批評の手帖

2017-12-08

『文藝春秋』(2018年1月号) への寄稿2本+中島岳志氏へのお礼

文藝春秋 2018年 01 月号 [雑誌]

文藝春秋 2018年 01 月号 [雑誌]

 昨日、二本の原稿を寄稿した『文藝春秋』(2018年1月号)が自宅に届きました。
 一つ目の原稿は、「文藝春秋を彩った95人」という特集のなかにある「福田恆存―その平衡感覚について」という文章です。短いものですが、この原稿の為に担当編集者からは文春本誌初出の福田原稿の全てと、文藝春秋社の『社史』まで送って頂き、なんというか紙数と不釣り合いなほどの「労力」はかけています(笑)。でも、その分、私にとっても新しい発見―福田が1970年を境に、右も左もない「塹壕戦時代」に入ったことを自覚している点、そして、それ以降「進歩的知識人批判よりは、政権批判に重心を移していく事実などの発見―のあった仕事で、担当の西さんには感謝しております。しかし、そこから翻って考えると、「政権」万歳の今の「保守業界」には、福田恆存の爪の垢ほどの「平衡感覚」もないことが分かりますね。
 あと、もう一本は「旬選ジャーナル」というコーナーに書いた「耕論・リベラルを問い直す」という文章です。こちらは、『朝日』の記事をネタに私なりの「リベラル論」を書きました。短いながら、現在におけるリベラル退潮の意味・理論的背景など分かり易く書いています。一読していただければ幸いです。

 ちなみに、最後になりましたが、同じ『文藝春秋』の1月号に「二十歳の自分に読ませたい『私のベスト3』」というコーナーがあるのですが、そこで中島岳志さんが、私の本―『福田恆存 思想の〈かたち〉』と『反戦後論』―の二冊を取り上げてくださいました(あと一冊は、國分浩一郎氏の『中動態の世界』です)。知っていれば「すばるクリティーク賞」の審査会でお会いした時にでも、お礼が言えたのに…と思いつつ、改めてこの場を借りて感謝申し上げます。中島さん、ありがとうございます!

2017-12-06

「観念的な、あまりに観念的な―戦後批評の『弱さ』について」(『すばる』2018年1月号)と、「日本人とは、そも何者ぞ」の最終回。

すばる2018年1月号

すばる2018年1月号

 昨日、『すばる』(2018年1月号)が自宅に届きました。
 今回は、「観念的な、あまりに観念的な―戦後批評の『弱さ』について―」という題で長編批評を書いています。来年あたりから書き始めたいと思っている戦後文学論(二誌ほどで連載できればと思っていますが)の「序説=総論」のつもりで書きましたが、もちろん単品で読めるものとしても書いています。『反戦後論』を出してからの最初の長編批評ということになりますが、今回の批評文は、自分の中でも新しい一歩になったと思っています(背中を押してくださった吉田さんには感謝しております。ありがとうございます!)。
 内容的には小島信夫アメリカン・スクール』から説き始めて、大江健三郎江藤淳柄谷行人加藤典洋などを素材に、2017年現在の「アメリカの影」を再論しつつ、吉本隆明小林秀雄柳田国男、そして晩年の江藤淳のなかに「観念」からの脱却の道を問い質しています。一読していただければ幸いです。

 ちなみに「日本人とは、そも何者ぞ」の最終回(第20回)も無事放映されました。こんな企画はもう二度とあり得ないだろうと思っていますが、ひとまず全ての放映が終わってホッとしています。改めて、西部先生、澤村さん、今村さん、窪田プロディーサー、その他関係者の皆さまに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました!

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2017-11-29

「西部邁ゼミナール」特別企画―「日本人とは、そも何者ぞ」も、いよいよ大詰めとなりました。

 「西部邁ゼミナール」特別企画―「日本人とは、そも何者ぞ」も、いよいよ大詰めです。これまで放送した第16回「大東亜戦争へ向けて―「近代の超克」と日本人」、第17回「敗戦と日本人−配給された自由のなかで」、第18回「高度経済成長と日本人―私たちは何を得、何を失ったのか」、第19回「ポストモダンという名の幻影―バブルに踊った日本人」を一挙に告知させて頂きます。次回最終回は、今週末のTOKYO・MXテレビ土曜日朝7:05〜7:30の放送(再放送毎週日曜日8:30〜8:55)となります。是非、よろしくお願い致します。

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2017-10-15

『表現者』75号(2017年11月号)が出ました!

 昨日、『表現者』(75号/2017年11月号)が自宅に届きました。「編集後記」にも記されてあるように、今号をもって、これまで『表現者』という雑誌とその関連活動を中核で担って来られた西部邁顧問と、その実務を担って来られた西部智子さんが引退いたします。その意味でも75号は記念となる号となりました。
 特集は「日本よ、何処へ行くのか」となっていますが、私自身は、「日本文化の本来性とは何か」(佐伯啓思氏×澤村修治氏×柴山圭太氏×西部邁氏×富岡幸一郎氏×浜崎)という座談会に出席しつつ、「ある『日本回帰』の物語―あるいは一つの自然過程について」という個人的なエッセイを寄稿させて頂きました。一読していただければ幸いです。
 
 とはいえ、編集後記にある通り、「形」は変わろうとも『表現者』の運動は終わりません(まさにReform to Conserveです!)。今年一杯は富岡編集長の下で書き継ぐことになると思いますが、それ以降のことについては、今、まさに「検討中」です。引き続き読者の皆様のご支援を賜りたくお願い申し上げます!

