庄内平野

三日目も朝早く(と云うよりは夜中に)目が覚めた。
朝食前にすぐ近くを流れる最上川にハクチョウを見に行った。

三千羽ちかくのハクチョウの飛来地になっているらしい。

食事を終えて、また鶴岡市に戻り、所用を済ませてすこしだけ市内観光。
静かな城下町の鶴岡には古い建物も多く残っている。酒田市とはまた違った雰囲気だ。
郷土が生んだ有名人には写真家の土門拳と小説家の藤沢周平がいる。
城跡を散策するくらいしか時間がなかったので、どっちらの記念館も見物できなかったが、
郷土の誇りが芸術家であるのがすごい。

とくに、この町の雰囲気が時代小説家藤沢周平の書く物語の背景となっているのがよくわかった。
遅い昼食を市内からすこし離れた国道沿いのイタリアンレスチラン(アル・ケチャーノ)で食べた。

このレストランの名前はイタリア語ではなくて、山形弁だそうで、あるかしらねェという意味らしい。
ひとり四千円のコースだったが、コストパフォーマンスは最高で、仕事は終わったからまだ日が高いうちから地元の白・赤ワインを堪能した。
空港への帰り道にクラゲの展示で有名な加茂水族館に寄り道した。
ここは世界一クラゲの種類が多い水族館だそうだ。



イデア勝ちの施設で、小さな建物に多くの観光客が訪れていた。
展示するクラゲはすぐ目の前の海でから柄杓ですくったり、バケツですくっているらしい。
ゆらゆら泳ぐクラゲの姿に、心が和むのは確かだ。
田舎の寂しい小さな漁港を有名地にしたコンセプトに思わず唸ってしまった。
夕方、庄内空港から飛行機に乗って、うつらうつらする間も無く羽田に着いた。
めったに来る機会のない庄内地方への旅だった。