新たに(認知科学的な)言語理論の解説記事について書けたらいいなぁ〜という願望

ここ最近ずっと(未だに)このブログの人気記事が生成文法認知言語学の解説記事であることには正直戸惑っている。あれは結構前に人目につかないことを前提に書いた記事*1で、一部のこのブログのマニアだけが気づけばいい程度に思っていたので、こんなに読まれるとは思っていなかった。そのことの弊害というのはあって、コメント欄でも触れているが記事の書き方が多少乱暴になっているのだが、こんなに人目に触れるのは心外だということだ。同じようなことはウィキペディアでリンクされた心の哲学についての解説記事でもあったが、ネットでのリンクは自由だとは思っているがやっぱり戸惑う。
近況としては、なぜか言語学の論文を読むことが多くなっている。例えばピダハン論争や言語進化などといった生成文法関連の傑作論文をネットで見つけたので、それを楽しく読んでいる。それについて記事にしようかとも思ったが、それらの論文の内容を超えそうにないので手はつける気がしない。他にも近年になって構文化の研究が進んだと知って、構文文法や文法化について調べて勉強したりもしている。さらにジャッケンドフ経由でHPSGのような語彙主義の理論の存在をつい最近になって知ったところで、以前書いた生成文法認知言語学の解説記事を改定した新たな記事を書くのもありかもしれないと思った。特に以前書いた解説記事では、認知言語学について認知意味論寄りに説明したので、もっと全体的に文法中心に揃えて説明したほうがいいかもしれないと感じ始めた。ちょうど(制約に基づく理論を伴う)語彙主義の存在も知ったことで、(解説記事のコメント欄でも軽く触れた)ジャッケンドフ的な理論についても何とか位置づけできるかもしれないという展望が生まれた。
…と思ってはいるが、日本語の例は必ず出すと言う部分は(以前の解説記事に引き続き)守りたいのだが、所詮は素人の私にはちょっと難しい。認知言語学や語彙主義との比較を考えると、生成文法については以前の記事では触れなかった移動(内的併合)にも触れた方がいいとは思うが、この辺りは複雑なので私の手には余る。しかしそこに触れないと、そもそ移動を理論の中に含まない制約に基づく理論(に基づく語彙主義)を説明できないとか、困ることが多い。語彙主義については最近知ったばかりで知識が足りないがそれは脇に置くとしても、認知言語学については文法寄りの説明を日本語の例を挙げてするのが難しいのが困る。前回の記事では前面に出ていたメタファーの説明を今度は背景に持っていけばいいのは既に決まっているが、この先が難しい。認知言語学についての文法的な日本語の例だと、第一に思いつくのは(私が最初に感激した分析である)結果構文か、後は(昔に英語の論文で読んで感心した)タルミーの移動経路の分析ならもしかして何とかなるかもしれない(が駄目かもしれない)。なんにせよ認知言語学についての文法的な日本語の例については、日本語の論文が当てにならないので本当に困った。
困難は多いが、以前の記事では生成文法統語論認知言語学は意味論と領域が別れてしまったので、テーマを文法に揃えた記事はあった方がいいとは思うんだよなぁ〜

*1:記事の日付から通常更新の記事でないことは分かるはず