色の輪廻


私の回りの黒を集めて影となる
黒はいっぱいあったから
ちょっと沢山影を重ねる。


だけど私は影じゃない
だから赤を借りてきた
赤はケチだし少しだけしか借りれない
ほんの少しの血と肉を影に植える。



けれども私は生きている
だから白を借りてきた
光は二つあるけれど二つ全部を貸してくれた。
白のガラスの輝きは
私の光、眼にしよう。


そんな私を見ていてくれた
黄色、橙、青、緑、
私の顔を貸してくれ
喜怒哀楽を作ってくれた

私は段々楽しくなった
怒りを覚えて悲しさに泣いた
でも私は心のそこから笑えなかった、泣けなかった。
なぜなら口がなかったから、耳もなかったから。

ある日私はゴミ捨て場から色を拾った
その色は無、色が使い切られた何もない色
それでも私は嬉しかった
心を外に出せるから、人の心を聞けるから
早速無色で顔の他を作った

こうしてやっと誕生を色んな色と迎えたけれど
借り物の色は返さなきゃいけない

ケチな赤を最初に返す
体が段々こぼれてく、血がなかなか止まらない。
貴重な白は早く返してあげなくちゃ
回りがだんだんぼやけてく
色の全てが同じに見える

私に良くしてくれた
他の色も返しに行こう。
顔から彩の感情がうせていく
何をしてたの?わからない
貴方が誰か解らない?

私の体は消えていく
時間と共に崩れてく
最後に残った暗闇に意識だけが浮かんでる。

私の黒と拾った無
楽しいことも忘れたけれど
悲しいことも感じない。

今夜も再び色たちに色を借りる夢をみる。
私が作った黒の夜次に生まれる夢を見る。


comment:これは割と新しい詩ですね。原色バリバリのクロノクロスがイメージにちょっと割り込んできてこんな感じになりました。
どちらかと言うと中世のアルケミスト(錬金術師かゴシックなノリ) をイメージしたのですけどどうでしょうか?