ライブの思い出

10月の「島村楽器のお題」は、「ライブの思い出」です。リンクはこちら
まだ書いていない、はてなユーザーの皆さん、11月2日が〆切ですので、この際、ライブへの思いの丈を書いてみてはいかがでしょうか?賞品として1名に、「ベリンガー B205D」が当たります。これは、持ち運びが簡単なコンパクトボディのアンプ内蔵スピーカーシステムです。ストリートライブなどに便利に使えそうです。(電源100V要るけど…)


ライブの思い出…数々ありますが、『出た側』の話、自分のライブ話にします。
そもそも人前で楽器を弾いたり、歌を歌ったりするようになるなんて、子供の頃の私を知っている人は信じられないことと思います。こんな風になるためには、いくつもの出会い、きっかけがありました。


ギターをいじり始めたのは、『そこにギターがあったから』…。家にあったからです。父が古賀メロディなどを弾いていましたね。それを聞いているうちに『自分にもできるかも』と思ったのが最初のきっかけです。たしか、中学1〜2年の頃だったと思います。
それとは別のきっかけは、友人の家で『これ良いぞ』と聴かせてもらったレコードです。Peter,Paul & Mary、そして、Simon & Garfunkel。今から思えば、素晴らしく良いものを聴かせてくれました。どちらも、サウンドアコースティックギター、そしてボーカルのハーモニーが魅力です。自分の好みがこのへんで出来上がりました。さらに、習い始めたばかりの英語でしたが、訳を見てその詞の素晴らしさに感動しました。『アコースティックギターで弾き語りをする』、これが自分の一番の目標になりました。


友人が弾くのを聴いて『レコードそっくりだ』と感動したことがある曲。Peter,Paul & Mary 「Puff」

この詞がすさまじく最高。Simon & Garfunkel 「The Sounds of Silence」。アコースティックバージョンでどうぞ。



高校は、長い“思春期うつ”の時代に入ります。勉強する目的や意義を見いだせず、すっかりやる気をなくしていました。それでも死ななかったのは、星を見ている時間が大好きだったおかげですし、それでも学校をやめなかったのは、そこに楽しく過ごせる友人たちがいたおかげです。そんな高校生活のハイライトは文化祭でした。1年の時は先輩たちが作った8mm映画に感銘を受け、2年の時は友人たちの歌う姿をうらやましいと思い、そして3年になります。
話は前後しますが、当時、必修クラブという授業がありました。これは、クラブ活動のようなことを週に一度、正規の授業中に行うものです。「ゆとり教育」の走りだったかもしれません。3年になって天文クラブに入りました。なぜかクラブ長になってしまい、毎週、いろいろな話題を提供する立場になりました。これが面白くなって、毎週のようにネタを見つけてトークライブをしました。今度こんな天文現象がある、とか、こういう星座の見つけ方があるよ、とか、こんな写真を撮ったよ、とか。当時はスライドでしたねぇ。階段教室、暗幕を引いて、スライドを1枚ずつ投影機に落とし込む…。嗚呼、懐かしい…。いや、懐かしさにひたっていないで、話を戻して。とにかくこの必修クラブのおかげで、『人前で話をする事』がすっかりこわくなくなったのです。これはその後の自分にとって非常に大きなできごとでした。
さて、そうして迎えた3年の文化祭。『なんとかコンサートみたいな事できないかなぁ』とは思っていたのですが、渡りに船、友人の一人が、教室を借りて弾き語りをするための仲間を募集していました。持ち時間とか順番とか細かい事は決めず、ゆるやかな決まりごとで、それがうまく行くくらい、気の良いヤツらが集まりました。人が集まると物も集まるもので、誰が準備したのか、ちゃんとマイクやスピーカーもあり、暗幕の代わりに黒い模造紙で窓をふさぎ、なかなか良い雰囲気になりました。
その団体(=会場)の名前は「あっとほうむ」。名前のとおり、アットホームな仲間の集まりになり、楽しいライブが始まりました。基本、みんなフォークギターの弾き語りです。ソロあり、デュエットあり、トリオあり。ちなみに当時の高校の文化祭の弾き語りと言えば、(トシがバレますが…)『拓郎・揚水・かぐや姫』が御三家でしたねぇ。その中にあって、この「あっとほうむ」では、洋楽あり、よくわからないアンダーグラウンドな曲あり、で、幅広くいろんな曲が歌われました。私もこの頃はPPMやS&Gを弾けるようになっていまして、その場の雰囲気で友人を引っ張り上げてコーラス参加させたり、まぁ伸び伸びと弾き語りさせてもらいました。天文クラブの1年生の女子がこぞって応援に来てくれたなぁ。それまで、女子に声をかけてもらえる事なんてなかったので、拍手をもらうだけで、自分がヒーローになったような気分でしたね。
いや実は本当にヒーローになったんです。この文化祭で。教室でのライブとは別に、体育館で「素人のど自慢大会」がありまして、これにギター持参で参戦。これもライブですよね。このお話はまるで学園マンガみたいなんですけど、本番10日前に体育の授業で突き指してしまい、しばらく練習ができなくなってしまったんです。本番3日前、まだ痛いけど練習を始め、『将来、痛むかもしれないぞ』と言われながらも根性で練習しました。当時、ウツな気分を振り払うため、ストレス解消も兼ねて歌の練習をしていました。ヤケクソ気味に声を張り上げると、けっこう高い声が出せるようになる、そんな事を身をもって学習しました。…で、「素人のど自慢」で、1年生の女子たちの応援のおかげもあって、見事、優勝してしまうわけなんです。その時に歌った思い出の曲はこれ。田山雅充「春うらら」。ちょっとエッチな場面もある恋愛ソング。こういうのにあこがれていた高校生でした。


