お客さま

少なくとも、タイトルに「最前線」てついてる仕事は「最前線」とは無関係だよね。
実際に最前線で行われている仕事は、「こんなことやってほんとに意味あるんだろうか」「自分は道を踏み外しているんじゃないだろうか」という躊躇とともに進められているものでありましょう。



この──ルーマン 社会システム理論 [「知」の扉をひらく]──(シリーズ)タイトルを考案した者に災いがありますように。

検索してみると、google:知の扉を開く][google:知の扉をひらく というフレーズの利用者はけっこういるようです。
皆に災いがありますように。


※ご参考:http://d.hatena.ne.jp/contractio/20041122#1101099991

毛利(2007)「ざわめきとしての法」

こっちは短かった。

  • I はじめに
  • II システム論的観察
    • 1 社会システムの基本イメージ一一社会の音響学
    • 2 準拠問題の移動
  • III 紛争解決
    • 1 紛争・法・法システム
    • 2 裁判とADR
  • IV 行政国家化
    • 1 脱行政国家化の法的構成
    • 2 政治システムへの包摂/排除をめぐって
  • V おわりに



事後的再帰的観察を重視することはルーマン派本来の志向でもある(Japp 2000*: S. 87ff)。[p.120]

ぜんぜん賛成できませーん。

* Japp, K. P. (2000), Risiko, Transcript Verlag

毛利(2004)「生命倫理の法政策論」

55ページあるよ〜(わーい

ちなみに、こっち→は100頁超だよ(わーい) http://ci.nii.ac.jp/naid/110004391639/
  • はじめに――生命倫理と法政策研究
  • 一 システム論のアプローチ
    • (一)社会的事象の見方
    • (二)分析手順
  • 二 生命倫理的問題事象を構成する社会システム
    • (一)医療と親密圏――政策対象領域から
    • (二)政治と法――政策主体側から
  • 三 意識システムと社会システム
    • (一)意識システム
    • (二)社会システム――リズムとリアリティー構成
    • (三)意識システムと社会システムの時間性関連
    • (四)社会システムの多層性と多層的な時間性
  • 四 医療
    • (一)機能システムとしての医療
    • (二)医学の進歩と医療システムの時間性変容
  • 五 親密圏
    • (一)親密圏におけるコミュニケーション
    • (二)身体性の介在と特殊な時間性
  • 六 政治と法
    • (一)生命倫理的問題事象と法―政治
    • (二)中心と周縁
    • (三)実体面と手続き面における含意
  • おわりに――身体性と時間性の法政策学に向けて
  • はじめに → 一 → 二・三(四、五) → 六 → おわりに

です。


著者が、「リファレンス・システムの特定」を重大な・必須の課題として研究を進めていることの意義は、いくら強調してもしすぎることはない。それくらいに重要なことだと思う。
他方、「システム研究には(良くも悪くも)際限がない」(大意:p.7-)という著者の見立ては、論文の基本的構成(〜著者の研究プログラム・研究計画)に影を落としている。そして、このビジョンは、著者の主張する

  • システムの観察の出発点は、再帰的*作動を見出すことである。
    そうすることで、理論の側が対象にあらかじめ特定の内容を読み込んでしまうのを極力避けうる。
    [p.6]

なるポリシーを裏切っているように思われる。

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お買いもの:エリオット・ソーバー『進化論の射程──生物学の哲学入門』

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進化論の射程―生物学の哲学入門 (現代哲学への招待Great Works)

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進化論が誕生して150年。しかし進化論とは一体何か? 神が世界や生物を創造したという「創造論」との対決(第2章)から、進化論や生物学的要因で人間の社会行動までも説明しようとする「社会生物学」の試み(第7章)まで、刺激的な話題を満載。さらに「進化」「自然選択」「適応」といった概念を丁寧に解説して、進化論にまつわる数々の誤解を解き、進化論が投げかける哲学的問いと、今後も人類に与えつづけるであろう衝撃を明らかにする、現在欧米で最もホットな哲学分野のひとつ「生物学の哲学」の成果。

★2009年という、ダーウィン生誕200年、『種の起源』刊行から150年の記念すべき年に、進化論がもつ哲学的衝撃を考察する傑作。

http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-32318-2/

訳者さんが はてなーであったことを知る。