映★画太郎の MOVIE CRADLE 2

もう一つのブログとともに主に映画の感想を書いています。

『さびしんぼう』


※以下は、2012年に書いた感想です。


大林宣彦監督、富田靖子尾美としのり出演の『さびしんぼう』。1985年作品。

転校生』『時をかける少女』につづく“尾道三部作”の第3弾。

原案は山中恒の児童よみもの「なんだかへんて子」。

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さびしんぼう 歌:富田靖子 作詞:売野雅勇 編曲:瀬尾一三
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広島県尾道市。寺の住職の息子ヒロキ(尾美としのり)は女子高の教室でピアノを弾く少女を「さびしんぼう」と名付けてひそかに憧れている。毎日「勉強しなさい」と口やかましい母親(藤田弓子)は、なぜか息子にピアノでショパンの「別れの曲」をおぼえさせようとする。そんなヒロキの前に“さびしんぼう”と名乗る不思議な少女が姿をあらわした。


大林監督の『青春デンデケデケデケ』(感想はこちら)をひさしぶりに観て、けっこうジ~ンときたので、つづけて大林作品を借りてきました。

ただ、僕はこの『さびしんぼう』を以前TVかヴィデオで観た気がしていたんだけど、今回DVDで観てみてどうしても内容が思い出せず、これはもしかしたらはじめて観るのかも、と思いなおした。

主演の富田靖子の白塗りのあの姿はいろんなところで見ていたので、映画も観たつもりになっていたんだろうか。

 


富田靖子という女優さんは80年代から90年代にかけてわりとコンスタントに映画に出ていたのだけれど、僕はほとんど観ていない。

それでも市川準監督の『BU・SU』とか『ほんの5g』とか、いくつかの出演作品のタイトルはなんとなく知っていた。

…好きなタイプの顔の人だからかな。


多分、映画館ではじめて観た(そしていまのところ唯一の)出演作品は、1995年公開の香港と日本の合作映画『南京の基督』(監督:トニー・オウ)。

芥川龍之介の小説が原作で、主人公の日本人役をレオン・カーフェイ、彼と出会う中国人の娼婦役を富田靖子が演じていた。

あれから観てないんでどんな話だったのかよくおぼえてないんだけど、当時としては大胆なヌードシーンもあって、富田さんは体当たり演技を見せていた。

主演がレオン・カーフェイというところからも香港版『愛人/ラマン』をねらった作品だったんだろう。

ただ、映画のなかで彼女の声はおそらく中国人女性が吹き替えていて、少女役ということもあってそれがわりと高めの声だったので、富田さんの元の声を知ってると違和感ありまくりであった(ちょうどジャッキー・チェン主演の『シティーハンター』で広東語をしゃべるゴクミの声が甲高かったような感じ)。

さびしんぼう』からちょうど10年経っていてすでに26歳だった富田さんの裸体は立派な成人女性のもので、少女には見えなかった。

彼女が演じる死にゆく少女ははかなげで涙をさそったけれど。

もしまた観る機会があったら観てみたい(オヤジ的興味で)。


さて今回、大林作品のなかではけっこう人気が高い作品らしい『さびしんぼう』を観はじめて、「…あぁ、たしかに大林監督の作品ってこんな感じだった」と。

先日の『青春デンデケデケデケ』がむしろ例外的な作品であって、ちょうど2007年に『転校生 -さよなら あなた-』を観たときのようななんともいえない違和感が甦ってきたのだった。

以下、ネタバレあり。

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『ふたり』


※以下は、2012年に書いた感想です。


大林宣彦監督、石田ひかり中嶋朋子出演の『ふたり』。1991年作品。

“新・尾道三部作”の1作目。原作は赤川次郎の同名小説。

あ、いつものとおり原作は読んでいません。

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しっかり者の姉と、そんな姉にいつも頼っていた「グズでドジな」妹のふたり姉妹。1年前、姉の美津子(中嶋朋子)は事故で命を落とした。もともと精神的にもろかった母親(富司純子)はそのショックからいまだに立ち直れず、妹の実加(石田ひかり)もまた姉の不在にどこか現実味を感じられずにいる。そんなある日、妹のもとにもうこの世にはいないはずの姉があらわれる。


今回、“変態オヤジ”っぽいことをあれこれホザいたりなんかするので、そういうのが本気で苦手なかたはご遠慮いただいた方がよろしいかも。

以下、ネタバレでいきます。

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