アジアンロードレース選手権 第5戦 インド




■ 2016年 アジアロードレース選手権 第5戦 インド大会
スーパースポーツ 600cc / アジア・プロダクション 250
■ 開催日:2016年10月2日(日)
■ サーキット名:ブッダ・インターナショナル・サーキット(5.141 km)



カワサキ、両レースで3位登壇(レース1:Yudhistira、レース2:Kamaruzaman)

アジアロードレース選手権第5戦(9月30日〜10月2日)は、選手権初開催となるインド・ニューデリー郊外にあるブッダ・インターナショナル・サーキットBIC)で行われた。
 BICはかつてF1が開催されたことがあるだけに、スタンドやピット等の施設は充実し、規模が大きく、アジア屈指のサーキットと言っても過言ではないだろう。
 コース長は5.141km。1.2kmのバックストレートと13のコーナーを有する。平野部に建設されてはいるが、意図的であろうかアップダウンが設けられていて、ブラインドコーナーも多く、攻略は一筋縄にはいかないことが予想された。


レポート


インド人を除くライダーは初めてのサーキットになるため、木曜日に許可されたコース視察の時間帯は、気温が35℃を超える中、全ライダーが徒歩でコース確認を行った。
 9月30日に行われた3回のフリー走行では、Manual-Tech KYT KawasakiのYudhistira、Fadly、そして今大会から復帰したBike ART KawasakiのKamaruzamanは、前回のレースでのサスペンションセッティングのまま走行を開始、コースへの慣熟、ファイナルギアの選定からスタートし、サスペンションの微調整を行った。


予選が行われたのは10月1日の9時40分からであったが、気温はすでに30℃を超えていた。
 予選では、フリーから好調のWest(Yamaha)、Kraisart(Yamaha)が好タイムをマークし、リードする。他のライダーもマシンチェック、コースコンディションの確認を終えるとフレッシュタイヤに交換し、タイムアタックを開始する。各ライダーがコントロールラインを通過する度に順位がめまぐるしく入れ替わるが、ポールポジションを獲得したのは1'55.528をマークしたWest。2番手に1'55.949でKraisart、3番手にZaidi(Honda)、Kamaruzamanは1'56.265で4番手、Yudhistiraは1.56.533で6番グリッドからのスタートとなった。





 引き続き午後に行われたレース1は波乱の幕開けとなった。1周目の最終コーナーでChooprathet(Suzuki)がハイサイドを起こし激しく転倒、Chooprathetは動けず赤旗中断となる。
 16周で行われる予定だったレースは13周に変更になり、あらためてスタートした。
ホールショットを決めたのはZaidiだったが、フライングと判断され、ライドスルーペナルティが課され早々に戦列を離脱した。代わってレースをリードしたのはWest。圧倒的なストレートでの速さを武器に徐々に後続を引き離していく。その後ろではKraisartにKamaruzamanとYudhistiraが襲いかかる。病み上がりのKamaruzamanをかわしたYudhistiraは5周目の1コーナーでKraisartをとらえ2番手に浮上する。以降この二人は最終ラップまで幾度も順位を入れ替えることになる。一方、復帰戦に臨んだKamaruzamanは高橋(Honda)、Narkcharoensri(Yamaha)、羽田(Honda)らと4番手争いを展開する。最終ラップ、3番手でコントロールラインを通過したYudhistiraはバックストレートエンドで勝負を仕掛けようと試みたが届かず、そのままKraisartに抑えられ3位でチェッカーを受けた。Kamaruzamanは一時4台の集団の中の4番手まで順位を落としていたが、ラスト2周で羽田、Narkcharoensriをかわし、高橋に続いて5位でフィニッシュした。16番手からスタートしたFadlyは13位でフィニッシュ。







翌日曜日のレース2は、気温34℃、路面温度54℃、とほぼレース1と同じ晴天の下で行われた。好スタートを決めたのはKraisart。Kamaruzamanも好スタートを見せ、1コーナーを3番手で立ち上がる。Kraisart、West、Kamaruzamanが早くもトップグループを形成、序盤は激しく順位を入れ替えるが、WestとKraisartがKamaruzamanを引き離す。Kamaruzamanの後方では、高橋、Yudhistira、Narkcharoensri、Zaidi、小山がセカンドグループを形成、中盤以降、ドッグファイトが激化していく。Yudhistiraは中盤まではこの集団の2番手につけ、さらに上位をうかがう勢いだったが、徐々にチャタリングが発生するようになり、ペースを維持できなくなってしまう。結局レースはWestレース1に続き優勝、2位にKraisart、3位Kamaruzamanという結果となった。終盤失速したYudhistiraは8位、Fadlyは13位で終えた。
 最終戦となる第6戦は、12月2〜4日、タイ・チャーン・インターナショナル・サーキットで開催される。



リザルト


Race 1

Pos. No. Rider Machine
1 13 Anthony Keith West Yamaha
2 24 Decha Kraisart Yamaha
3 33 Ahmad Yudhistira Kawasaki
4 1 高橋 裕紀 Honda
5 25 Azlan Shah Kamaruzaman Kawasaki
6 71 小山 知良 Honda
7 14 Anucha Narkcharoensri Yamaha
8 46 日浦 大治朗 Honda
9 76 伊藤 勇樹 Yamaha
10 41 芳賀 紀行 Suzuki
11 100 Thitipong Warokorn Honda
12 31 Gerry Salim Honda
13 108 Andy Muhammad Fadly Kawasaki
14 21 Md Zaqhwan Zaidi Honda
15 12 Md Fitri Ashraff Razali Yamaha
16 16 Irfan Ardiansyah Honda
17 91 Jakkrit Sawangswat Honda


Race 2

Pos. No. Rider Machine
1 13 Anthony Keith West Yamaha
2 24 Decha Kraisart Yamaha
3 25 Azlan Shah Kamaruzaman Kawasaki
4 14 Anucha Narkcharoensri Yamaha
5 1 高橋 裕紀 Honda
6 21 Md Zaqhwan Zaidi Honda
7 71 小山 知良 Honda
8 33 Ahmad Yudhistira Kawasaki
9 46 伊藤 勇樹 Yamaha
10 77 羽田 大河 Honda
11 41 芳賀 紀行 Suzuki
12 100 Thitipong Warokorn Honda
13 108 Andy Muhammad Fadly Kawasaki
14 12 Md Fitri Ashraff Razali Yamaha
15 16 Irfan Ardiansyah Honda
16 46 日浦 大治朗 Honda