不発連合式バックドロップ このページをアンテナに追加

June 28(Wed), 2017

[]最近読んだ人文書 最近読んだ人文書を含むブックマーク

 スディール・ヴェンカテッシュ『社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた』(東洋経済新報社望月衛訳)。『ヤバい社会学』の続編でシカゴからニューヨークへ。出てくる人物も事件も事象もおもしろいし興味深いんだけど、とにかく著者の我や自意識が前面に過剰に出ていて、かなりウンザリしたのが正直な感想。そもそも原題の直訳が『たゆたう街――はぐれ社会学者がニューヨークのアングラ経済で自分を見失い、そして見つけ出す』だから、そういう自分語りの本なのは予定通りなんだろうけど、俺が読みたいのは著者自身じゃなくて対象なんだよなぁ……。せめてもっとドライに書いてくれたらよかったんだけど。ちと残念。

 水野和夫『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(集英社新書経済成長しなくていい派は何を言っているのかと思い読んでみた。コペルニクスから論をダイナミックに展開し、「資本主義はもう限界だから、閉じて定常を目指してやっていく方がいいよ」という話で、読むと納得しそうになるが、煙に巻かれた気分にも。これだけくっついてしまっている世界経済を閉じて切り離す事ができるのか、発展途上国はどうなるんだろう、定常といっても経済は一応前へ進まないと後退してしまうからやっぱり進む事は必要ではないのか……といった疑問がいくか浮かんできた。確かに資本主義の限界というのはよくわかる。経済成長も(先進国は)それほど望めないだろう。だからといって閉じて内にこもればいいのか、こもれるのか……。これはこれでおもしろいんだけど、あくまで発想の転換をしようという提案に過ぎない気がしたな。

 浅羽祐樹・木村幹『だまされないための「韓国」 あの国を理解する「困難」と「重み」』(講談社ビーシー。たまにはこういう本も読んでみる。やや扇情的なタイトルだけど、だまそうとしているのはいい加減な識者たち。中身はいたって冷静かつフラットで、現在の韓国(そして日本との関係)を知れる一冊。これをヘイトと言われたら、もう何にも論じれないと思う。木村幹氏の言う、「人間をイデオロギーで論じない」「ロジカルに考える」は日韓だけでなく、全ての事に言えるよなぁ。

June 27(Tue), 2017

[]メッセージ/明日の君を昨日知る メッセージ/明日の君を昨日知るを含むブックマーク

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 原作未読。昨日と明日の垣根を溶かした今日と自我を永遠へと流し込む。物語が遅い自身の筆致を熟知したヴィルヌーヴの職人芸が見事に冴え渡っていた。だが一方で、「future」という言葉が出てくるあたり、時間=生きるという我々の概念からはやはり飛べないものだなとも思った。祝福も残酷も見通せる中で何を選択するのか。先が見えてもその時間に私たちは生きるしかないというハードボイルドなロマンチズムが、ルイーズを演じたエイミー・アダムスが体現していた。

 ただ、正直言ってちと退屈ではあったかなぁ。SFは「すごく・ふしぎ」より「すこし・ふしぎ」の方が好みなのもあるが、時間概念を突破するのは難しいなと。そして次は生命の境界線を揺らす作品なので、結構期待している。

 未読の原作はさることながら、吉田健一の『時間』も読んでみようかと思った。

[]マンチェスター・バイ・ザ・シー/人が海に戻ろうと流すのが涙なら マンチェスター・バイ・ザ・シー/人が海に戻ろうと流すのが涙ならを含むブックマーク

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 皆が許して罪を問わないけれど、俺だけは俺を許さず罰を与えよう。そうでしか俺は俺を許せない。あの殺風景な部屋は独房に他ならない。そうして擬似親子が補完しあって支え合うというよりも、どうやって俺達は日常や生活に戻っていけるのだろうと血の轍を共に歩いて模索する喪の仕事。だが、片や前途ある若者で充実した私生活や未来など何もかもが光に満ちている一方で、暗闇の中でそれを眩しそうに見るしかない過去から抜け出せない男は、「乗り越えられないんだ」と声に出して打ち明ける事で答えを振り絞るしかなかった。登場人物の感情や生活のフェアな描き方、雪や光や曇天模様などはすばらしかったのだが、しかしその結果少し演出がやかましく思えたかな。猫背でハスキーなケイシー・アフレックは前評判通り好演。

June 26(Mon), 2017

[]月曜から 月曜からを含むブックマーク

 会議を乗り越え、別部署の人と飯を喰らい、ついつい長居をしてしまい疲れた。明日休みたい。休めない。今週は長く感じそうだ。

June 25(Sun), 2017

[]休日派発想力ないのよ日記 休日派発想力ないのよ日記を含むブックマーク

 曇天模様で電車に乗る気分にならず、明日の会議の準備もあるので近所だけですませる事にする。昼にぶらっと外に出て、メシ、茶、本屋を回ってから食材を買って帰宅。会議用のネタを考えるも、ろくなアイデアが出てこない。アイデアってどうやったら出てくるんだ? 社会人10年以上やっていて、いまさらなんだが。夕飯後も同じ。少し長めの夜の散歩をして、入浴。ネタを考えながら床へ。