 ちなみに「西部邁ゼミナール」の方はまだまだ現役です。第14回「近代日本の戦争−日清・日露、そして第一次大戦」、第15回「近代日本人の『自我』―『日本近代文学』は何を表現したのか」が放映されました。そちらの方も、是非よろしくお願い致します。

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2017-10-05

11月14日、ジュンク堂池袋本店にて開催される「富岡幸一郎『虚妄の「戦後」』(論創社)刊行記念!徹底トーク 「平和国家」という幻想を覆す!新たな「戦後」論!」というトークイベントに登壇します。

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 またしても少々先のことになりますが、11月24日にジュンク堂池袋書店にて「富岡幸一郎『虚妄の「戦後」』(論創社)刊行記念!徹底トーク平和国家」という幻想を覆す!新たな「戦後」論!」というトークイベントを開催いたします。

 先日、論創社から『虚妄の「戦後」』を刊行された富岡幸一郎先生と、今年の5月に文藝春秋から『反戦後論』を刊行した私とで、世代を超えた「戦後論」を交わすことが出来ればと思っております。ハッキリ言って、戦後の文芸批評家で「保守」を語ること自体が相当に稀有なことだと言えますが、それ以上に、その「保守」の態度が「親米保守」でなかった場合、その希少さはより際立つことになります。「戦後」という時代は、「平和」という理想主義を「国民」のナショナル・アイデンティティと見做した「反米ナショナリズム」(革新左派)と、「親米」という現実主義を「国家」において語ってきた「親米保守」との間で全てが推移してきたと言っても過言ではありません。
 しかし、そのなかにあって、唯一明確に表に現れなかった態度が「反米保守」です。もちろん、私は単なる「反米」ではありませんが、しかし「親米」でないことは確かです。考えてみれば、冷戦構造が崩壊した1991年以降、次第に理想主義空想主義?)としての「反米ナショナリズム」が凋落し、2008年のリーマンショック2016年ブレグジット+トランプ大統領の誕生(グローバリズムの終りの始まり)によって、この先間違いなく「親米保守」も凋落していくことになるでしょう。その一番分かり易い徴候が、この度の安倍晋三の「自民党」と、小池百合子の「希望の党」の間で繰り広げられている「希望」もクソもない泥仕合です。
 しかし、こんな時代だからこそ、現実政治とは距離のある文芸批評家の二人が、しかも世代を超えて語り合うことに意義があると思っています。もう少し先のことになりますが、お時間のある方は、是非ご参加ください! よろしくお願いします。
 以下は、論創社フェイスブック(https://www.facebook.com/events/695752920614745/?acontext=%7B%22ref%22%3A%2222%22%2C%22feed_story_type%22%3A%2222%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D&pnref=story)と、ジュンク堂ホームページ(https://honto.jp/store/news/detail_041000023350.html?shgcd=HB300)からの引用です。ご参照ください。

2017年11月14日(火)19:30〜/於・ジュンク堂池袋本店
富岡幸一郎『虚妄の「戦後」』(論創社)刊行記念!徹底トーク
平和国家」という幻想を覆す!「戦後」論!!
富岡幸一郎×浜崎洋介
(文芸批評家、関東学院大学教授)(文芸批評家、日本大学講師)

弱冠19歳で群像新人賞文芸評論家としてデビューした富岡幸一郎は、以来40年、三島由紀夫の影響から保守思想、さらに近代の問題からキリスト者としても活動している。「平和国家」といわれる日本、日本の戦後に問題意識を強く持ち、今般、西部邁が顧問をつとめる雑誌『表現者』に10年以上連載した論考をまとめ、『虚妄の「戦後」』(論創社)として世に問うた。また20歳下、ニュータウン世代の気鋭の批評家、浜崎洋介は戦争、象徴天皇三島由紀夫小林秀雄福田恆存中上健次、ロレンス、ピケティなどの思索を進め「政治と文学」という問題を捉えた。そして、『反戦後論』(文藝春秋)によって戦後思想に新たな問題を提起している。今回、この2人が「戦後」、「政治と文学」を徹底して語る。

富岡幸一郎(とみおかこういちろう)
1957(昭和32)年生まれ。文芸評論家関東学院大学教授、鎌倉文学館館長。中央大学文学部仏文科卒業。第22回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。著書『戦後文学のアルケオロジー』(福武書店)『内村鑑三』(中公文庫) 『批評の現在』(構想社)『仮面の神学 三島由紀夫論』(構想社)『使徒的人間 カール・バルト』(講談社文芸文庫)『文芸評論集』(アーツ・アンド・クラフツ)『最後の思想 三島由紀夫吉本隆明』(同)『川端康成 魔界文学』(岩波書店岩波現代全書〉)共編著・監修書多数

浜崎洋介(はまさきようすけ)
1978(昭和53)年生まれ。文芸批評家、日本大学非常勤講師日本大学芸術学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了。博士(学術)。著書『福田恆存 思想の〈かたち〉―イロニー・演戯・言葉』(新曜社)。共著に『アフター・モダニティ―近代日本の思想と批評』(北樹出版)。編著:福田恆存アンソロジー三部作『保守とは何か』『国家とは何か』『人間とは何か』(共に文春学藝ライブラリー)など。近著に今年5月刊行された『反戦後論』(文藝春秋

司会 志賀信夫(批評家・編集者)

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111) 

■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5


 ちなみに、西部ゼミナールの方も順調に放映されています。第12回「命を賭す決断促す正邪の観念をはっきりさせた陽明学明治維新」 (2017/09/23)と、第13回「明治維新と日本人―西洋近代との出会い」(2017/09/30)の方もよろしくお願いします。次回の放送は選挙の都合で延期らしいですが、シリーズ自体はまだまだ続きます!

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