十分、九ふんへ、

今日は、本来だったら現地一日目に行く予定だった、十分と九ふん(ニンベンに分)へ向かう。いい加減に鉄道を利用するのに慣れて来た気がするけれど、自信があるとは言えない。
車掌さんは、制服も日本に似ていて、車内で切符を買う時の端末も似ているようだ。
台湾の軍隊は、第2次世界大戦後、GHQの指令で密かに旧日本軍の幹部が指導したために、今でもところどころに旧日本軍のやり方と同じやり方があるらしい。この指導に当たった人たちは白団(ぱいだん)と呼ばれていた。
鉄道も日本が占領していた当時の影響があるのだろうか?

飼い犬と野良犬

やっぱり、違うなぁー。しかし、野良犬に共感を覚えてしまう。自由には換えられない何かがある。しかし、この直後、飼い主がエサを持って来たの食べているのをモノ欲しそうな目で眺めていた。こちらまで何だか恥ずかしくなってしまった。

サービス精神旺盛

龍鳳腿を作って売っていたのは、この女性。写真を写していいかと聞いたら、指サインで「グッド」とやってくれたが、あれれれぇー、こちらがタイミングを外してしまった。

若いからって、許されんぞぉー

おじさんは忍耐強い。というか、鈍感である。しかし、真横でこんなことやられるとなぁー。平渓線の電車の中で、こんなことしている男は彼女にデレデレだった。ここまでは行かないが、デレデレのカップルをよく見かける。イヤミか!おじさんはヒガムぞ!まあ、今回だけは許してやろう。
台湾では、家族単位かカップル単位の行動が目に付く。独りもんは、家でじっとしているのだろうか?

もちろん、女の子ふたりもある

この女の子たち、電車を降りる場所とかは違うのだけれど、基本的に同じルートを巡っているようで、最終的に台北へ戻る電車まで同じだった。
ちょっと見の雰囲気だけは、日本人と何ら変わるところがないような気がした。台湾の女の子たちは内股で歩くことがほとんどないので、見分けはつくけど。

こちら、正しい家族旅行

お父さんは、頑張るのだ。初めての子どもだから、なおさら力が入るのだろう。フィルムの時代だったら大変だと思うくらい写真を撮っていた。もし、2人目の子どもが生まれても、今日のように、ちゃんとたくさん写真を撮って欲しいものだ。

簡単便利なお昼ご飯

十分(スーフェン)で食べた肉魯飯。庶民というよりは、今や下層(?)の飯。ぶっ掛けご飯。これにイカ団子とミネラルウォーターを買って、70元也。
ちょっと疲労が溜まって来たので、食事を楽しむというよりは、食べるのが億劫になって来た。旅先でこうなると危険信号。とにかく、食べないことには体力勝負。
あ、お店のお母さんは、日本語教育を受けた時代の人らしく日本語で大丈夫だった。年代によっては日本語を話してくれるけれど、それをどう捉えればいいか考え込んでしまう。

電車で日本語会話

十分(スーフェン)の駅で瑞芳(レイファン)に戻る電車を待っていると、年長者の一団がやって来た。みんなハイキングにでも行ったような感じ。
ここ十分の近くには、ミニチュア版ナイアガラのような滝と五分山というところがある。
そのうちの一人の男性が声をかけて来た。なかなか達者な日本語だった。雑談をしながら電車を待つ。他の人たちは、にこやかに日本語を話す彼を冷やかしたりしている。
電車に乗ってからも一緒に話していたら、彼らは定年退職者のグループで登山を楽しんでいる人たちだということ。詳しい数字は解らないけれど、サラリーマンというの集団が大量発生したのは日本と台湾も似ているようで、退職後の生活設計をコンサルタントする企業の広告を見ることがある。
彼、頂氏はエンジニアだったそうだ。彼には東京在住の親戚がいるそうで、これまで何度か東京に行ったことがあるそうだ。もう一人女性が会話に加わった。退職後に日本語の勉強を始めたそうだ。なかなか正確な日本語を話していた。まじめな方で、テレビでNHKのニュースを見るのが好きで、ちゃんと理解出来るようになりたいと言っていた。会話の内容も日本と台湾の社会事情の比較。
彼女には、台湾で大ヒットした映画「海角七号」を観るように薦められた。戻ったら観てみよう。
短い電車の旅だったが、楽しい時間だった。写真は、別れ際に瑞芳の月台(プラットホーム)で。

やっと九ふんへ

今回、台湾に来たきっかけのひとつが、九ふん(「ジュウフェン)のライブカメラを見たことだった。映画「悲情城市」が撮影された場所でもある。この映画の監督の侯孝賢(フオ・シャオシェン)の映画は独特の空気が流れていて、いつも心引かれる。
瑞芳からの路線バスは、クネクネと曲がった道を結構なスピードで登って来た。バスを降りたところから基隆(ジーロン)の方向を眺めた。天気も悪く、時間も時間なので、刻々と暗くなって来る。

平渓線の終点

平渓線(ぴんしーせん)は、週末にSLも走るローカル線としては有名な路線。映画のロケ地にも使われている。平日でも少ないけれど観光客はいる。終点の菁桐(ちんとん)駅の駅舎は、日本統治時代の鉄道電話と金庫が残されている。

軒先を走る電車

十分(しーふぇん)駅近くの街中を突っ切る電車。侯孝賢ホウ・シャオシェン)の映画「恋恋風塵」にここが出て来る。映画を撮影した時の面影はあるが、ずいぶんと変わっていると思う。

ここにライブカメラがある

実は、ここにライブカメラが設置されている。どうも知らない人が多いようだ。ひとりパソコンを開いて写真を撮っていると、みんな怪訝そうな目つきで通り過ぎていった。ひとり記念撮影。

檳榔屋の猫

長い一日が終わってホテルへ戻る。この猫は、ホテルのすぐ近くにある檳榔(ビンラン)屋の猫。おとなしい。抱かせてもらったら、爪も立てない。檳榔噛んでるのかなぁー。今回の旅では、犬がやたらと多いのに比べて、猫との出会いは少なかった。