路上スケーティング


アイスバーンというより、ほとんどスケートリンク状態の道。私は、この上をアスファルトの上と同じような身のこなしで歩くことができる、わけがない!何度ものけぞった。風太郎でさえ、四輪のスパイク(爪)をしっかりときかせているはずなのに、何度か脚をとられていた。慣れてくると、半分滑るように歩くというか、進むことができるようにはなる。


久しぶりに、「時間が壁に描いた」アートに眼が行った。

私のウェブ図書館:LibraryThing

米国版BooklogのLibraryThingを試してみた。
「オンラインで本をカタログしよう(Catalog your books online)」がモットーである。

LibraryThing http://www.librarything.com/

大好きな一冊Derek Jarman's Gardenだけ、「カタログ」してみた。こんなインターフェース。

このリスト・ビューでは、特に、右端の共有情報が目に留まった。人アイコンは社会情報、カードアイコンは本の情報だ。どちらかをクリックすると、こんなページが開く。

左側では、Amazon以下の書店での検索から図書館検索ができる。主な情報は、タグ情報と米国国会図書館とアマゾンのデータベースを利用した推薦情報。両方ともなかなか参考になってよい。

このLibraryThingは200冊までは無料でカタログできる。年間$10で無制限、$25で一生無制限にカタログできる。米国国会図書館、アマゾン系の6つのサイト、世界の60以上の図書館(詳細は不明)の情報を検索できるという。LibraryThingは図書館情報をZ39.50 protocolによって得ている。ブクログがネット上の個人「本棚」だとすれば、LibraryThingでカタログした本のコレクションはネット上の個人的な図書館みたいなものなので、図書館らしく、デューイの分類で整理することもできる。

LibraryThingは創設者のTim SpaldingさんとライブラリアンのAbby Blachlyさんの二人のチームで運営されている。Tim Spaldingさんの奥さんはアイルランド系の小説家Lisa Careyである。HarperCollinsからすでに面白そうな本を四冊出している。そのうちの"Love in the Asylum"(2004)が特に興味深い。アマゾンのなか見検索で冒頭の頁が見られる。

http://www.amazon.com/gp/reader/0060937432/ref=sib_dp_pt/104-4903547-6452748#reader-link

いきなり「アサイラム、死にたい時に送られる場所、自殺を防ぐ避難所」で始まる。早速「カタログ」した。

どちらが補助か?タクソノミーかフォークソノミーか

Formtek社のDick Weisinger氏がフォークソノミーの利点とタグクラウドの弱点について分かりやすい説明をしていた。

December 13, 2006
Metadata: Folksonomy and the Art of Tagging in the Enterprise
http://www.formtek.com/blog/?p=157

The folksonomy approach compared to a more standard hierarchical taxonomy provides much more flexibility. Tagging allows some content items to be easily related to multiple categories or groups, rather than being relegated to a single fixed bin or folder. Frequently used tags are grouped into “tag clouds” that typically display a cluster of tag words of varying font sizes with the most commonly used tags being displayed in the largest font.

Folksonomy is something very new and will no doubt evolve. A weakness of current implementations is that tag clouds today have no other weightings than the number of times a tag is used. Adding a dimension or weighting of time would make tag relevancies more accurate because tag relevancies can be skewed towards tags that have had a lot of activity during a short period of time but which later lose relevancy.

Dick Weisinger氏は基本的に、フォークソノミーはタクソノミーを補助する(supplement)ものだと考えている。その上で、フォークソノミーの融通性(flexibility)を評価する。評価のポイントは、タグづけによって、従来の分類にはすっきりとおさまらないような項目、へたをすればゴミ箱行きの項目が救われる点にある。また、タグの適切さを視覚的に表示してくれるタグクラウドに関しては、タグの使用頻度の他に、「時間」の次元を加えることによって、タグの適切さはより正確なものになるだろうと提言している。現状のタグクラウドは、タグの適切さがある一定時間内の利用頻度が高いものに偏っているからである。なるほど。時間の経過につれてたえず雲の形、タグ語のフォントサイズが変化しつづけるようにするというわけだ。でも、すでにありそうな気がするが。

Dick Weisinger氏は企業の情報管理に関わる仕事をしているので、あくまでタクソノミーあってのフォークソノミー、とう立場を崩さない。しかし、私としては、例えば、YouTubeflickrやdeli.cio.usにおける検索の経験から、少なくともインターネット上のある種の情報の分類に関しては、もはやフォークソノミーはタクソノミーをお役御免にしているのではないかと感じている。そして他の場面でも、価値判断は抜きにして、Dick Weisinger氏とは反対に、ますますフォークソノミーが隆盛して、いずれタクソノミーの方が補助的位置づけになるような気さえする。

考えてみれば、私は今まで記憶、記録してきた情報(蓄えた知識)をたえず私なりに分類しなおす、つまりタグ付けしなおすことによって、旧来の分類を脱構築してきたのではないか。例えば、もし私が「哲学/ビジネス」という分類に拘っていたら、そしてもし、タグによる検索が実現していなかったら、このDick Weisinger氏の記事を読むことは一生なかっただろう。