この頃からずっと、一人で弾き語り、これが自分のスタイルでした。ずっと変わらないかな、と思っていたんですけど…。40歳を過ぎてから、初めてバンドに入ることになります。
その頃、加藤いづみさんが好きで、ライブに行ったり、ファンクラブのイベントに行ったりしていました。優しくて歯切れの良いボーカルもさることながら、楽曲のアレンジがアコギ中心なんですよね。プロデューサー高橋研さんの好みでしょうけど、もう、どストライクです。
ある時、イベントで一人のファンが「いづみさんのコピーバンド、一緒にやりませんか?」と呼びかけていました。全然迷わず、むしろ『待ってました』という感じで早速申し込みました。こうして初めてのバンド、加藤いづみコピーバンドのメンバーになったのです。ドラム、ベース、キーボード、ボーカル、経験浅いメンバーもいますけど、リーダーのベースと、ドラムがしっかりしているので、ギターやボーカルは、リズムとベースに乗って、安心してプレイできます。なかなか理想的な感じですねぇ。
普通、コピーバンドというと、『いつかは本人の前で演奏したい、バックバンドができれば最高』というのが夢ですが、この夢の実現が意外に早く訪れる事になります。静岡県の「つま恋」で行われたファンクラブのイベントが、われわれのバンドのデビューになりました。デビューはつま恋ですよ、つま恋。かつてヤマハポプコンが行われていた、聖地「つま恋」です。小ホールとはいえ、まさかこんなすごい場所でデビューする事になろうとは…。当然、ファンクラブイベントですから、加藤いづみさんご本人も同じ場所にいるわけです。本人の目の前で演奏!もう緊張感も半端じゃありませんけど、わくわく感も相当なものでしたね。こんな私たちでしたけど、ファンクラブの仲間は暖かいです。アンコールをくれました。さらにびっくり、感激しちゃったのは、アンコール曲で、いづみさん本人がステージに上がってくれちゃったのです!!!これってバックバンドなわけですよ!!!すげー、夢が実現しちゃったよ…。
そんな、加藤いづみさんの曲の中から、ライブのわくわく感を歌った曲「ひまわり」…と思ったけど、動画が見当たらないので、私の一番好きな「雨が降る靴」。


加藤いづみさんもそうなんですけど、歌いたい曲で、市販のコード譜がないものが多いんですよね。なので、自分でミミコピしてコード譜を作る、という作業を、バンドに入ってから本格的に始めました。その前も細々とやってはいましたけど…。(友人の披露宴で歌う曲などです。)それがこのブログのコード譜公開につながっていたりします。


それまで、アイドルにはあまり興味がなかったのです。…が、2002年頃からなぜかモーニング娘。を初めとするハロプロにはまってしまい、気がつけばライブに行くようになっていました。ライブ、病み付きになるんですよね…。で、好きな曲にめぐり会うと思うわけです。『この曲、弾いてみたい。歌ってみたい。』と。で、コード譜作りがさらに増えることになります。
ハロプロのファンの仲間との交流は、とあるブログ(やはり「はてな」です)がきっかけでした。ある時、コンサート後に飲もうという事になり、顔合わせをしました。楽しかったなぁ。コンサート後にいろんな話をして一緒に飲める、それがこんなに楽しいものだとは知りませんでした。そして、その仲間の中にもいるわけです。演奏したいメンバーが。たしか2008年のベリキュー合同コンの後、ばやさんにBuono!ファーストアルバムのコード譜を持って行ったと思います。ひろさいとさんを紹介され、それからGEM BANDの皆さんとのお付き合いが始まりました。一昨日も泊まりに来ていましたが、今や交友関係の中心となっている、素敵な仲間たちです。
その仲間とのライブは、昨年でした。ハロプロコピーバンドの対バン。これがまた楽しかったのです。50過ぎて初めてのライブハウスでのライブでしたけど、バンドもお客さんも、みんなハロヲタ。居心地が良いというか、なんというか。みんな「同じ目をしている」同士で、暖かいお客さんでした。
コンサート映像は恥ずかしくて上げられないので、本物の曲を。1曲めに演奏した曲です。Buono!「Independent Girl〜独立女子であるために」。あ、人前でエレキギター弾いたのはこの曲が初めてでした。


さて…長くなりましたが、こんな感じで、ライブの思い出は尽きません。これ書いてるだけで、血が踊りますねぇ。(…って、単に血圧が高いだけじゃないか?w)
最近では何かのライブを見に行くと、とりあえず脳内シミュレーションで、その会場のステージに上がっている自分を想像してみます。実現するのは難しいでしょうけど、まぁ一種のイメージトレーニングです。ライブの楽しみ方は人それぞれですけど、これもまた一つの、ライブの楽しみ方だと思います。
そして何より「一期一会」これこそが生演奏の、ライブの真髄でしょう。最後に、エリック・ドルフィーの名言を記して、「ライブの思い出」の結びとします。


When you hear music, after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again.