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著作権保護期間の70年延長に反対
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2008-09-11

津田さんが絶望した文化審議会での里中委員・三田委員らの発言

文化審議会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第4回)の議事録が公開されていた。*1

文化庁 | 著作権 | 著作権制度に関する情報 | 文化審議会著作権分科会 | 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会 | 第4回 | 議事録

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/04/gijiroku.html

この今年度第4回めの過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会では、前に少しだけ取り上げましたが、経済学者の立場から著作権保護期間の延長が社会全体にとってプラスかマイナスかについての発表が3件あり、それについての質疑が行われた。*2

しかし、権利者側の委員からなされた質疑は、その発表の内容踏まえた上での建設的なものはほとんどなく、これまでの自身の主張を繰り返すだけであった。

たとえば瀬尾委員は、

こんなに世界中70年にしているのに,我々が50年しか保護されていないというのは,少し納得がいかないなとい

と、ただ単に隣の芝生が青く見えているだけに過ぎないこと、よく子供が「みんな持っているのに、どうして買ってくれないの」とだだをこねているのと同じレベルのことを述べ、里中委員は

著作権は権利期間を延長しないほうが経済効果があるのだという経済的な理論的に確固たるものがこれだけあるにもかかわらず,なぜアメリカは延長させたのか,どうしてヨーロッパの各国が延長に踏み切ったのかというところが私にはよく分からないのです。

(中略)

どうして欧米は延長して日本は延長しないのだろうというと,それ以外の要因で日本は延長しないのじゃないかということが先ほど瀬尾委員のおっしゃった著作権者が大事にされていないのではないかという,そっち側の感想に行ってしまいがちになるので,どなたか説得力をもってそれを教えていただきたいし,すべての著作権者と相続者にそれを伝えてほしい。

(中略)

こちら側は経済効果を考えると,短ければ短いほどいいだろうということは分かっております。分かっておりますが,どうか経済を考える方たちもそういう著作権者とか遺族とかのささやかな気持ちも分かった上で説得していただきたいなと思います。

(強調:引用者)

と、あくまでも感情の問題であることを述べ、三田委員は

今後,10年以内に著作権の切れるというか,死後50年たつ作家として,例えばアルベール・カミュとかヘミングウェイとか,谷崎潤一郎というビッグネームがあります。このうち,アルベール・カミュヘミングウェイは,もう死後70年ということになっておりますから,まだまだ権利は保護されているわけですけれども,谷崎潤一郎だけがあと数年で切れてしまうと。このことをどういうふうに捉えるのか,谷崎潤一郎の作品は50年分の価値しかないのか,これは日本人が文化というものをどういうふうに捉えているかということにかかわってくるだろうと思います。

 それから,アメリカの学者はこういったという話が多かったのですけれども,アメリカは既に70年になっているわけです。これは,経済学の観点よりも作品と作家を大切にしようという,そういう文化そのものがアメリカにあるからだろうと思います。

 ですから,そういうものを無視して経済学の観点だけで議論をするというのは限界があるだろうというふうに思われます。

(強調:引用者)

と、個別事例を強調するだけにとどまらず、この委員会で行われた経済学者の発表の意義自体を否定するような発言をしている。


これらの権利者側の委員の発言に対して、津田委員が

きょうの議論を聞いていて,僕は絶望的な気持ちになった部分がありまして,里中委員と三田委員のほうから何で欧米のほうで延長されたのかというのは,この 1年以上これに議論を費やしてきて十分に事務局のほうから説明もあったと思うのです。これだけ回も費やして,EUが何で最初延びたのかというのはEU統合のためというのが一番大きな理由であるということが説明されたし,その後米国というのは欧州に合わせるためということと,ディズニーなどのメディア企業というのが活動によって延びたわけで,どちらかというと割と権利者の方々,創作者の方々がある種忌み嫌う経済的な理屈でヨーロッパアメリカも延びているわけです。それは,まず前提として事実として共有されて議論すべきであって,アメリカとかヨーロッパのほうが権利者とか著作者の気持ちを慮っているから延びているのではないということは,何度も話されている話なので,それを意図的に無視されて同じような話を続けるのはどうかと少し思いました。

(強調:引用者)

と発言している。

瀬尾委員も里中委員も三田委員も、1年以上小委員会で行われた議論を全く無視して、感情的な主張を繰り返すだけなのだから、津田委員が「絶望的な気持ち」になるのも無理はない。

傍聴していて、自分も同じような気持ちになった。


どれだけ議論をしてもそれを踏まえることをせず、ただ徒に根拠のない感情論を繰り返すだけの瀬尾委員・里中委員・三田委員の発言こそ「ちゃぶ台返し」と言うにふさわしいものだと思う。

椎名委員には、是非とも瀬尾委員・里中委員・三田委員らを「ちゃぶ台返し (ノ-_-)ノ ~┻━┻」と批判してもらいたい。

*1:これまで文化審議会の議事録などは文部科学省のサイト内で公開されていたが、この議事録の前後からは文化庁のサイト内での公開に変更されている

*2:私もこの小委員会を傍聴したのだが、遅刻したので前半の3件の発表はほとんど聞くことができず、後半の質疑のみ傍聴した。

szkszk 2008/09/12 14:38 > 谷崎潤一郎の作品は50年分の価値しかないのか
著作権が切れると作品の価値がなくなるんですか?
「遺族にとって」価値がなくなる、ということだとしたら、遺族の、身内の作品の価値は、それが生み出す著作権料だけ、という主張なんですかね?
作家のハシクレとして、そんな身内はイヤだなあ。

ほへとほへと 2008/09/20 12:46 SZKさんのコメント「谷崎潤一郎の作品は50年分の価値しかない」とか「著作権が切れると作品の価値がなくなる」とか、誰が言っているのでしょうか。50年たっても価値はあるはず。しかし、その価値を著作権という形で権利者に独占させておくのではなく、パブリックドメインという形で、公衆の全ての人がその価値を自由に享受できるように開放することだと思います。結局は、権利者の利益と、公衆の利益のバランスの元で50年が決まっているだけで、作品の価値とは関係ないと思います。szkさんの意見は、批判されている感情論そのものと思います。

通りすがり通りすがり 2008/09/25 19:23 >ほへとさん
>SZKさんのコメント「谷崎潤一郎の作品は50年分の価値しかない」とか「著作権が切れると作品の価値がなくなる」とか、誰が言っているのでしょうか。

上読む限り、三田委員って人らしいよ。

とおりがかりとおりがかり 2009/12/07 10:49 戦前は米国の著作者の著作権(翻訳権)は無償だったのですが、それではヘミングウェイが戦前、日本で疎んじられてきたのでしょうか?
所詮、著作権、翻訳権というものは経済的な独占権をさすもので、しかもそれは財産として遺産相続の対象になるものです。
そういう意味で、経済的に論じられるべきものですし、著作物の経済物として残る期間が短くなっている現状では、むしろ伸ばすよりもある程度
短くするべきだと感じています。
そのまえに、こうやって文章を書いた場合の著作権はどなたが守ってくださるのでしょうねえ?

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