June 24(Sat), 2017

[]休日派梅雨明けっていつ頃だっけ日記 休日派梅雨明けっていつ頃だっけ日記を含むブックマーク

 梅雨の貴重な晴れ間。梅雨らしい梅雨ではないけれど、まぁとにかく晴れなので掃除と洗濯に勤しむ。昼は近所に11時〜15時までしか空いていないラーメン屋がある事を発見したので、そこに行く。今日は醤油ラーメンしかない、というこだわりっぷりで、期待に違わずなかなかうまい。また来るかどうかはわからんが。

 新宿に出て、武蔵野館で『ブラッド・ファーザー』を見て、一休みと喫茶店に入ろうと思ったらどこもかしこも激込み。うろうろしている間に時間が経ったので、ピカデリーに向かい『20センチュリー・ウーマン』。ピカデリーはものすごい人手で、何事かと思ったら宇宙戦艦ヤマトの新作の客らしい。物販コーナーも長蛇の列。そしてピカデリーの人の動線がクソなので、余計に混む。

 新宿を抜け出して下北沢へ。まずはコーヒー豆を買い、夕飯はたぶん年単位で久しぶりのなす親父へ。チキンカレー、うまい。うまいんだけど、何か思い出の味とは違っていて、ちょっと寂しくなったのも事実。ぶらぶらと帰宅。買ってきた豆で明朝のアイスラテ用のエスプレッソを作ってから入浴。

 日記書き。Netflixで途中まで見ていた映画を見終え、本を持って床へ。

June 23(Fri), 2017

[]ジェーン・ドウの解剖/いつどこのだれであろうとも ジェーン・ドウの解剖/いつどこのだれであろうともを含むブックマーク

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 傑作『トロール・ハンター』はまぐれではない、ここでもなお孤高の志を貫き通した作品が産み落とされた。凡庸なホラーにありがちな単なる血みどろ大騒ぎではなく、人間のドラマとして腰を落ち着かせながら、遠いところへ連れて行く密室劇。一般には忌避されがちな遺体を直視し、その身体を切って、剥いで、調べて、情報をかき集めて推測し、仮説を立て、真相に近づけば近づくほど、近づいたものが後戻りできない漆黒のどん底に叩き落とす。全編ほぼ演技する二人と動かない一人によって構成されているのにそれらが見事にかみ合いスウィング。毅然とした映画なだけに、本来なら最後のアレは蛇足でしかないのに、監督からのチャーミングなウインクのようであった。なんだか感動すらしてしまった。いまさらだが、必見。

[]パーソナル・ショッパー/君を見ている パーソナル・ショッパー/君を見ているを含むブックマーク

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 見えない「そこにある/ここにいる何か」に恐怖、興味、共感、親近感を抱く形で世界の輪郭をなぞったり、本質を射抜いたりするあたり、本作はオカルトやスピリチュアルではなく、ホラーと呼ぶのが正しいのだろう。何がわかって、何がわからないのか、何を感じているのかを、揺らめくように描いて、登場人物と観客とを同期させる手腕が見事。メールの文字、エレベーター、自動ドアなど、機械を使う事で「そこにいる」のが自然に見えて、生死の境界線をひょいと超えていた。いろいろとドキドキしたし、クリステン・スチュワートがかっこよくて見惚れたよ。

June 22(Thu), 2017

[]中継ぎ 中継ぎを含むブックマーク

 引っ越してから、二階だとネットがぷちぷちと切れるようになってしまった。調べてみると(調べるまでもないかもしれんが)、距離や壁の関係から無線wifiが二階に届くまでに弱くなってしまうらしい。どうしたものか、もっとパワーのある機器に買い替えた方がいいのかと考えながら一年近く使い続けていたのだが、Netflixを始めてから、さすがに映画の途中であまりにストップするので何とかせねばと検索したら、世の中には中継器というものがある事を知った。もうずいぶん前から存在しているらしい。進んでいるな、文明。試しに安いのを買ったが、さくさくとネットが繋がった。簡単な話だ。何故いままであれこれしていたのか。

 どうも俺はPC関連に関しては、キレやすい。よくPCに怒鳴る。「何でだよ!」。何でもなにも、何かあったから不具合が起きていて、それは頭では理解しているのに納得できなくて、「ふざけんなよ」と怒ってしまう。他の事はそうでもないのに、PC関連だけは短気だ。我ながら意味がわからない。いいではないか、ネットが繋がらない時があったって。だいたいこの手のトラブルは解消できるものだし、スマートフォンだってあるのだから事は足りる。それもわかっている。だけど、怒ってしまう。落ち着け俺。クールになれ俺。まぁそう言ってなれるのなら苦労はしないのだが。

 とりあえずいまは快適なので、心も平穏です。何だこの話。