Huluの動画視聴回数が3か月で2倍に

comScoreが先日、今年10月のアメリカのオンラインビデオ・サイトのトラフィックを発表しました(プレス・リリースはこちら)。動画の視聴回数に基づくランキングで断トツの1位になったのはもちろん「Google Sites」、すなわちYoutubeで、2位に10倍以上の大差をつけています。以下、10位まではこのようになっています。

Top U.S. Online Video Properties by Videos Viewed (October 2008)

Total Internet: 135.3億回
1. Google Sites: 53.7億回
2. Fox Interactive Media: 5.2億回
3. Yahoo! Sites: 3.6億回
4. Viacom Digital: 3.1億回
5. Microsoft Sites: 2.9億回
6. Hulu: 2.4億回
7. Turner Network: 2.3億回
8. Disney Online: 1.3億回
9. AOL LLC: 1.2億回
10.ESPN: 1.0億回

Source: comScore Video Metrix

ここでYoutubeの圧倒的なリーチの他にもうひとつ目を惹くのがやはりHuluです。同じcomScoreの調査でHuluの動画の月間視聴回数が1億回を超えたと話題になったのが今年7月ですから(7月のランキングはこちらを参照)、そこからわずか3か月で視聴される動画が2倍になったことになります。大統領選の直前だったこの時期は親会社NBCの番組内で放送された「サラ・ペイリンの物真似パロディ」のクリップがHulu上で大ヒットした(関連エントリー)という特殊事情もあるのですが、それを考慮に入れてもすさまじい成長率です。

ところで、comScoreのリリースを伝えるMultichannel Newsの記事には、「Huluの視聴者の4分の3はYahoo, MSN, Myspaceなどのパートナー・サイトを通じてやってくる」という分析が載っています。どのようにしてこの数値が計算されたのかはよくわかりませんが、多少の誤差があったとしてもHuluのコンテンツはHulu.comよりも他の場所で視聴されることの方が多いということなのでしょう。だとすると、実際にHuluのコンテンツが視聴されている回数は上記の「月間2億3500万回」よりも遥かに多いのかもしれません*1。自社サイトまでユーザーを呼び寄せるだけでなく、さまざまな外部サイトと連携してユーザーのいるところまでコンテンツを送り届けるという戦略がますます重要になってきているのではないでしょうか。

*1:確証はありませんが、Huluのサイト以外で視聴されたHuluのコンテンツは、Huluの視聴回数としてはカウントされていないのではないかと思います。そんな数え方をしたらYoutubeでの動画視聴はほとんどが他のサイトのものとしてカウントされてしまうかもしれません。