当に不勉強なオレであった(汗

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(『例文仏教語大辞典』)

 なお、別に営業妨害するつもりはありませんが、本書は京大図書館にてデジタル公開されています。

[ 谷村 ] 妙法蓮華経考異

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8-8

こんなものは「定本」ではない

| 00:31 |  こんなものは「定本」ではないを含むブックマーク

 慶尚北道は、2015年から『三国遺事』の木版を作る事業を行っている。・・・第1段階は、朝鮮王朝時代の中宗7年(1512年)に刊行された朝鮮王朝中期本『三国遺事』の木版復刻作業。第2段階では、太祖3年(1394年)に刊行された版本などを基に、朝鮮王朝初期本『三国遺事』の木版を復刻する。第3段階は、朝鮮王朝初期本と朝鮮王朝中期本の誤字・脱字を正し、引用された諸資料の本来の内容を反映させ、本文と注釈があべこべになっていると考えられる部分を整理して慶尚北道本『三国遺事』の木版を作り、これを定本にしたいというものだ。・・・しかし、こうした計画に対して、多くの学者が疑問を投げ掛けている。・・・第3段階の慶尚北道本『三国遺事』では、引用された部分を原典と対照し、圧縮・省略・代替された部分については原典の内容を本文に反映させる方針だ。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/08/05/2016080501824.html

 「第1段階」と「第2段階」は、あえていえば、まだかろうじて有意義かもしれない。しかし、「引用された諸資料の本来の内容を反映させ」るという「第3段階」はまったく無意味であるどころか、百害あって一利なし。こんなものは断じて「定本」ではない。文献学を少しでも学んだことがある人であれば同意してくれることでしょう。

 現存『三国遺事』諸本が引用する典籍史料に「圧縮・省略・代替された部分」があるという。だとすれば、読者である私たちが考えなければならないのは、

  • その「圧縮・省略・代替」は意図的なものであって、それこそが『三国遺事』の世界観や思想的・政治的主張を反映しているものなのではないか。
  • その「圧縮・省略・代替」は『三国遺事』編者が「原典」を直接参照したのではなく、別の資料を孫引きした結果なのではないか。


ということである。

 「原典の内容を本文に反映」させたらこのことは見えなくなる。このプロジェクトは「定本」を作っているのではなく、『三国遺事』の新たな(しかも書誌学的には「改竄」といえる)「一本」を作り出しているということに過ぎないのである。

 そして、

8-6

「棊聖・寛蓮」

| 00:51 |  「棊聖・寛蓮」を含むブックマーク

 興味深い記事が。

 「囲碁殿堂表彰委員会」が日本棋院・東京本院で開かれ、寛蓮、井上幻庵因碩の2人が殿堂入りした。寛蓮は平安時代の名人として後に「碁聖」と称され(以下略)

http://mainichi.jp/articles/20160805/ddm/007/040/164000c

 記事にある通り、寛蓮は平安時代の名手。俗名は橘良利、備前掾だった人で、天皇囲碁の相手役となって、延喜13年(913年)には『碁式』(散佚)を撰進している。古典文学にもいろいろなところに名前が出てきます。『源氏物語』「手習」に出てくる「碁聖大徳」が寛蓮を指し(『花鳥余情』)、横川の僧都が自らを寛蓮になぞらえて勝負したのに少将の尼に対して「つひに僧都なん、二つ負けたまひし」というのが笑いどころ。

 『今昔物語集』巻24「碁擲寛蓮値碁擲女語第六」はちょっとおもしろい。冒頭の部分にこうあります。

今昔、六十代延喜ノ御時ニ、碁勢(ゴセイ)寛蓮(クワンレン)ト云フ二人ノ僧、碁ノ上手ニテ有ケリ。

 ところが、その後の話に出てくるのは「寛蓮」一人の話のみ。「碁勢」はどこに行ったのかというと、これは諸注が指摘する通り、どうやら「碁勢」というのは「碁聖」の訛で、その普通名詞(つまり「碁聖(である)寛蓮」)を別の人名と勘違いしたらしい。このミスは恥ずかしい・・・。典拠となった資料(不詳)からすでにそうなっていたのか、『今昔物語集』の編者によるさかしらかはわかりませんが。

