「いま・ここ」に全力

ジャパネットたかた」の創業者で、自らテレビで商品を売っていた高田明さんの本を読みました。
この人の場合、下手な芸能人よりも知名度や好感度が高いのではないでしょうか。
家業が街の写真屋さんだったので、それを手伝っているうちに「扱う商品」も「事業の内容」も変化していき、今の業態に落ち着いたという次第です。

カメラを扱っているうちに、ビデオなどの新商品が出てきて、だんだんと商品の幅が広がっていったのだそうです。
ヨドバシカメラ」や「ビッグカメラ」といった量販店の社名の中に「カメラ」が入っているのは、そんな歴史があるからです。

高田明さんは大学を卒業し、一度機械メーカーに就職しているのですが、そこでもヨーロッパに派遣されたりして、かなり頑張っていたようです。
語学の才能もあり、英語やフランス語は話せるようです。
尤(もっと)もあれだけ日本語が堪能なので、本気になればマルチリンガル(4カ国語以上の達人)など訳ないのではないかと感じさせます。

実家の写真屋に戻っても「今の仕事」に全力を傾ける姿勢には大いに刺激を受けました。
ホテルの宴会場にカメラを持ち込み、あとで撮った写真を売る仕事もしていたのですが、とにかく1枚でも多く買ってもらうためにはどうすればいいのかを徹底的に考え工夫していました。
この人は何をしても成功する人だと感心しました。

さて高田明さんは引退後をどうするかということですが、得意な語学を磨きたいようです。
そのためには留学も考えているとのこと。
また67歳の今でも一回り以上若く見られるのですが、長生きして長寿のギネス記録を狙っているそうです。
現役時代は(高田明さんと私とは)実績に差がありすぎて勝負になりませんが、今後の人生においては、この人をライバルに設定しようと思いました。
語学好きという共通の趣味もあるし、どこかでこの人と友達になりそうな予感がしています。

いずれにせよ「今に全力」という発想は、ある意味「目からウロコ」の考え方でした。
過去を引きずらないというのは分かるのですが、未来にも引きずり回されてはいけないのです。
ついつい「潜在意識の活用」などと言って、未来や夢や目標に束縛されているところが私にはあるのですが、高田明さんの場合はシンプルに「いま・ここ」で頑張り、それが結果に結びついているのです。