アキコ・カンダ 逝去

モダンダンスのアキコ・カンダ(本名・神田正子=かんだ・まさこ)さんが、23日午前4時32分、都内の東邦大医療センター大橋病院にて、肺癌から併発した肺炎によりなくなられた。享年75歳。
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http://www.akikokanda.com/
アキコ・カンダさん死去、モダンダンスの先駆け
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110923-OYT1T00490.htm
昨年10月より肺癌を患い、芸能活動と闘病とを両立させていた。9月9日より11日まで青山円形劇場で開催されたリサイタル『花を咲かせるために〜バルバラを踊る〜』では、病躯をおして舞台に立たれていた。来秋公開予定のドキュメンタリー映画「AKIKO あるダンサーの肖像 PART2」(羽田澄子監督)の撮影途中であったという。
7歳から舞踊を学び、1956年には渡米し、マーサ・グレアム舞踊団のソリストとして活躍。1961年に帰国後、アキコ・カンダモダンダンスカンパニーを設立した。『バルバラを踊る』『フォー・シーズン』などの代表作がある。旭日小綬章芸術選奨文部大臣賞はじめ受賞歴多数。晩年も意欲的に新作・旧作を上演し続け、師へのオマージュをこめた大作『マーサへ』を新国立劇場主催公演で発表して江口隆哉賞を得た。
宝塚歌劇団宝塚音楽学校の講師および振付を担当し、また新国立劇場バレエ研修所コンテンポラリー・クラス講師も務めるなど後進の育成にも熱心だった。
舞踊評論を書く機会を得る以前から舞台を見ており、近年はリサイタルや代表を務めるおおみや洋舞協会公演を定期的に観ることができた。無我の境地で自らの舞踊美学を貫いた、稀有な舞踊家であったと逝去の報に接してあらためて思う。
いまはただご冥福をお祈りするばかりである。