梟(梟山伏)

以下、『岩波講座 能・狂言 Ⅶ狂言鑑賞案内』(岩波書店 1990年)より。

梟に取り憑かれた弟を山伏が祈って治そうとするが、弟は奇声を発するばかりで、いっこうに効果があらわれない。祈るほどに梟はその兄にも憑き、果ては山伏自身にも取り憑いてしまう。(296頁)

演技・演出
呼びにきた兄が「私でござる」と突然立ち上がるので、山伏はびっくりして倒れるという演出は、能「葵上」のワキ横川の小聖が登場する時の謡を重々しく謡った直後なので、その落差が激しく、笑いを誘う。
頭脈は頭を押さえるようにして、ぐるぐる回す。
梟が憑いたときは、身をちぢめて両手で顔や胸のあたりを掻きまわし、両手を上にあげて「ホホン」と鳴く。(296〜297頁)

ホホン。