「聖剣使いの禁呪詠唱」スペシャルイベント ニッショーホール

ワルブレは、ある意味GAのキラーコンテンツとして期待された作品だったのではないだろうか。少なくとも、声優とイベント的にはとても力が入って居て、その展開に声優ファンとして最初から期待させられた。
しかし、作品の内容がいけなかった。あまりに稚拙。中二病が流行っているからといって、実際の中二が恥ずかしいと思えるほどの稚拙な内容では、流石に誰も作品に思い入れることが出来ない。稚拙すぎて、ある意味それがネタとなって逆に話題になったりもしたけれども、だからといってそれだけで挽回出来るものでもない。作画的にもかなりの投入がされている事もあれば怪しい部分もあったりと、作り手側の不安定さも、その稚拙さゆえ作品への思い入れの低さが反映しているのではないかと邪推してしまう。
それなのに声優は豪華。作品が始まる前からイベントも打って、最先端のアイドル声優を取り揃えてユニットまで組ませて、歌わせてしまう。声優ファンの立場からすると、こういった企画を作ってくれた事自体は嬉しいけれども、同時に声優はその労力に見合った達成感を得ていないだろうとも思え、それが何とも遣る瀬無い。
状況としては、プチミレディが次の段階に進もうかという大切な時期。内田真礼がデビューして声優としての評価も非常に高まっているというとても大切な時期。そして小倉唯がソロのファーストライブを成功させて若手のピンアイドル声優のトップに立とうかという非常に大切な時期。作品がどんなにひどくても、この4人の活躍する様子は今この場で見ない訳にはいかないと、アニオタとしての葛藤と戦いながら参加する事態にw。
また、最近イベントの盛り上げで大いに活躍している石川界人、人気が高まりつつある上田麗奈、そしてワイルドカードとも言える小見川千明小林ゆうが加わり、イベントとしては万全の構えだった。これだけ頑張っているのにニッショーホール埋めるのがやっとだなんて、どんだけ作品的に評価されて無いんだと言いたいくらい。先行で申し込んだチケが最前ど真ん中で、間近で唯ちゃん見られてありがたかったけどね。
作品をネタにトークをし、ライブでも盛り上がり、とアニメイベントとして声優イベントとしてはとても楽しいものだった。しかし、この作品がこのまま展開していく必要性を見出せない中での盛り上がりでもあり、なんとも歯がゆい感覚が残ったのも事実。
作品の肝はやはり脚本、原作、物語であり、そこの選択はなによりも大切だと言う事を、仮にも出版を生業にしているのならしっかり認識して欲しいものだと思う。