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 UCIがリオデジャネイロ・オリンピックのトラック競技参加枠を発表! 日本は男子ケイリン2枠、男子スプリント1枠+リザーブ1枠、男子オムニアム1枠、女子オムニアム1枠の出場権を獲得

UCI国際自転車競技連合)が、今年8月に開催されるリオデジャネイロ・オリンピックにおけるトラック競技の参加枠を発表しました。
http://www.uci.ch/mm/Document/News/News/17/54/00/Rio2016_OlympicQuotas_Neutral.pdf



画像はUCIホームページより


日本は男子ケイリン2枠、男子スプリント1枠+リザーブ1枠、男子オムニアム1枠、女子オムニアム1枠の出場権を獲得しています!


当初、男子ケイリンの日本の参加枠は「1」になるのではと多くのメディアも伝えていましたが(CYCLIST FANでもそう書いてしまいましたが…)、これにはちょっと紛らわしい表現から勘違いが発生していました。
そもそも、チームスプリントの出場権を取った国はケイリンとスプリントも2枠ずつ獲得できます。チームスプリントで出場権が取れなかった国は、個人枠でケイリンとスプリントの出場権を狙うわけですが、ケイリンもスプリントも個人枠は個人ランキング9位までの選手(国)に権利が与えられます。しかし、ランキング9位といっても、大陸別に最大数が決まっており、これを超えた場合は例え9位以内といえどもその選手(国)は除外となります。
男子ケイリンの場合は、アジア大陸枠は「2」となっています。先日の世界選選手権が終わり、男子ケイリンの個人ランキングは実質2位にアジズルハスニ・アワン選手(マレーシア)、実質4位に脇本雄太選手、実質8位に渡邉一成選手となりました。アジア大陸の国から出場できる選手が「2名」であるならば、権利を取れるのはアワン選手(マレーシア)と脇本選手(日本)、と考えられたわけです。しかし、このアジア大陸枠「2」は人数ではなく「国」であり、アジア大陸から2カ国参加できるという意味が正式なものでした。そして、1カ国の最大参加人数は2名。つまり実質9位以内に入っていれば同国から2名まで権利が得られるということであり、日本は実質4位の脇本選手だけでなく、実質8位の渡邉選手も権利が取れており、2名の出場権獲得となったわけです。


また、男子スプリントは正式に1枠獲得し、さらにリザーブで1枠。個人ランキングの実質7位に中川誠一郎選手が入ったことで、日本は1枠を獲得しましたが、さらに河端朋之選手が実質10位なので、リザーブ枠も日本が得ています。リザーブは出場権を取った国のなかで、なんらかの事情で権利を放棄するなどがあった場合に、繰り上がりで出場することができます。


参加枠についてはあくまで「国」に与えられ、個人枠で取った場合でも権利は選手個人ではなく、「国」となります。
とはいえ、JCFの選考基準に照らし合わせても男子ケイリン、スプリントに関してはW杯や世界選手権の同種目に出場している必要があるため、ケイリンは脇本選手と渡邉選手でほぼ確定、スプリントは中川選手が有力なのは間違いありません。
オムニアムは少々複雑です。女子は塚越さくら選手と上野みなみ選手がここ数年同種目の代表として活動してきましたが、近況のW杯などでの成績から塚越選手が1歩リードしている状態か。男子はずっと窪木一茂選手と橋本英也選手の2枚看板で戦ってきましたが、2人とも力が拮抗しているだけに難しいところ。先日の世界選手権で橋本選手が鎖骨骨折してしまったことも気がかりです。


どんなレースにしても選手選考には光と影ができてしまうものですが、4年に一度のオリンピックともなればなおさら。今から緊張してきてしまいますが、いましばらくJCFの正式発表を待ちましょう。