 このことはすでに、享保年間に版行された井沢長秀の校訂本の凡例に『今昔物語集』の杜撰さについて触れる箇所があって、そこにこの「二人」のことが出てきます。

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早稲田大学図書館蔵。http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/i04/i04_00775/i04_00775_0202/i04_00775_0202_p0005.jpg

 あ、これも例の変体仮名アプリを使っての読解練習になりますね!(まただw 参照: 「風が吹けば桶屋が儲かる」のは何故? - Cask Strength

此書にのする所の人、出自をあやまるあり。伊勢御息所をもつて、藤原忠房の子とする類也。一人をもつて二人とするあり、棊聖・寛蓮がたく[ぐ]ひなり。二人をもつて一人とするあり、権中納言敦忠・土御門中納言のたぐひなり

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7-30

河内メシ・2016年7月

| 23:01 |  河内メシ・2016年7月を含むブックマーク

河内メシの記事も今回でひとまず最終回・・・のはず・・・わからんけど。

ともあれ、今回もおいしく頂きました!また、初日のディナーでは懐かしい人たちが大勢かけつけてくれて、忘れられない河内メシとなりました。

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葉物野菜の漬け物。日本にもよく似た味のものがあるけれども、名前が出てこない・・・。酸味がよく利いていて箸が進む。

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手前のソースのなかに入っている粒子状のものは川魚の卵。

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ムラサキイモ。これは予想の範囲内の味でしたw

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豚フルコース。肉、皮、耳、足、内蔵、腸詰め。ソースはなんとも説明しがたい、ハーブっぽいとても複雑な味わいで、美味しかった。魚卵のソースもそうですけれど、類似する味のものがないのでうまく伝えられない。

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川魚の素揚げ。もっと軽くサッと揚げたほうが美味しいのではないかと。(日本人の感覚)

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タケノコスープのビーフンで〆にしました。すでに満腹でしたが、三杯おかわりしちゃった・・・w

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隣国料理も。トムヤムクンヌードル。

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生ココナッツは最高。これを一度味わったらもう後戻りできない。

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こういうサラダに蓮の実は欠かせませんね。

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前も言ったかもしれませんが、河内では生春巻きよりも揚げ春巻きが主流です。

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鶏肉の唐辛子とレモングラスの炒め物。レモングラスの風味が強いのに一見レモングラスも唐辛子も見当たらなくて不思議(見た目的にはピーマンやタマネギばかりが目立つw)。

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最後に紹介するのに相応しいのは、当地で一番多く胃袋に納めたもの。フォーガー。通算で何回食べたかわからないけれども、いくら食べても飽きず、どこで食べても美味しい。

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 これも昨年食べた。蔓性植物だけれども誰も和名を知らない。ツルムラサキみたいで美味しい。

http://d.hatena.ne.jp/consigliere/20160501/1462031041

さて、クイズの答えです。正解は「ハヤトウリ」(現地語ではsu su。かわいい)でした。ハヤトウリの茎と巻きひげの部分。意外なことに河内ではまだ果実の方は食べていない。私は見たことないものだったのですが、クックパッドで検索すると、ハヤトウリのレシピ 335品 [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが245万品 334品。すごいな。

おまけその1。

 うなぎ。



 いつか「田うなぎ」(どじょうのようなものらしい)にも挑戦したい。

http://d.hatena.ne.jp/consigliere/20160702/1467468375

この「うなぎ」が実は「田うなぎ」とのことw

おまけその2。河内ポケモンもポケストップもない荒涼とした土地でした・・・w

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7-25

柿太郎の実・続々報

| 13:04 |  柿太郎の実・続々報を含むブックマーク

 「世の中に嵐の風は吹きながら実をば残せる柿のもみぢ葉」と毎日念じながら熟すのを待っていたのですが、最後まで残っていた柿殿( 柿太郎の実・続報 - Cask Strength)が今朝落ちてしまったらしい(昨日までは確かに枝にあったので)・・・

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 ショック。

 まあでも、今年は実が本当に成ったというだけで大喜びでした。また来年会おうね。

 あ、ちなみに冒頭の歌は『夫木和歌抄』(巻29)所収の源仲正の詠です。


追記

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